研究報告
新築住宅における室内空気質と化学物質曝露の調査
#健康・快適
#空気環境
積水ハウス株式会社/2019年10月
近年、室内環境に関連する健康問題への注目が高まっています。本研究では、竣工1週間後の49棟の軽鋼構造の住宅における揮発性有機化合物、カルボニル化合物、半揮発性有機化合物の濃度を測定しました。新しい住宅環境の適切な室内空気質を確保するためには、特定の化学物質への曝露による将来のリスクを評価することが必要です。
測定結果は、日本の厚生労働省が設定したガイドライン値を十分に下回っており、今後も減少し続けると考えられます。しかし、規制されていない化合物が、規制対象の溶剤の代替品と見なされ、総揮発性有機化合物(TVOC)に大きく影響していることが観察されました。このため、室内の化学物質曝露のリスクを減少させるためには、これらの規制外化合物の濃度も抑える必要があります。
居住者の室内化学物質への曝露を低減するためには、化学物質放散の少ない建材を選択することが必要であると私たちは考えています。
研究報告
化学物質低放散建材と竣工後の濃度検証
#健康・快適
#空気環境
現代人はほとんどの時間を屋内で過ごし、室内環境は健康に影響を与えています。本研究では、揮発性有機化合物(VOCs)放散速度が低い建材が使用された新築住宅7棟のリビングルームと寝室から、64種類のVOCsと2種類のアルデヒドを収集し、施工1週間後と1ヶ月後に分析しました。
分析結果は、施工1週間後にキシレン、スチレン、トルエン、ホルムアルデヒド、エチルベンゼンの濃度は厚生労働省指針値の半分未満でした。また、1ヶ月後にはほとんどの化学物質の濃度が有意に減少しました。リビングルームの総VOCsの中央値は291 µg/m³、最大値354 µg/m³であり、いずれも厚生労働省の暫定目標値400 µg/m³を下回りました。
この研究は、低VOCs材料を使用することで室内空気質を効果的に改善できることを示しています。