子どもの安全・安心と健やかな成長発達に役立つデザインを顕彰する「第4回キッズデザイン賞」受賞作品決定 積水ハウスは全6部門11項目で受賞

積水ハウス株式会社/2010年7月12日

 積水ハウス株式会社は、7月9日(金)に発表された特定非営利活動法人キッズデザイン協議会(本部:東京都文京区)主催の「第4回キッズデザイン賞」において、全6部門11項目でキッズデザイン賞を受賞しました。当賞の創設以来、当社は4年連続での受賞となります。
 なお、8月3日(火)には全受賞作品185点の中から「経済産業大臣賞」や「少子化対策担当大臣賞」など、最優秀作品や優秀賞等が発表される予定です。


■キッズデザイン賞の趣旨について(キッズデザイン協議会ホームページより引用)


キッズデザイン賞は、「子どもたちの安全・安心に貢献するデザイン」、「創造性と未来を拓くデザイン」、そして、「子どもたちを産み育てやすいデザイン」というキッズデザインの理念を実現し、普及するための顕彰制度です。乳幼児用品や玩具などの子ども向けの製品・サービスに限らず、大人向けのものでありながら子ども目線を持った、良質な商品や施設、プログラム、調査研究活動などを対象としており、受賞作品には「キッズデザインマーク」の使用が認められます。



受賞項目は下記の通りです。


<キッズセーフティ部門>


   ☆  オリジナルユニットバス「バスコア BCH V」
 

<ユニバーサルセーフティ部門>


     SH-UD(積水ハウスユニバーサルデザイン)による住空間
   ☆  ベビーカー及び車いす使用に安全な通路設計の研究
 

<フューチャーアクション部門>


   ☆  「5本の樹」いきもの調査
     プレイフル・デザイン・スタジオ ―こどもから学ぶ・おとなが変わる― (※)
 

<フューチャープロダクツ部門>


   ☆  サステナブル デザイン ラボラトリー
   ☆  MUSIC HOUSE
   ☆  CO2バランスモニタの開発
 

<ソーシャルキッズサポート部門>


   ☆  積水ハウスマッチングプログラム こども基金
   ☆  実測に基づく室内干し時における洗濯物の乾燥時間および室内温湿度環境
 

<ソーシャルキッズプロダクツ部門>


   ☆  共働きファミリーが暮らす家「トモイエ」


「バスコア」「SH-UD」「5本の樹」「サステナブル デザイン ラボラトリー」および「トモイエ」は積水ハウス株式会社の登録商標です。

(※)キッズデザイン協議会参加自治体・企業による「こどもOS研究会」の共同研究活動の取り組みとして受賞。






■各受賞内容について


☆ オリジナルユニットバス「バスコア BCH V」


積水ハウスオリジナルユニットバス「バスコア BCH V」は、洗い場での転倒や浴槽への転落など、浴室における子どもの家庭内事故を防ぐため、入浴時の一連の動作から起こりうる様々な事故を想定し、子どもが安全に入浴できるよう様々な工夫を施しています。




 

☆ SH-UD(積水ハウスユニバーサルデザイン)による住空間


当社は、“いつもいまが快適”な住まいの提供を目指す「生涯住宅思想」に基づき、できるだけ多くの人が使いやすいように建物や空間等をデザインするというユニバーサルデザインの考え方を採り入れた住まいを提供してきました。年齢・体格の違いや時とともに変化する身体機能に合わせ、将来にわたって暮らしやすい住空間の提供を目指し、独自のデザインシステムを構築しています。


<積水ハウスユニバーサルデザインの基本構成>


 
 

☆ ベビーカー及び車いす使用に安全な通路設計の研究(日本大学・日本福祉大学との共同研究)


道路や駅のプラットホームには、平坦に見えても実は緩やかな傾斜がついているところがあり、ベビーカーや車いすの使用者にとって危険な場所が少なからず存在します。スロープの勾配については各種条例等で定められているものの、平坦部に設けられた緩やかな勾配については対応する基準がなく、設計者は緩やかな勾配設計の適否を判断することが難しいのが現状です。そこで、実験や実態調査の結果から、ベビーカーや車いすの使用者にとって安全な斜路の条件を探るため今般の研究を行いました。


