「グランドメゾン伊丹池尻リテラシティ」と「乳幼児を対象とした身体及び動作計測装置の開発と建築安全計画への考察」が第2回キッズデザイン賞において部門賞を受賞

積水ハウス株式会社/2008年8月5日


今般、特定非営利活動法人キッズデザイン協議会(本部:東京都文京区)が主催する第2回キッズデザイン賞において、子どもの安全や成長に配慮した積水ハウスの取り組みのうち6項目がキッズデザイン賞を受賞しました。さらにその内、当社の分譲マンション「グランドメゾン伊丹池尻 リテラシティ」(建築・空間デザイン部門)と、日本大学、日本福祉大学との共同研究による「乳幼児を対象とした身体及び動作計測装置の開発と建築安全計画への考察」(リサーチ部門)が、それぞれの部門で最も優れたものとして部門賞を受賞しました。 (8月4日にキッズデザイン協議会が発表済み)


なお、キッズデザイン賞については、昨年の「積水ハウスの“キッズでざいん”」の受賞に引き続き2年連続の受賞となります。


今回受賞しました6項目は下記の通りです。各項目の詳細内容については下記を参照ください。


<キッズデザイン賞 部門賞(建築・空間デザイン部門)>
・グランドメゾン伊丹池尻 リテラシティ


<キッズデザイン賞 部門賞(リサーチ部門)>
・乳幼児を対象とした身体及び動作計測装置の開発と建築安全計画への考察


<キッズデザイン賞>
・空気環境配慮(ケミケア)仕様(商品デザイン部門)
・Dr.フォレストからの手紙(コミュニケーションデザイン部門)
・「新・里山」空間を使った地元の子どもたちへの環境教育活動(コミュニケーションデザイン部門)
・照葉 キッズ グローウィング プロジェクト(コミュニケーションデザイン部門)

(※)「ケミケア」は積水ハウスの登録商標です。


積水ハウスは、戸建住宅や分譲マンション、まちづくりなど本業である住環境の創造や提供を通じて、子どもたちが一日の大半の時間を過ごす住まいでの安全・安心を提供し、健やかな成長を支援してまいりました。今後も当社では、将来を担う子どもたちの成長にとって最適な住環境を実現する住まいづくりを行ってまいります。


■キッズデザイン賞の主旨について( キッズデザイン協議会ホームページ より引用)

キッズデザイン賞は、子どもの安全・安心の向上、健やかな成長発達に役立つデザイン(製品、コンテンツ、活動など)を顕彰し、表彰作品に“キッズデザインマーク”を付与するものです。産官学民が“デザイン”の力を通じて生み出した子どもたちのための成果について、社会的、文化的な価値の見地から公正な評価を与え、その優れたものの顕彰を通じて、産業・研究活動と子ども環境の高度化を図ることを目的としています。




■キッズデザイン賞 部門賞の受賞内容について

 

◆グランドメゾン伊丹池尻 リテラシティ(建築・空間デザイン部門)


「グランドメゾン伊丹池尻 リテラシティ」は、暮らしと住まいを豊かにし、コミュニティの形成に役立つ多彩な仕掛けにあふれた総戸数368戸の分譲マンションです。昆陽池(こやいけ)や武庫川緑地といった水と緑豊かな自然が身近にあふれた立地環境を活かしながら、当社が戸建住宅で蓄積してきた「生活リテラシー」 (※) のノウハウを集合住宅にも適用することで、“集まって住む子育ての魅力”を引き出し、子育て・子育ちを支援していくことをテーマにデザインしています。


(※)生活リテラシー・・・「生きるために必要な知識・技能・教養」を指すリテラシーという言葉に、「生活」を冠することで暮らしと住まいをより豊かにする力(知識・教養・ノウハウ)という意味をこめた言葉。積水ハウスの登録商標です。


「守る」「学ぶ」「遊ぶ」「くつろぐ」「結ぶ」の5つをコンセプトに、住民の目で子どもたちの安全を確かめられるよう住戸のバルコニーから見渡せる位置に遊び場を配置した“遊び場セキュリティ”や、自然と触れ合い、命の大切さについて考えるきっかけにもなるコモンガーデン(屋上庭園)などを提案しています。また、親も子ものびのびと過ごせるオリジナル遊具のあるキッズルームや、来客時や待ち合わせ時に淹れたてのコーヒーや焼きたてパンを注文できるカフェラウンジなど、家族で楽しめる様々な空間を用意しています。


 

