植田真
風
その家のために
吹き抜ける
気持ちの良い「風」。
山にはさまざまな樹種があり、それぞれ違う枝振りや葉の形が幾層にも重なりあっています。とても複雑な形や色彩があって、見回すと、どこか抽象的なイメージとしてとびこんでくるのです。風や雲によって常に光の角度が変化し、その度に植物の色彩は絶妙に移ろい、一瞬足りとも同じ姿を留めていません。そういう中に身を置いていると、地球そのものの生命力を感じます。そんなインスピレーションを受けて制作していますが、その家のために吹き抜ける、気持ちの良い『風』を届けられれば、と思っています。
植田真
「風」
サイズ・素材：116.7cm×116.7cm（キャンバス、アクリル）
価格：1,130,000 円（税込）
納期：オーダーから約3～6ヶ月 ／ オーダーメイド
注文方法：ご注文後、積水ハウスの担当者が同席のもと、お客様とアーティストをオンラインでお繋ぎし、アーティストから質問頂きます。その後制作はスタートします。
もうひとつの窓
その人の物語から
見えてくる
景色や気配。
僕は小説の表紙や挿画なども描きますが、物語を読み、その作品世界をできるだけ味わい、見えてくる景色や匂いを探します。今回、オーダーを受けて制作する絵も同じように、その方の物語を聞き、そこから見えてくる景色や気配を描かせていただこうと思っています。また、今回『窓』をイメージしていることもあって、交流のある木工家具の職人さんにキャンバスのまわりにはめる木の縁を作っていただきました。選んだ木材は、ブラックチェリーとビーチの２種類。合わせてお楽しみいただけたらと思っております。
植田真
「もうひとつの窓」
サイズ・素材：45.5cm×45.5cm（キャンバス、アクリル）
価格：555,500円（税込）
納期：オーダーから約3ヶ月 ／ オーダーメイド
注文方法：注文後、積水ハウスの担当者が同席のもと、お客様とアーティストをオンラインでお繋ぎし、アーティストから質問頂きます。その後制作はスタートします。
小さな紙片の作品
詩篇でもある紙片。
小さな組み合わせから
感じる広がり。
紙片と言いましたが、詩篇でもあります。大きな水彩紙を必要な大きさにカットして絵を描いた時にできる、切り落とされたちいさな紙。それをさらにちいさく切って、色を塗って、厚い本の間に挟んでおきます。すこし時間が経ったある日、本を開くと、ちいさないくつもの紙片がぱらぱらっと出てきます。それらを眺めていると、いろんな絵が浮かんでくるのです。さらに着彩して完成した絵を２～３枚手にとって、組み合わせて額装すると、絵と絵の関係性から、ちがう表情がうまれ、それがとても面白いと感じました。
シンプルな言葉と言葉が組み合わさってうまれる詩から、まるで宇宙を感じることがあるように、小さな紙片と紙片の組み合わせから、見る人のなかに広がりを感じてもらえたら嬉しいと思っています。
植田真
「小さな紙片の作品」
サイズ・素材：15cm×15cm（水彩紙、アクリル）
価格:74,500円（税込）
納期：ご購入から1ヶ月以内にお届け ／ レディメイド
注文方法：SUMUFUMU TERRACEにてお選びください。
植田真 Makoto Ueda
1973年静岡県生まれ。風、水辺、樹々といった原風景を作品制作の軸とし、絵本、装画、絵画制作、ライブペインティング、音楽など幅広く活動している。『イラストレーション』誌「ザ・チョイス」大賞受賞。『マーガレットとクリスマスのおくりもの』で日本絵本賞受賞。その他の絵本に『おやすみのあお』『りすとかえるとかぜのうた』など多数。
また、nakabanさんとの共作に絵本『みなとまちから』『とおいまちのこと』がある。
「家はかつての秘密基地。
その人の物語に耳を傾け、
描いていくのは景色や気配。」
Q1.植田さんにとって、「家」とはどんな場所でしょうか？
僕は山間に川が流れる自然豊かな場所で育ち、幼少期は近所の友達と山に秘密基地を作ったりして遊んでいました。木の枝を蔓で結んで壁にしたりシダの葉っぱで屋根にしたりとか、強い風が吹いたら倒れてしまいそうなものでしたが、特別な場所。その秘密基地では、友達と集まって、お弁当を食べたり、自分で描いた漫画を、友達に読んでもらったりしていました。心を許せる友達と、共有できるものを持ち寄って集まるというのは、とてつもなくわくわくする時間でした。
規模はちがいますが、「家」というものに、あの時の秘密基地のイメージがあるかもしれません。好きな景色が見えて、好きなものが置いてあって、それらを誰かと共有したりすることで、満たされていくような場所です。
