高付加価値商品をリアルタイムに市場投入するための ハートフル生活研究所

積水ハウス株式会社/2003年3月20日

 当社は、創立以来、安全・安心・快適な住まいの提供を基本として、建物の基本寸法を3尺(91cm)モジュールではなく一回りゆとりのあるメーターモジュールとし、更にユニバーサルデザインを積極導入し、遮熱断熱ペアガラス・断熱サッシの標準採用や住宅性能表示への最高ランクでの積極対応などに代表される、ハード面の性能を高いレベルで標準化することを基本姿勢としてきました。

 また、ハード面だけでなくソフト面での取組みも重視し、お客さまのCS向上を図るためには、期待を超えた創造的設計、高度なコンサルティングが必須と考え、当社では『コンサルティングハウジング』をスローガンに掲げ、生活ソフトの商品化や設計提案そのものを商品化してきました。
 この生活ソフトの商品化の基礎となる研究データは、当社の国内最大級の住宅研究施設である『総合住宅研究所(1990年開設)』に蓄積されています。当研究所では住宅に関するイノベーション技術の研究・開発及び生活ノウハウの蓄積に取組み、その業績は国内外から高い評価を得て、1999年には国連の外郭団体ICCC機関から表彰 ※1 を受けています。

 一方、私たちを取り巻く社会の変化のスピードは加速度を増し、生活者のニーズも複雑化、拡散化し続け、生活者の視点に立った生活ソフト面での対応の重要性が増しています。

 この度、『総合住宅研究所』に蓄積されたノウハウを集大成し、より一層、生活ソフトの商品化を推進するため、研究・開発グループを統合し、『ハートフル生活研究所』を立ち上げます。
 マーケット調査から研究・開発、市場への落とし込みまでを一括して行うことで、お客さまのニーズや社会ニーズにリアルタイムに対応し、オリジナリティ溢れる生活ソフトの市場投入を可能とします。

 
 『ハートフル生活研究所』の特徴

研究施設にこもる従来の研究所ではなく、研究者・開発者が第一線から分離せず、生活者との双方向の情報交換を行い、実際の住まいづくりにかかわっていく組織です。

  • 従来の社内研究開発機関と別個に存在するのではなく、情報やノウハウ、研究インフラはもちろん、人材までも、目的に従ってゆるやかに融合させ、社内外の資源を活用する形の新しい組織です。取り上げるテーマに応じて、常に変化し成長します。
※1: 生涯住宅のコンセプトとその実践、さらに納得工房創設までの一連の取り組みが評価され、国連の外郭団体であるICCC(International Council for Caring Communities)より“すべての世代の生活向上につながる突出した研究と想像力に満ちた教育を行ない、世界的に応用できる模範例を提供した”として「ケアリング企業賞」を受賞。
■ ハートフル生活研究所の活動目標
1.生活情報発信基地
 社会やお客さまへ、いつも今が快適なこれからの住生活の方向性を示すための情報収集及び情報発信基地となるシンクタンク機能を備えます。
2.研究とビジネスが連動したNEWビジネスモデル発信部署
 従来型の研究所から開発部署、そして市場へと分業する考え方では、日々変化し多様化・個性化するお客様のニーズにリアルタイムに対応することが難しくなっています。
 当研究所は、技術研究部署(イノベーション技術を持つ人材)、設計部署(設計ノウハウを持つ人材)、営業部署(ユーザーへのコンサルティングや生きたマーケットニーズのノウハウを持つ人材)など関係部署から必要な人材を組織横断型(クロス・ファンクション)に集め、各種プロジェクトを構成し、新築・既築のお客さまニーズに対応した、更には新たなお客さまニーズを創造する、NEWビジネスモデルを発信する部署とします。
 これにより、研究・開発・市場投入のスピードを早めると共に、人材の有効活用・教育が同時に行えます。

■ 取組み予定のプロジェクト(例)
福祉・介護住宅PJ 『生涯住宅思想』の歴史・実績とユニバーサルデザインの取組み等、既に蓄積された研究成果とノウハウをもとに「高齢」「介護」社会に対応した新しいビジネスモデルを構築するべくプロジェクトを立ち上げます。
 
社会情勢   当社のアクション
①要介護高齢者の増加
 2000年:280万人
 2010年:390万人

新築
戸建住宅
ユニバーサルデザイン・マスタープランナーによる介護住宅への取組み 
既築
戸建住宅
介護リフォーム事業等への取組み
②独居高齢者の増加
 高齢一人暮し 18.2%
 高齢夫婦のみ 27.7%

賃貸住宅 高齢者入居のための賃貸住宅事業
高齢者の居住の安定確保に関する法律へのより一層の取組み
③痴呆性高齢者の増加
 2000年:160万人
 2010年:230万人

特殊物件 グループホーム等への取組み
コンサルティング機能の強化・充実
 
ライフプラスデザインPJ 様々なライフステージ・ライフスタイルにしなやかに応える、魅力の部屋づくりプロジェクト。ホームシアター、ペットとの共生、インテリア空間の魅力付けの研究開発と情報発信を行います。
 
子育て住宅PJ 妊婦の不便・不自由研究、幼児の動作特性や身体計測を行う赤ちゃん工学、共働き家族研究、子どもが健やかに育つ間取り研究など各種研究成果を、設備・部材開発や設計ノウハウにまとめます。
 
防犯住宅PJ 2002年10月に防犯住宅への取組みを社会へ発表しました。犯罪手口の高度化・粗暴化・悪質化の傾向にあります。そこで住宅における『先進の防犯』を検討し、新築及びオーナーさまへ情報発信を行います。
 
防災住宅PJ 東南海・南海地震等の大震災が心配される昨今、免震住宅と消火装置などの防災設備の検討、及び被災時の当社の復旧アクションプログラムの策定まで含めた総合的な防災住宅を検討します。
 
住宅エネルギーPJ 住宅エネルギー消費に対する選択肢が広がりを見せています。太陽光発電や燃料電池コージェネなどエネルギー生産の場として住宅が注目されています。地域特性や入居者のライフスタイル・価値観に応じた住宅エネルギーシステムを構築し、情報発信を行います。



本件に関するお問い合わせ先
積水ハウス株式会社
広報部
TEL06-6440-3021
東京総務部
TEL03-5352-3113