研究報告
化学物質に関する実験的研究:アレルギーと建物関連症状の関係
#健康・快適
#空気環境
積水ハウス株式会社/2021年10月
室内環境、特に室内空気質(IAQ)は、粘膜の刺激、頭痛、喘息やアトピー性皮膚炎などのアレルギーを含む建物関連症状(BRSs)に大きな影響を与えます。本研究では、2棟の実験用住宅(LH)を建設し、内装と外観は同様で、室内の揮発性有機化合物(VOCs)の濃度が異なる空間をつくりました。
合計141名の参加者が感覚を通じてIAQを評価したところ、VOCsレベルの違いとBRSsの発生には有意な関係が見られました。特に、アレルギー歴を持つ人々や化学物質に対する感受性が高い人々はBRSsを経験しやすい傾向があることが示唆されました。
このことから、建物の建設時には、アレルギー歴を持つ人や化学物質に敏感な人々がBRSsの高リスクにさらされる可能性があるため、IAQへの配慮が重要であると考えられます。