荒井良二

01
ARTWORKS
SUMUFUMU TERRACE青山

百一年の家の絵本
ORDER MADE

家は絵本のようなもの。
世界的絵本作家と
“心のなか”に建てる家。

 本にも“扉”がある。
 表紙をひらいて、最初に現れるページのことだ。何代も住み継がれた古民家の“扉”なら、その先に連なる一族の歴史が読めるはず。建ったばかりの新築の家は、さながら真っ白な絵本だろうか。家という絵本のなかで、一日いちにち、家族の物語が紡がれていく。
 家も絵本も、土地や文化の上でしっかり組み立てられたものだとしたら、古びても色あせることなく、親から子へ世代を越えて手渡される。絵本作家・荒井良二さんが構想した「百一年の家の絵本」は、そんな家族の長旅を見守る、オーダーメイドのアートピースだ。
 「百一年の家の絵本」の制作は、絵本作家との対話からはじまる。それは家づくりにおける施主と設計士との関係に似ている。荒井さんと一つのテーブルを囲んで、どんな家を建てたいのか、どう暮らしていきたいのか言葉を交わす。その話を聴きながら絵本作家の指はもう小さな絵本を滑らかに描きはじめているだろう。
 今プロジェクトの最初の作品として、荒井さんは自らが暮らす家のための絵を描いてくれた。毎日眺めるならどんな家の絵がいいか考えていたら、「家とは、物質的な“建物”ではなく“灯り”のようなものと思い至った」と荒井さんは話す。そして「アートは必ずしも心地の良いインテリアじゃない。闇も含んでいる。日常に漫然と開かれているんじゃなくて、見たいときにちゃんと対峙できるよう扉をつけたい」と。
 荒井さんの郷里・山形の家具職人が制作した扉付きオリジナルフレームを開けると、絵の中の不思議な光が溢れてくる。焚き火のようなその家は、雪国にあった荒井の生家か、あるいは未来の子供たちが生きる風景だろうか。
 あなたの心のなかにある家は、どんな色や形をしているだろう? 絵本作家とつくる家のような絵本「百一年の家の絵本」は、きっと後世にも受け継がれていく、特別なアートピースになるはずだ。

宮本武典(SEKISUI HOUSE meets ARTISTS キュレーター)

DETAIL & HOW TO ORDER

荒井良二

「百一年の家の絵本」

サイズ・素材:絵画 H53cm×W45.5cm
キャンバスにアクリル、色鉛筆、コラージュ/
キャビネット H85cm×W49.9cm×D6.8cm
米松、小石、真鍮(製作=相田広源 TIMBER COURT)
価格:924,000円(税込)ミニ絵本付き
納期:オーダーから約2ヶ月/オーダーメイド

注文方法:世界的な絵本作家があなたのために描く“わが家”の心象風景。オーナー様から理想とする家のイメージを聞き取り、F10号のキャンバスに描き出します。絵画を納める壁掛けのキャビネットも荒井さんがデザイン。下部の小さな収納には、聞き取ったメモをもとに制作したミニ絵本が入る。

ARTWORKS
SUMUFUMU TERRACE青山

new born - drawings

#01 ~ #50
READY MADE

世界的絵本作家が夢想する
“旅する家”のワンシーンを、
住宅廃材からつくった額に入れて。

2005年に児童文学のノーベル賞といわれるアストリッド・リンドグレーン記念文学賞を受賞するなど、国内外で数々の絵本賞を受賞し、日本を代表する絵本作家として知られるアーティストの荒井良二さん。私たち積水ハウスは、2023年夏から全国を巡回する荒井さんの大規模個展をサポートします。展覧会名は《new born 荒井良二 − いつも しらないところへ たびするきぶんだった》。積水ハウスの住宅建設で出た廃材が、荒井さんの手でたくさんの“旅する家”のオブジェにアップサイクルされ、各地の美術館で展示されます。
SEKISUI HOUSE meets ARTISTS青山会場では、この巡回展のサテライト会場として廃材オブジェの一部を展示するとともに、“旅する家”の着想段階で、物語の世界観をつくり込むために、荒井さんが古い藁半紙に描いた素描《new born - drawings #01 ~ #50》を展示・販売します。この作品のために荒井さんの故郷・山形の家具デザイナーが制作したフレームも、積水ハウスの新築施工現場の廃材をリユースしたオリジナルです。

DETAIL & HOW TO ORDER

荒井良二

「new born - drawings
#01 ~ #50」

サイズ・素材[シート]:26.5cm×38.5cm|25.7cm×36.5cm 古紙に墨、アクリル絵具、色鉛筆、コラージュなど/[オリジナルフレーム]:住宅廃材、アクリル板(製作:相田広源 TIMBER COURT)
価格:127,000円(税込)
納期:ご成約の翌月末までにご自宅に郵送いたします。/レディメイド

