研究報告
木質臭気によるリラックス評価
#健康・快適
#空気環境
積水ハウス株式会社/2020年9月
木材の香りにはリラックス効果があるとされ、健康促進との関連も報告されています。一方、木質系部材の増加に伴い、室内の総揮発性有機化合物(TVOC)の濃度が上昇することが報告されていますが、木材から発生するテルペン類の健康影響について十分に議論されていません。
本研究では、木の香りによる健康影響を調査するため、実証実験を実施しました。実験棟に木材を添加し、異なるTVOC濃度と臭気強度を持つ部屋での体感評価を行いました。
結果、TVOC濃度と臭気強度が高い部屋では「室内のにおい」が気になるとの評価がありましたが、最もリラックスできると感じたのはTVOC濃度が低い部屋でした。また、弱い木質臭が室内の快適性を高める可能性が示唆されました。
ただし、本研究にはサンプル数の少なさなどの研究限界が存在します。今後は多様な参加者を募り、化学物質曝露の低減と健康増進の因子発見に寄与することを目指します。