業界最高レベルの「空気環境」を全戸で標準化

積水ハウス株式会社/2003年6月23日

  平成14年7月に「居室内における化学物質の発散に対する衛生上の措置」として建築基準法が改正されました。この改正法は、シックハウス対策としてより良い室内空気環境をつくることを目的に、建築材料に含まれる化学物質や換気設備に係わる技術的基準を定めています。また、この建築基準法改正に伴い、住宅の品質確保の促進等に関する法律(以下、品確法)の空気環境におけるホルムアルデヒド対策についての基準も強化され、改正法、品確法の新基準ともに平成15年7月1日以降の着工物件より適用されることになりました。
 
  当社では、従来からシックハウス対策として室内空気環境の向上にいち早く取り組み、ホルムアルデヒドの発散量をできる限り抑えた建材や、室内の空気をクリーンに保つ計画換気システムなどを積極的に提案してきました。今回の法改正に合わせ、当社では既に対応できる部材については前倒しで品確法の最高等級に対応しています。そして平成15年7月1日までには、工場から出荷される全ての対象部材について改正法を適用し、業界トップレベルの健康に配慮した住宅を提供します。
 
  なお、当社ではこれらの業界最高レベルの仕様への変更については、住宅価格据え置きで対応します。

~当社のシックハウス対策のポイント~

「内装仕上げ」材(規制対象外の部材も含めて)は最高等級の「F☆☆☆☆」に統一
「天井裏等」に用いる建材についても「F☆☆☆☆」に統一
従来から標準採用している24時間換気システムを法改正に合わせ換気能力アップ
■建築基準法改正および品確法新基準の概要と当社の対応
1. 内装仕上げに使用するホルムアルデヒドを発散する建材の面積制限
換気回数及びホルムアルデヒド発散量の区分に応じて、建材の使用できる面積が制限されます。また今回の法改正に合わせ、既存のホルムアルデヒド発散等級の基準が改定され、Fc0、E0よりも更にホルムアルデヒド発散量の少ない規格として「F☆☆☆☆」が設定されました。この基準を満たす建材を使用すれば、面積制限はかかりません。
【当社の対応】
室内に用いる内装仕上げ材のうち規制対象となる範囲(床板、壁紙、天井材、建具扉、仕上塗装など)については、面積制限がかからないホルムアルデヒド発散量の最も少ない仕様「F☆☆☆☆」に統一します。
更に当社では、規制対象外の部材(幅木、回り縁、手摺、建具出入り枠など)についても、順次「F☆☆☆☆」に統一していきます(平成16年1月末までには「F☆☆☆」から全て切替予定)。
2.天井裏等の制限
天井裏等(天井裏、小屋裏、収納内部等)から居室へのホルムアルデヒド流入を抑制するため、天井裏等へは「F☆☆☆(Fc0、E0相当)」以上の建材を使用するか、機械換気設備で天井裏等も換気できる構造とすることが必要です。但し、品確法の最高等級を取得するには「F☆☆☆☆」としなければなりません。 
【当社の対応】
当社では品確法の最高等級を取得するため、天井裏等に用いる建材(床下地の合板、収納・押入等の内部セット、壁・天井断熱材など)についても、ホルムアルデヒド発散量の最も少ない建材「F☆☆☆☆」に統一します。
~品確法の新等級と部位別ホルムアルデヒド発散建築材料の相関表~

品確法の

新等級

内装仕上げ材

天井裏等に

用いる部材

建基法改正により規制対象となる部材 規制対象に入っていない部材
床板、天井材、建具扉、仕上塗装など 幅木、廻り縁、建具出入り枠、手摺など 収納・押入等の内部、合板床パネル、壁・天井断熱材など

当社仕様

F☆☆☆☆

F☆☆☆☆    (平成16年1月末までに「F☆☆☆」から移行)

F☆☆☆☆

等級3「F☆☆☆☆」

F☆☆☆☆

F☆☆以上

F☆☆☆☆

等級2「F☆☆☆」
(従来のE0、Fc0相当)

F☆☆☆

F☆☆以上

F☆☆☆

等級1「F☆☆」
(従来のE1、Fc1相当)

F☆☆

F☆☆以上

F☆☆
(「F☆☆」を使用する場合、換気設備を設置する必要あり)

3.換気設備の義務付け
ホルムアルデヒドを発散する建材を使用しない場合でも、持ち込み家具等からの発散があるため、全ての住宅に機械換気設備の設置が義務付けられます。通常の住宅の場合、換気回数0.5回/時以上の24時間常時換気システムの設置が必要となります。
【当社の対応】
当社では、従来から戸建て住宅※については標準で建物全体をカバーする省エネ型で高効率の24時間オリジナル換気システムの設置を提案しており、賃貸住宅についても建築基準法の改正を見越し、平成14年4月より24時間換気システムを標準で採用しております。
  (※3階建てはオプション仕様)
今回の法改正に合わせ、当社では新しい換気システムを投入し、全住宅において新基準をクリアします。
~新換気システムのポイント~
換気能力アップ(従来換気回数0.3回/時 → 0.5回/時以上)
住宅規模に応じた最適な換気風量が選択できる切替機能
空気の汚れがちなリビングやダイニングの空気を排気するLD換気扇の新設 等
 
4.クロルピリホス(有機リン系防蟻剤)の使用禁止
【当社の対応】
当社では既に平成9年からクロルピリホスは使用しておりません。
現在は非有機リン系の薬剤を使用しています。
 
(参考)
~品確法の等級表示方法の変更内容~

従来

改正後 建築基準法でのホルムアルデヒド発散等級との比較
等級 JIS JAS 等級 JIS/JAS規格
  等級3 F☆☆☆☆ 規制対象外
等級4 E0 Fc0 等級2 F☆☆☆   第3種ホルムアルデヒド発散等級
等級3 E1 Fc1   等級1 F☆☆   第2種ホルムアルデヒド発散等級
等級2 E2 Fc2  
等級1 等級外 等級外



本件に関するお問い合わせ先
積水ハウス株式会社
広報部
TEL06-6440-3021
東京総務部
TEL03-5352-3113