研究報告

住宅の換気と建物関連症状(BRSs)の関連

#健康・快適

#空気環境

積水ハウス株式会社/2025年3月

2003年の建築基準法により、住宅には0.5回/h以上の換気設備の設置が義務化されました。しかし、換気設備による健康影響の解明はまだ十分とは言えません。本研究では、換気量と換気種別(第1種・第3種)の建物仕様書データを用いて、BRSsとの関連を調査しました。

結果として、建築基準法による室容積から算出される換気回数だけではなく、在室人数に合わせて換気量を増加させるとCO2濃度が低下し、室内空気環境が改善されることが示唆されました。特に第1種換気設備ではいくつかの症状で有意な改善が見られ、安定した給排気やフィルター等による外気清浄機能が寄与していると考えられます。

本研究は、人数に応じた換気量がBRSs(建物関連症状:室内環境が要因となる症状)のリスクを軽減できる可能性を示し、健康に配慮した住宅の換気計画への応用が期待されます。CO2濃度に応じたデマンド制御や外気汚染を除去できる機能を備えた換気システムの開発理由に繋がる成果だと考えます。

Association between ventilation volume provided by ventilation systems and building-related symptoms: A cross-sectional study among residential houses in Japan, 国際誌, 2024年月