<実験概要>


下に示すような実験体を用意し、床面の傾斜角度を徐々に大きくしていき、静止させたベビーカー・車いすが動き出す角度の計測を行った。路面状況およびベビーカー・車いすの実験条件を以下に示す。


<研究により得られた知見>


(1) 車いすの方がベビーカーよりも動き出す傾斜角度は小さい。
(2) ベビーカー、車いすとともに、傾斜に対して車両が平行になっている場合は車輪の向きによらず動きにくい。
(3) 車両が傾斜側に傾けば、車輪の位置がどこにあっても少ない角度で動き出す。
(4) 車両の向きによっては傾斜角度が1~2度で動き出す可能性がある。



☆ 「5本の樹」いきもの調査


「5本の樹」いきもの調査では、生態系に配慮した積水ハウス独自の庭づくり提案「5本の樹」計画に基づき緑化・植栽を行った住宅分譲地において、「5本の樹」計画による生物多様性の保全効果を検証することを目的としています。また、その調査の一部を分譲地の住民の方々に参加したいただくことにより、親子間のコミュニケーション創出や、自然と触れ合うことによる子どもの情操教育や環境教育にも役立っています。


<「5本の樹」いきもの調査が子どもに与える影響>

情操教育

自然との触れ合いは子どもの道徳観や正義感の成長に影響を与えます。


環境教育

自然観察の基本的スキルや生きものの特徴、他の生きものとの関係など、専門家のわかりやすい解説を聞くことにより知識が向上します。


親とのコミュニケーション

親子で一緒に観察したり、虫を捕ったりすることで、親子の会話がはずみ、親子のコミュニケーションの創出につながります。




 

☆ サステナブル デザイン ラボラトリー


当社が平成18年に東京都国立市に建築した「サステナブル デザイン ラボラトリー」は、日本の先人達が培ってきた、四季を愛でながら地球にやさしく快適に暮らすための生活作法を現代に応用し、太陽光発電などの最新の技術と融合させながらこれからの新しい日本の家のあり方を研究する公開参加型の実験施設です。


自然に対峙せずに四季折々の暮らしの中で自然の力をうまく活かしていくといった生活の作法や暮らし方を次代を担う子どもたちに受け継ぎ、そしてまた次の世代へと伝わっていくことで、サステナブルな社会が構築されていくものと当社は考えています。


「サステナブル デザイン ラボラトリー」では、様々な仕掛けやワークショップを通じて子どもたちが楽しみながら自然の心地良さを実感し、暮らしの知恵を体得することができる施設です。





☆ MUSIC HOUSE


当社は、長年にわたり蓄積した遮音研究のノウハウを活かし、遮音性能と音の響きを調整する音場性能を確保するとともに、リビングのような大空間から子ども部屋まで幅広く対応できるインテリアプランニングを組み合わせることにより、近隣に気兼ねすることなく自宅で音楽の演奏や練習ができる住空間を提案しています。


一般的な防音室に見られるような重厚で閉鎖的な環境ではなく、子ども部屋らしいインテリアと十分な採光を確保できる防音室を実現することにより、子どもがいつでも家で音楽の演奏や練習をすることができ、音楽による情操教育に役立ちます。



<お客様の要望に合わせて3つのライフスタイルを提案>

(1)リビングスタイル


家族や仲間が集まるリビングルームで、ピアノやバイオリンの演奏など、日常的に音のある暮らしを気軽に楽しむことができます。

(2)プライベートスタイル


独立した専用室を設けることで、子どもがいつでも楽器の演奏や練習に集中することができます。

(3)スタジオスタイル


自宅で本格的な音楽演奏やホームコンサートを楽しむことができます。



☆ CO2バランスモニタの開発



CO2バランスモニタは、日々の暮らしの中で家庭から排出されるCO2を、子どもたちにも分かりやすく親しみのある画面で表示することで、地球温暖化に対してどうすれば貢献できるかを楽しみながら理解し、家族で話し合うきっかけを作ることができるツールです。
現在、全国で30世帯のお客様にご協力いただきながら、温暖化防止のツールとして検証を進めています。