Q2.オーダーメイド作品とレディメイド作品、それぞれどんな思いで制作されていますか？
レディメイドは、近年制作している紙片のシリーズ。紙片と言いましたが、詩篇でもあります。大きな水彩紙を必要な大きさにカットして絵を描いた時にできる、切り落とされたちいさな紙。それをさらにちいさく切って、色を塗って、厚い本の間に挟んでおきます。すこし時間が経ったある日、本を開くと、ちいさないくつもの紙片がぱらぱらっと出てきます。それらを眺めていると、いろんな絵が浮かんでくるのです。
さらに着彩して完成した絵を２～３枚手にとって、組み合わせて額装すると、絵と絵の関係性から、ちがう表情がうまれ、それがとても面白いと感じました。
シンプルな言葉と言葉が組み合わさってうまれる詩から、まるで宇宙を感じることがあるように、小さな紙片と紙片の組み合わせから、見る人のなかに広がりを感じてもらえたら嬉しいと思っています。
オーダーメイドは、S8号と大きなS50号の２種類のサイズを制作予定です。SはスクエアのS、どちらも正方形の「窓」を意識しています。家を作る時、窓もいくつか作ると思います。その中に「もうひとつの窓」が紛れていたらいいなと思いました。S8号では、家の窓の向こうに見える気持ちよい「風景」を。S50号では、その家のために吹いてくれる気持ちのよい「風」を。
僕は近所の山をよく歩くのですが、山で感じることは、制作に大きく影響があると感じています。
山にはさまざまな樹種があり、それぞれ違う枝振りや葉の形が幾層にも重なりあっています。とても複雑な形や色彩があって、みまわすと、どこか抽象的なイメージとしてとびこんでくるのです。でも、目の前の樹に近づいて触れてみると、一枚一枚の葉の形は具象的です。立ち位置、見方によってずいぶんと感じるものが変化します。
それに加え、山の中では、風や雲によって常に光の角度が変化しています。その度に植物の色彩は微妙に変化しますし、一瞬足りとも同じ姿を留めていません。そういう中に身を置いていると、地球そのものの生命力を感じます。
「風景」や「風」は、長いこと僕の制作のテーマにもなっていますが、山で感じることが土台となり、抽象的な表現のなかに、具象的なものや動きを感じられるような絵をイメージして描くことが多いです。みなさんそれぞれが自由に、ご自身の物語や大切な風景を重ね合わせ、楽しんでいただけたらという想いで描こうと思っています。
Q3.特にオーダーメイドで制作する作品は、植田さんにとって、どんな時間・体験になりますか？
僕は小説の表紙や挿画なども描きますが、物語を読み、その作品世界をできるだけ味わい、見えてくる景色や匂いを探します。今回、オーダーを受けて制作する絵も同じように、その方の物語を聞き、そこから見えてくる景色や気配を描かせていただこうと思っています。
また、今回「窓」をイメージしていることもあって、交流のある木工家具の職人さんにキャンバスのまわりにはめる木の縁を作っていただきました。選んだ木材は、ブラックチェリーとビーチの２種類。合わせてお楽しみいただけたらと思っております。
Q4.住まいに、アートを取り入れる楽しみは、なんでしょうか？
好きな家具、好きな食器、好きな本、好きな音楽、好きな植物…自分でえらんだ、好きなものに囲まれていると、居心地がいいということがあります。それらはひとつひとつが愛すべきものであると同時に、置く場所、置き方、使い方…そういったことが関係しあい、だれのものでもない、その家だけの気配をたちのぼらせていきます。絵画もまた、その家だけの気配を、やわらかにたちのぼらせていくもののひとつであったらいいなと思います。
飾った花が、ふと自分を励ましてくれたり、あそびにきたお客さんがよろこんでくれたりすることがあります。絵画もまた、そんなふうに自分やたずねてきたひとに寄り添い、ふと楽しませてくれるものであったらいいなと思っています。
Q5.アートは、住んでいる人たちにどんな影響を与えていくでしょうか？
絵を見て感じることに、こたえのようなものはなく、例えばなんだかいいなとぼんやりと感じたり、どうしてこんなふうに感じるのだろうと自問自答したくなったり…どんな感じ方もそのひとのものです。一枚の絵から受ける印象も、朝、昼、晩、光の差し方や、部屋の灯、見る人の心の状況、いっしょに見る人…さまざまな時間や状況によって、きっと変化があります。暮らしに絵があり、長い年月をともにすることは、そんな変化を楽しむ余白ができるようなものかもしれません。