<「グランドメゾン伊丹池尻 リテラシティ」の物件概要>

所在地:兵庫県伊丹市池尻4丁目1-5、1-8(地番)/交通:阪急「伊丹」駅より伊丹市営バス15分「池尻」バス停より徒歩3分、またはJR「伊丹」駅より伊丹市営バス20分「池尻」バス停より徒歩3分/売主:積水ハウス株式会社、株式会社長谷工コーポレーション/敷地面積:15,382.12㎡/建築面積:6,969.23㎡/構造・規模:鉄筋コンクリート造地上15階建て/総戸数:368戸/完成予定:平成21年2月末



<受賞理由>
住民自身による街づくりの手法を具体化させ、進化するコミュニティを目指した開発の提案であり、デベロッパーが継続的にコミットしていくプログラムの重要性を提起している。継続的な成果の検証を望みたい。
 


◆乳幼児を対象とした身体及び動作計測装置の開発と建築安全計画への考察(リサーチ部門)

(日本大学、日本福祉大学と連名で応募)


幼児の安全性を考えた住環境やモノづくりに取り組む際に、5歳児以下の定量データが不足していることに着目し、日本大学、日本福祉大学と共同でデータの収集を行いました。データの収集に際しては以下の2点に注意を払いました。


(1)計測データについて

事故に至る幼児の行動プロセスを考慮し、計測すべきデータの絞り込みを行いました。また、社団法人人間生活工学研究センター(本部:大阪市西区)の6歳児以上のデータとの連動を図ることも考慮しました。


(2)計測方法について

社団法人人間生活工学研究センターのデータとの整合性を図りつつ、幼児の特性を加味して計測方法及び計測装置の開発を行いました。これにより幼児が遭遇する家庭内事故の防止に活かすことができる一定の数値提案を行うことができました。

 



<受賞理由>
キッズデザイン製品開発における計測ノウハウの確立など、基礎的かつ重要なデータ収集に寄与する取り組みであり、こうしたデータを活用することでさらなる製品開発の促進が期待できる。

 



■その他のキッズデザイン賞の受賞内容について

 

◆空気環境配慮(ケミケア)仕様(商品デザイン部門)


近年、シックハウス症候群やアレルギー疾患に悩む方が増加傾向にあることから、化学物質に配慮した住宅への関心が高まってきています。積水ハウスの「空気環境配慮(ケミケア)仕様」は、大人に比べ空気中の化学物質の影響を受けやすい子どもを基準に、当社独自の評価基準により選定した「ケミケア・アイテム」と外気清浄機能が高い換気設備「アメニティー換気システムII」を組み合わせることで、室内化学物質の低減に配慮した空間を提供します。

 


「空気環境配慮(ケミケア)仕様」では、化学物質の発散をできるだけ少なくし、発散したものは吸着又は排出するという考え方を基本としています。内装仕上の床板や建具などについては化学物質の発散量が少ない建材を使用し、壁・天井材や収納内部についてはホルムアルデヒド吸着機能を持つ建材を採用しています。


また、換気システムは給気と排気を強制的に行う当社オリジナルの「アメニティー換気システムII」を採用し、サイクロンユニットや高性能フィルターにより花粉や虫の侵入を防ぎ、室内に確実にきれいな空気を供給します。

 



<審査員のコメント>
体重1kg当たりで換算すると、子どもの呼吸による空気中の化学物質摂取量は大人の2倍にあたるというデータがある。空間内の化学物質量の濃度に関する詳細なエビデンスがあり、子ども視点を基礎に置いた空気環境をつくるトータルなシステムとして評価できる。

 


◆Dr.フォレストからの手紙(コミュニケーションデザイン部門)


「Dr.フォレストからの手紙」は、子どもたちが校庭などの身近にある自然をテーマに自然生態系の大切さについて学び、動物や植物が生きるための工夫や課題の発見を通じて、自然や命の大切さに対する興味・関心を高め、自分たちにできることは何かを一緒に考える体験思考型環境教育プログラムです。積水ハウスが住宅の庭づくりにおいて提案している「5本の樹」計画の考え方をもとにしています。

 


学校教育の現場でそのまま使える教材が、ウェブ上で無料でダウンロードすることができ、内容を自由にアレンジすることもできます。積水ハウスでは、このプログラムを平成18年3月から提供しています。


謎の人物「Dr.フォレスト」から手紙が届き、そこで出された課題をクリアする中で、生態系や生物多様性、外来種の問題等を考え、そこで得た新しい知識や視点、考え方をその後の子どもたちの活動につなげていくことを目的としています。