注文方法:SUMUFUMU TERRACEにてお選びください。

PROFILE

荒井良二 Ryoji Arai

1956年山形県生まれ。日本大学藝術学部美術学科を卒業後、絵本を作り始める。1999年に『なぞなぞのたび』でボローニャ国際児童文学図書展特別賞を、2005年には日本人として初めてアストリッド・リンドグレーン記念文学賞を受賞するなど、国内外で数々の絵本賞を受賞。日本を代表する絵本作家として知られ、海外でもその活動が注目されている。美術館での展覧会、NHK連続テレビ小説「純と愛」のオープニングイラスト、「みちのおくの芸術祭 山形ビエンナーレ」の芸術監督など多方面で活動。主な絵本に『はっぴぃさん』、『ねむりひめ』、『きょうはそらにまるいつき』、『きょうのぼくはどこまでだってはしれるよ』、『こどもたちはまっている』などがある。

  • 『たいようオルガン』
    2008年
    『たいようオルガン』
    作・絵 荒井良二 偕成社
  • 『あさになったのでまどをあけますよ』
    2011年
    『あさになったのでまどをあけますよ』
    作・絵 荒井良二 偕成社
  • 『山のヨーナ』
    2018年
    『山のヨーナ』
    山形ビエンナーレ2018 でのイスタレーション
ART PROJECT

建築廃棄物の山から、“旅する家”のキャラバンが動き出す。
積水ハウスと絵本作家のアートプロジェクト。

ゼロエミッションとは、「廃棄物のエミッション(排出)をゼロにする」こと。茨城県古河市にある積水ハウスのゼロエミッションセンターでは、新築施工現場で分別された建築廃棄物を100%リサイクルしています。この新築ゼロエミッション達成により、施工現場における廃棄物の発生自体が抑制され、以前は住宅1棟あたり約3トン発生していた廃棄物を、約半分にまで削減することができました。なかでもプラスチックごみは、人の手で50品目まで細かく分別することにより、90%が元の素材に再生されています。
積水ハウスでは、このように環境保全につながる〈サーキュラーエコノミー(循環型経済)〉のシステムをより多くの方々に理解していただく活動として、世界的な絵本作家である荒井良二さんとのプロジェクト《new born》をスタートさせました。荒井さんが注目したのは、新築施工の現場でどうしても出てしまう廃材(木の端材)。そこから、「家の廃材で“旅する家”の物語をつくる」というアイデアが生まれました。

《new born》の旅は、2023年夏から全国各地の美術館を巡回する荒井良二展とのタイアップによって、さらにスケールアップしていきます。コンテナおよそ3杯分の建築廃棄物が、絵本作家の手で50以上の車輪がついた家型オブジェに再生され、キャラバン隊のようにいくつもの街をめぐり、それぞれの家の姿かたちにまつわる物語を伝えていきます。
青山会場では全50作品のうち、荒井さんが最初に制作した《夜の窓を開け放ち、わたしと猫を遠くへ連れ出す足踏みオルガン。》他、3作品を展示いたします。この色とりどりの小さな家たちには車輪が付いていて、よく見ると架空の子どもたちが暮らしています。家の廃材から生まれた不思議な家のキャラバンは、姿かたちを変えながら、絵本作家と一緒に様々な街をめぐります。

「これは文字のない絵本なんだ」と語る荒井良二さん。廃材から組み上げたこの不思議な家たちには、どんな旅の物語が込められているのでしょう? ぜひ美術館にも足をお運びください。

連携開催

「new born 荒井良二
いつも しらないところへ
たびするきぶんだった」

公式サイト https://arairyoji-nb.exhibit.jp
開催館: 神奈川会場|横須賀美術館 2023年7月1日~9月3日
千葉会場|千葉市美術館 2023年10月4日~12月17日
愛知会場|刈谷市美術館 2024年4月20日~6月9日
福島会場|いわき市立美術館 2024年9月7日~10月20日(予定)
※福島以降も各地の美術館に巡回します。詳細情報は上記の公式ウェブサイトをご覧ください。
主催:横須賀美術館、朝日新聞社
協力:偕成社、積水ハウス株式会社、宮本武典

要予約/⼊場無料 定休⽇:⽕・⽔曜⽇、祝⽇、夏季休暇、年末年始 「SUMUFUMU TERRACE」は⽇時指定完全予約制です。ご来場前にご予約ください。 要予約/⼊場無料 定休⽇:⽕・⽔曜⽇、祝⽇、夏季休暇、年末年始 「SUMUFUMU TERRACE」は⽇時指定完全予約制です。ご来場前にご予約ください。

荒井良二

SUMUFUMU TERRACE 青山

東京都港区南⻘⼭2-26-1 
D-LIFEPLACE南⻘⼭ビル1階