研究報告

環境と健康:ゼロ次予防戦略による研究

#健康・快適

積水ハウス株式会社/2025年3月

環境は人の行動や健康に影響を与えています。2023年1月に「健康と住まいの環境に関する全国調査(J-hohec)」を開始し、2024年3月時点で約13,000人が参加しており、2026年までの約4年間で冬期・夏期延べ8回の追跡調査を予定しています。 ※ J-hohec:Japan - Housing and Health Cohort.

今回の解析では、建物に関する「居住者の認識(アンケートによる回答)」と「図面・仕様書情報」の誤差を検証しました。その結果、項目により誤差の大小が見られました。例えば、誤差が大きい項目ですと延床面積の差が挙げられます。図面(壁芯)上の面積と、生活者が感じる生活スペースの広さには、感覚の違いがあり、平均で約16m2の差が生じていました。また、換気設備の種類(第1種・2種・3種)も44.5%しか正しい回答は得られませんでした。一方で、誤差が小さい項目として構造の種類や築年数については90%以上の高い正答率が見られました。

この結果は、建物環境の調査において正しい情報取得を行う上で、専門性の高い情報ほど、取得方法による情報精度を考慮すべきであることを示しています。