<CO2バランスモニタの画面構成>

CO2バランスモニタでは、画面を毎日見たり触れたりしてもらうために、天気予報やカレンダーなどの日常役に立つ情報を画面に表示しています。
CO2の削減量を緑の「シャボン玉」マークで、CO2の排出量を青の「煙」マークで表すことで、CO2の削減量と排出量の度合がビジュアルで感覚的に分かるようになっています。
また、環境にやさしい生活を継続すると、画面上の樹が大きく生長し、逆に環境に悪い生活を続けると樹が枯れてしまいます。



その他、省エネ行動の実績としてCO2の排出量と削減量を分かりやすく表示でき、また、エネルギーの使用量や光熱費の履歴なども確認できるようになっています。





☆ 積水ハウスマッチングプログラム こども基金


当社は、従業員と当社の共同寄付制度「積水ハウスマッチングプログラム」を平成18年度から開始し、当社だけでは解決が難しい社会的課題に取り組み、サステナブル社会の構築に寄与する社会的活動を担うNPOなどの団体を幅広く公募、その活動を支援しています。従業員参加型の活動支援と市民・地域社会・NPO等との新しい協働により、「子どもが安全・安心に生活し、育つことができる」「子どもを産み育てやすい」「誰にでもやさしい」社会の実現を目指しています。


このプログラムには、子どもたちの健全な育成に関わる活動を支援する「積水ハウスこども基金」と環境や生態系の保全に配慮した活動を支援する「積水ハウス環境基金」の2つの基金があります。「積水ハウスこども基金」では、これまで延べ40団体に支援し、助成金の累計額は2,652万円に上ります。




 

☆ 実測に基づく室内干し時における洗濯物の乾燥時間および室内温湿度環境


小さな子どもがいる家庭では毎日の洗濯物の量が多くなりがちで、しかも日中仕事をしている共働き家庭では夜に洗濯することが多く、当社独自の調査によると、共働き世帯の約40%が室内干しをしています。しかし、単に室内干しをしただけでは、洗濯物が乾きにくいだけでなく、結露やカビの原因ともなりかねません。


当社は、一連の洗濯作業が行える洗濯専用室という設定のもと、様々な条件で室内干しを行い、乾燥時間と室内湿度環境の関係等を把握し、光熱費等も考慮した最適で快適な室内干しの方法を見いだすことを目的とした実験を行いました。



当社の総合住宅研究所(京都府木津川市)内にある人工気象室の一室において、様々な条件の下で実際に洗濯物を干し、その水分重量及び洗濯専用室内の温湿度の計測を行いました。
●実験条件・・・外気/5℃(湿度/80%)、実験室/15℃(湿度70%)、洗濯物/6?(4人家族の冬物1日分)
●パラメータ・・換気扇(給気は屋外の場合<5℃/80%>とし、屋内の場合<20℃/40~50%>)、扇風機、暖房(電気ヒーター)、除湿機(デシカント式)

 

24時間以内に乾くことを目標に、パラメータを変えた実験の結果、大きく5つのポイントが見つかりました。


(1) 単に室内に干しただけでは季節や天候により1日で乾かないことがある。
(2) 換気扇を付けるのは有効であり、給気は屋外屋内ともにできるだけ乾いた空気を選ぶ。
(3) 扇風機で洗濯物に風を当てるのは非常に効果的。
(4) 暖房もある程度は効果的だが、電気代が高い。
(5) 除湿機の使用は最も効果的だが、ある程度電気代がかかる。


 
 

☆ 共働きファミリーが暮らす家「トモイエ」


「トモイエ」は、仕事と家庭を両立しながら、さらに暮らしも充実させたい共働き家族の住宅ニーズに応えた新たなライフスタイルを提案する住宅として、当社が平成21年10月から提案しています。


「トモイエ」では、共働き家族の生活をサポートする空間設計や住宅設備に関するアイデアを体系化し、「スムーズな洗濯」「さっと隠せる厨房」「家族のために働く家」「夫婦それぞれの空間」「カフェコーナー」という「5つの法則」にまとめました。「5つの法則」に基づいたコンサルティングにより、家事に伴うストレスの軽減を図り、子育てしながら家族で過ごす時間も、仕事も、1人の人間としての生活も充実させたいといった価値観を持った共働きファミリーをサポートします。









<本件に関するお問合せ先>

積水ハウス株式会社
広報部
(大阪) 06-6440-3021
(東京) 03-5575-1740

※掲載内容は発表時点のものであり、現在の内容と異なる場合がありますのでご了承下さい。