プログラムダウンロードのページ:

http://www.career-program.ne.jp/program/sekisuihouse/index.html



<審査員のコメント>
造園緑化事業で培った生態系保全に関する知識をなぞの人物からの手紙のミッションをクリアするというゲーム形式で学ぶという、環境や生物多様性といった問題に子どもが興味関心を持たせる努力をしている点を評価したい。今後、手紙の文面一つでも子どもたちがもっとわくわくするような仕掛けが考えうるのではないか。



◆「新・里山」空間を使った地元の子どもたちへの環境教育活動(コミュニケーションデザイン部門)


平成18年の夏、大阪の都心にある「新梅田シティ」(大阪市北区)の北側部分の公開空地に、積水ハウスをはじめとする地権者と共同で日本の原風景である里山を手本とした「新・里山」(約8,000㎡)をつくりました。


「新・里山」では、積水ハウスが住宅の庭づくりで提案する「5本の樹」計画のコンセプトをもとに、田んぼや野菜畑はもちろん、雑木林、竹林、小川などを配し、米や野菜づくり、雑木林の下草刈りなどを、「新梅田シティ」のオフィスワーカーやその家族で構成するボランティアグループ「新梅田シティ里山くらぶ」(事務局:積水ハウスCSR室)が中心となって行っています(ボランティア活動参加者はこれまで延べ500名以上)。


平成19年からは、この「新・里山」において地元の幼稚園児、小学生を対象に、授業の一環として自然・農業体験を実施し、田植えや農作物の収穫、動植物の観察などの教育支援活動を行っています(これまで約160名の生徒・児童が参加)。

 

「新・里山」で行われた小学生による田植え(写真上)と、幼稚園児によるサツマイモの苗の植え付け(写真下)の様子


「新・里山」では、未来を担う子どもたち、特に自然と触れ合う機会の少ない都心の子どもたちに、もっと身近に自然と向き合う場を提供し、自然生態系の保護や自然との共生の大切さ等を学ぶ機会を創出することを目的とした環境教育活動の場として活用しています。


この「新・里山」では現在、30種類以上の野鳥の飛来が確認されています。



<審査員のコメント>
子どもたちは学習日以外でも里山を訪れ、観察や虫取りにいそしむという変化も見られた。都市の里山体験は純粋に楽しめる空間であり、農業を通じて里山のサステナビリティを伝えようとしている点は重要である。本来の里山とのリンクがあればなお良い。



◆照葉 キッズ グローウィング プロジェクト(コミュニケーションデザイン部門)

(福岡市、福岡市住宅供給公社と連名で応募)


「照葉 キッズ グローウィング プロジェクト」は、平成17年9月に誕生したアイランドシティ「照葉(てりは)のまち」において、福岡市と福岡市住宅供給公社が21世紀モデル都市を目指して制定した「子ども、健康、自然」と、それを繋ぐ「みんなで関わる」の4つのコンセプトをもとに、子どもたちを育てるための様々なコミュニティ活動を推進するプロジェクトです。


「照葉のまち」では、海に囲まれた立地と豊富な植栽を配した「照葉の森」など、恵まれた自然環境を最大限に活かしながら、子どもたちが自然と触れ合い、学びながら健やかに育つまちづくりを行っています。また、活力あるコミュニティの形成や緑豊かで統一感のあるまちなみの保全、住民相互間の親睦等を目的として発足した「照葉まちづくり協会」をもとに、住民が一体となって美化活動や防犯活動、育児サークルや住民交流会、子どもを対象とした季節ごとのイベントなどを活発に行っています。

 


「照葉のまち」は、博多湾に浮かぶアイランドシティにおいて、約1,500戸・4,500人が暮らすことを想定した戸建住宅と集合住宅が複合したまちで、現在は既に約600戸・2,000人が暮らしています。



<審査員のコメント>
まちづくりの基本ルールを策定、自然環境や自由空間、タウンセキュリティなどを採用し、まちづくり協会がコミュニティ活動、美化活動、防犯活動をサポートするといった住民自らの取り組みを中心にしたコミュニケーションデザインは評価できる。子ども目線での先進例をめざして欲しい。



 

<本件お問合せ先>

積水ハウス株式会社
広報部
(大阪) 06-6440-3021
(東京) 03-5575-1740

※掲載内容は発表時点のものであり、現在の内容と異なる場合がありますのでご了承下さい。