2004年1月期 環境報告書 「ECO WORKS 2004」を発表しました

積水ハウス株式会社/2004年5月11日

 積水ハウスは、5月11日に2004年(平成16年)1月期 環境報告書「ECO WORKS 2004」を発表いたしました。
 積水ハウス株式会社は、1999年(平成11年)に発表した環境憲章・環境基本方針を定めた「環境未来計画」に沿って様々な環境保全活動を展開してまいりました。
 本報告書は2004年1月期(2003年2月1日~2004年1月31日まで)における全社的な環境に関する取り組み内容及び成果をとりまとめたものです。
 
 以下にその主なポイントをご紹介します。
 
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ゼロエミッションの推進

「自社リサイクル」推進と「新築施工現場ゼロエミッション」スタート 

当社は、2002年5月、自社工場から発生する廃棄物の埋立・単純焼却をゼロとする生産部門のゼロエミッションを達成致しました。そこで、2003年度は新築施工現場でのゼロエミッションに向けたチャレンジを開始しました。
2005年度末までに全国新築現場のゼロエミッション達成をめざして取り組みを進めています。
当社では特にリサイクルの質にこだわり、単に副産物(廃棄物)をリサイクル業者に引き渡すだけでなく、2003年度は各工場の「資源循環センター」で、自社の廃棄物を自社の製品として戻す「自社リサイクル」も進めています。
例えば瓦を留める下地となる「瓦桟」などを加工過程で出た木粉と再生樹脂で生産しています。
これらにより、自社リサイクル率と再資源化率を向上させるなど、業界トップ企業としての役割と責任を踏まえた「新築施工現場ゼロエミッション」の推進を図っています。
また、2003年には、現場から出る副産物(廃棄物)の分別の徹底や石膏ボードプレカットなど様々な取り組みを推進しました。
その結果、全国14ヶ所の推進モデル事業所では、1棟あたりの副産物排出量を2/3に減らす事が出来ました。
 
商品における環境配慮
 
「次世代省エネルギー仕様」の戸建住宅標準化
 
新築から解体までの住宅の一生をCO2排出量で評価(=ライフ・サイクル・アセスメント)すると、居住時の負荷が最大の約7割を占めます。住宅メーカーにとってはこの居住時の消費エネルギーの削減が非常に重要なテーマとなっています。
とりわけ居住時の約3割を占める冷暖房に伴うCO2排出量を削減することを目指し、当社では大手住宅メーカーで初めて、すべての新築戸建住宅で品確法(住宅の品質確保の促進等に関する法律)の定める断熱性能の最高等級をクリアする「次世代省エネ仕様」に統一しました(2003年8月より)。
これにより、従来の「新省エネ基準」の住宅に比べて、冷暖房に伴う年間のCO2排出量を35%削減することが可能になりました。
 

「業界最高レベルの空気環境」を実現

 

当社ではシックハウス対策として、業界に先駆けて計画換気システムを戸建住宅に標準化するなど、建材と換気システムの両面から取り組んできました。

2003年の改正建築基準法施行後は、最もホルムアルデヒドの発散量の少ない「F☆☆☆☆」ランクの建材に切替え、業界トップレベルの空気環境を全ての戸建住宅の標準仕様としています(2003年7月より)。

ただ、換気は空気中の汚染物質の濃度を低減する半面、過大な換気は冷暖房効率を低下させ、常時の機械換気は電気の消費量も無視できるものではありません。
2003年7月から建築基準法が改正され、全ての新・改築建築物に24時間換気装置の設置が義務付けられましたが、国内の全ての建物に換気装置が設置され、それが常時運転されると仮定した10年後の試算では、約40万キロワットもの電力を必要とすることになります。
その意味でも、省エネ型換気装置の開発が求められていました。そこで、当社では、自然の換気力を有効に利用し機械換気と組み合わせたオリジナル住宅換気システム「ハイブリッド換気システムⅢ(VSY-20S)」を導入しました。
このシステムは、一般的な換気システムと比較し89%もの省エネルギーを実現し、平成15年度省エネ大賞「省エネルギーセンター会長賞」を受賞しています(主催:(財)省エネルギーセンター)。
 
 
 
「安全」から「安心」へ。住まいの「長寿命化」という環境配慮
 
地震の揺れを約1/10に低減する「免震住宅」を展開
 
住宅は他の産業に比べ、新築や解体時に消費する資源や発生する廃棄物量はどうしても大きくなります。
短期間で安易な建て替えを行うことなく、永く快適に住み続ける住宅を「長寿命化」することが大きな環境テーマとなっています。
そして、永く快適にお住まい頂くためには、「安全」であることはもとより、徹底して「安心」であることがより重要となります。
東海・東南海など大地震への関心が高まっている中、当社では揺れに対し倒壊せず耐えるという高いレベルの住宅の耐震性に加え、「揺れそのものの恐怖感から解放し」家具などの転倒を防ぎ、二次災害をも防止できる免震技術を開発しました。
免震技術は、従来中高層建築中心に採用されていましたが、当社でも2003年9月に実物大住宅による震動実験を行い、非免震住宅に比べ地震の揺れを約1/10に低減できることを実証しました。
その成果を踏まえ、2003年12月より免震住宅の販売を全国で本格的に展開しています。
 
 
 
街づくりにおける環境配慮と社会参加
 
地域のコミュニティを育む街づくり「リフレ岬・望海坂」
 
当社では、早くからその家に住む人の安全性や快適性だけでなく、その地域に住まう人と人、人と自然のふれあいも大切にした街づくりに取り組んできました。
愛着をもって住み続けられ、年月と共に資産価値の高まる良質な社会ストックとなる街づくりをめざします。
例えば、大阪府南部にある当社の大型分譲地「リフレ岬・望海坂(のぞみざか)」は、24時間警備員が常駐し、情報端末やwebカメラが設置されている先進のセキュリティータウンとして話題になっています。
当社ではさらに、本当に安全で安心な街にするためには住民一人ひとりの防犯意識を高めること、住民同士の自発的で良好なコミュニティの形成と街への愛着意識、帰属意識を高めることなどが大切と考え、各種イベントを通じて住民同士の連帯を深めるサポートにも力を入れています。

 
 
 
本年は、以上の取り組みについて、初めて外部の第三者の客観的な評価を得ることとし、国際NGO「ナチュラル・ステップ・インターナショナル」(本部:スウェーデン)による第三者意見を付しています。 
 
本件に関するお問い合わせ先 
積水ハウス株式会社
広報部
TEL06-6440-3021
東京総務部
TEL03-5352-3113