積水ハウス株式会社・三菱電機株式会社・株式会社アイ・エル・シー共同で家庭内ネットワークによる家電機器の省エネルギー制御システムを開発、広島県の100棟の戸建住宅で実証実験を開始

積水ハウス株式会社/2001年11月29日

エコ・コミュニケーションコントローラー

 積水ハウス株式会社は、自社の生活ソフト技術と三菱電機株式会社(本社:東京都千代田区、 社長:谷口 一郎氏)の家庭内ネットワーク技術ならびに株式会社アイ・エル・シー(本社:広島市南区、社長:大西 英作氏)の制御ソフト技術を組み合わせ、家庭内ネットワークを利用し家電機器のエネルギー使用量を適切に制御するエコ・コミュニケーションコントロールシステム(以下ECCS:Eco Communication Control System)を開発しました。

 このECCSを、広島市安芸区の自社分譲地「スカイレールタウン みどり坂」における戸建住宅100棟に導入し、住民の皆様にご協力を頂き、実際の生活における家電機器の省エネルギー制御効果を検証する実験を2002年2月から約2年間の予定で開始します。

 なお、当実証実験は新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が行っている家庭内エネルギー需要最適マネージメント推進プロジェクト(HEMS)*の助成を受けております。

    * HEMS: Home Energy Management System


  ECCSは、有線や無線の家庭内ネットワークに柔軟に対応できるように設計されていますが、今回は電灯線に電力と制御信号を同時に送ることで、コンセントに接続されている機器であれば専用配線が無くてもネットワーク化が行える方式を採用しました。このため、既存住宅への設置も簡単に行えます。

 ECCSは、様々な住宅設備や家電機器をネットワーク化し、エネルギー消費が少なく安全・便利・快適な生活を提供する機能を持っています。

 今回の実証実験では、エアコンと1、2階ホールの照明を人感センサと連動して制御し、不在時の運転や点灯を防止することでエネルギー消費を抑制します。

 照明の人感センサ連動点灯などはこれまでにもありましたが、今回のシステムでは、1つの人感センサを機器制御だけでなく、留守の時には侵入者の検知といったセキュリティ、在宅時には元気に生活していることをお知らせする生活モニターなど複数の用途に使用できることが特徴です。 

   これにより、これまでは同一機能のセンサを照明用、防犯用、生活状態情報用などそれぞれ別々に複数のシステムに設置しなければならなかったものを、1つのセンサで対応可能とし、コストダウンや新たな用途の開発などを見込んでおります。

 本システム導入による電力削減目標は、世帯全体の約11%としています。



 「スカイレールタウン みどり坂」は広島県の大規模団地では初めて光ファイバーによる高速常時接続を導入する予定で、今回のシステムは光通信によって外部のサーバーに接続されており、留守時の侵入者や家族の帰宅などのお知らせを指定個所に自動通報することが可能となっています。

 また、外部のサーバーではデータを収集分析し、「自分の家のエネルギー使用量が実験参加世帯全体の中ではどのぐらいの位置であるか」「どうしたら省エネルギーができるか」などの省エネアドバイスを行います。

 さらに、情報端末として活用でき、公共情報や町内会情報交換などの情報提供サービスや住宅メンテナンス情報サービスなども行う予定です。

 積水ハウス株式会社では実証実験の成果を踏まえて商品開発を行い、2004年を目処に販売する住宅に順次装着して行く予定です。

 価格は、本実証実験のシステムではエアコンも含め約120万円ですが、エアコン等を含まない量産の最小構成では10万円以下に抑える予定です。

 

 

ECCSの概念図


参考) 「スカイレールタウン みどり坂」:

 

 

1998年オープン、計画戸数2563戸(うち戸建住宅1883戸)、

現在入居数約250戸(うち積水ハウス160戸)


本件に関するお問い合わせ先
積水ハウス株式会社
広報部
TEL06-6440-3021
東京総務部
TEL03-5352-3111