社会貢献活動 各地で「住まいづくり」に関する“学びの場”を展開
総合住宅研究所での教育貢献活動
当社総合住宅研究所(京都府木津川市)内にある「納得工房」は、人間性豊かな住まいと住環境をつくるため、生活者と共に体験・検証する「生活体験学習基地」として1990年に開設し、来館者の累計は97万人を超えました。その半数以上は、住まいづくりを体験的に学ぶために来館される方々ですが、五感をフルに使って学べる「納得工房」の大きな特長を生かして、さまざまな教育体験の場としても貢献しています。
教育体験を受け入れる総合住宅研究所では、職場体験や総合学習、あるいは専門知識の習得など教育機関の多岐にわたる要望に応えるプログラムを用意しています。小学生から大学生まで幅広い層を対象とし、建築だけではなく生活や福祉関連の学習施設としても利活用されています。
学習プログラムの一つ「住まい体験学習」は、建築・生活科学・デザイン系の大学生を対象とし、学校種別による推奨コースを設定したもので、納得工房スタッフが講師を務めています。近年、特に受講者の関心が高いのが、生涯住宅ゾーンの「GARO※体験」です。拘束器具や車いすなどを使用して、障がいや老化などの身体状態を疑似体験できるため、福祉や医療を学ぶ学生が増加し、研究や調査にも有効に活用いただいています。
体験や実例見学ができる「すまい塾」を開催
当社では、住まいと暮らしに関心のある方々を対象に、「すまい塾」を開設しています。
「すまい塾」は1992年、総合住宅研究所にある「納得工房」でスタートしました。納得工房は住まいに関するあらゆる体験を通じて「理想の住まい」を発見できる施設。自分にふさわしい住まいのイメージを、「知る」「分かる」「納得する」というプロセスを通じて組み立てていくことができます。「すまい塾」には「こだわり講座」と「公開講座」の二つがあり、どなたでも受講していただくことができます。
「こだわり講座」では、スクール形式の講座で同じ参加者が継続的に講座を受講することで、体験学習や実例見学を通じて住まいに関する基礎知識を幅広く身につけるとともに、家族の暮らし方や夢を整理し、「こうしたいが、見えてくる。理想のわが家。」を描いていただくことを目的としています。講師は各分野の専門家が担当しています。
「公開講座」は、地域のつながりの場を強めることを目指し開講している市民講座。住文化向上の一環として住まいと暮らしにかかわりのある多彩なテーマを取り上げ、「その道のプロ」である講師を社内外から招き、講演形式で実施しています。また、過去の講義録はホームページからご覧いただくこともできます。
2020年1月までに、「こだわり講座」には940人、「公開講座」には1万7944人の方が参加しています。
体験教育の機会を提供する「住まいの夢工場」
「住まいの夢工場」では、防災・防犯など、住まいの安全と安心、
ユニバーサルデザイン
年齢、性別、身体的状況、国籍、言語、知識、経験などの違いに関係なく、すべての人が利用しやすい施設・製品・情報の設計(デザイン)。
「住まいの夢工場」での体験が、将来的に災害に強い住まいやまちづくりにつながることを願い、今後も多くの学生たちの体験学習の場として活用していただきたいと考えています。
1、 東北 住まいの夢工場 | 宮城県加美郡色麻町大原8番地 |
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2、 関東 住まいの夢工場 | 茨城県古河市北利根2 |
3、 静岡 住まいの夢工場 | 静岡県掛川市中1100 |
4、 関西 住まいの夢工場 | 京都府木津川市兜台6-6-4 |
5、 山口 住まいの夢工場 | 山口県山口市鋳銭司5000 |
【関連項目】
3省が推進する小学校プログラミング教育を支援
文部科学省・総務省・経済産業省は、コンピュータープログラミングを通じて子どもたちの論理的思考を育み、先進技術で社会課題を解決していける人材の育成を目指して取り組んでいます。2020年度から小学校におけるプログラミング教育が必修化となることを受け、機運醸成を目指して2019年9月が「未来の学び プログラミング教育推進月間」に設定されました。当社は住宅・建設業界唯一の参加協力企業として、関東・静岡・山口の「住まいの夢工場」、「積水ハウス エコ・ファースト パーク」(茨城県古河市)、豊平住宅展示場(北海道札幌市)において、6校計300人を超える小学生の訪問を受け入れました。住まいの先進技術についてのスペシャル授業「みんなの家!未来の家!」を実施し、家がどのようにしてつくられるか、構造や災害への備え、暮らしやすい家の工夫などを体感しながら学ぶ機会としました。子どもたちは「住まいの夢工場」で学んだ知識をヒントに、グループごとで、「環境に優しい家」「少子高齢化社会に備えた家」「笑顔が増える家」といったテーマを決め、パソコンの仮想空間上や、段ボールや紙を使用し、自分たちで考えた「未来の家」を制作しました。
当社にとって、プログラミング教育への協力は、「教育を通した社会貢献」「幸せな家づくりの訴求」にも繋がり、SDGsの達成にも関連する取組みです。今後も参加協力企業として、小学校のプログラミング教育を支援していきます。
GARO:「G:ガリバー」「A:(不思議の国の)アリス」「RO:ロボット」を組み合わせた言葉。「我老(がろう)=我れ老いる」の意味も兼ねています。ロボットのような装具をつけ、ガリバーのように身体の変化を体験し、アリスのように視覚や聴覚などによる環境の変化を感じながら、身体が不自由な状態を体感することができます。