千葉大学との共同研究「ケミレスタウン®・プロジェクト」 積水ハウスが提案する「ケミレスハウス®」の健康改善効果を研究開始

積水ハウス株式会社/2007年3月22日


積水ハウス「ケミレスハウス ® 」実証実験棟


 積水ハウス株式会社は、未来世代の健康を守るための「ケミレスタウン ® ・プロジェクト」に参画し、千葉大学と共同研究を行ないます。当社はこのプロジェクト推進にあたり、千葉大学・柏の葉キャンパス内において、化学物質発散量を抑えた仕様による「ケミレスハウス ® 」実証実験棟を建築し、本年4月より研究を開始します。実証実験棟においては、室内のVOC(揮発性有機化合物)濃度などの測定を行い、またシックハウス症候群と考えられる子どもを中心に短期間滞在していただき、その症状の改善効果を研究します。


 住宅内において家族の健康を守るためには、人体に有害となる空気汚染物質を発生させないことが重要です。当社では、従来からシックハウス対策として室内空気環境の向上にいち早く取り組み、ホルムアルデヒドなどの化学物質の発散量を出来る限り抑えた建材の使用や、室内の空気をクリーンに保つ計画換気システムなどを積極的に提案してきました。平成15年7月からは、建築する全ての住宅について、「住宅の品質確保の促進等に関する法律」(品確法)に基づく「住宅性能表示制度」の「空気環境」項目最高等級に対応する建材の使用を標準化し、業界トップレベルの健康に配慮した住宅を提供してきました。また平成16年1月には、オリジナル計画換気システム「ハイブリット換気システムIII」の換気効果が高く評価され、平成15年度省エネ大賞「省エネルギーセンター会長賞」を受賞しました。


 当社ではこのような実績を活かし、このたびの「ケミレスタウン ® ・プロジェクト」に参画し、千葉大学医学部の協力を得て当社が提案する「ケミレスハウス ® 」の効果を医学的に検証することにより、未来世代のための健康配慮住宅の研究に貢献して参ります。


※ 「ケミレス」「ケミレスハウス」「ケミレスタウン」は、NPO次世代環境健康学センターの登録商標です。




■ 「ケミレスタウン ® ・プロジェクト」とは

  ケミレスタウン ® ・プロジェクト」とは、千葉大学環境健康フィールド科学センター(千葉県柏市)の一区画に、健康に配慮した一戸建て住宅や集合住宅・講義棟などを建設し、シックハウス症候群と考えられる子供を中心に短期間滞在していただき、症状の改善を図る共同研究です。


1.プロジェクトの背景

 つくばエクスプレス沿線の柏の葉キャンパス駅周辺では、ここに立地する数多くの学術・研究資源を活かしたユニークで新しい産業・都市づくりが現在進められている。

 本プロジェクトはその主要な柱として位置付けられ、平成18年度の「都市再生モデル調査」に採択され、内閣官房都市再生本部や千葉県・柏市・流山市の支援を受けて推進されている。

 また本プロジェクトは、「未来世代(子供たち)のための街づくり」を広く日本中に広めることを願い、環境健康科学戦略を進める千葉大学が学内の総力を挙げて推進している。

 

2.プロジェクトの構想

 千葉大学環境健康フィールド科学センター内に化学物質を可能な限り低減した戸建および集合住宅、テーマ棟、庭などのある「モデルタウン」を建設する(3,000~4,000㎡)。

 同敷地内に「千葉大学診療所環境医学診療科」を建設し、シックハウス症候群を疑われる子供とその家族の相談にのったり、血中の化学物質を測定したりする環境予防医学をおこなう。

 シックハウス症候群を疑われる子供とその家族には、「ケミレスタウン ® 」の家に数日間滞在していただき、症状が緩和するかどうかを診る。

 将来的には柏市・流山市など周辺自治体とも連携し、街全体において化学物質の低減を図り、アレルギーに悩む家族だけでなくすべての人にとって健康に良い「環境ユニバーサルデザイン」の街づくりを目指す。

 

3.プロジェクトの期間

 ・ 平成19年から平成24年までの5年間


4.現在、プロジェクトへの参画企業

 実証実験施設の提供企業 住宅メーカー 5社

 ブース展示などの共同研究参加企業 建材メーカー等 12社

 
 

■ 積水ハウスが提案する「ケミレスハウス ®

<1> 実証実験の概要

積水ハウスが提案する「ケミレスハウス®」(化学物質の濃度を厚生労働省指針値の1/10に低減することを目標とした住宅)をベースにした実験棟を建築し、そこにシックハウス症候群と考えられる子供とその家族に短期間滞在していただき、症状の改善効果を医学的に検証し、今後の生活環境の指針を得ることを目的とした実証実験を行ないます。

実証実験においては、当社は室内のVOC(揮発性有機化合物)濃度などの環境測定を行ない、千葉大学医学部が症状改善効果について医学的に検証し、将来はここで得られた成果を当社の住宅に導入して参ります。 


<2> 環境測定内容

「低VOC仕様」の実証実験棟において、建物完成直後から室内濃度測定を実施し、経時的変化を確認するとともに、環境条件による化学物質発散量への影響等も明らかにします。

また、「高機能木炭塗料」による癒し・リラックス効果の確認や、「花粉配慮」の技術を搭載します。


<3> 実証実験棟の概要 

実証実験棟は、1棟2ユニットにより構成され、一度に合計3家族が滞在可能となります。


 1.構造・規模・換気システム

 

 軽量鉄骨造2階建て  延べ床面積 238.99㎡
オリジナル「アメニティ換気システム」

 2.Aユニット(2階建て、戸建形式)

 

 ファミリー滞在者、又は見学者案内用の住宅として使用

 3.Bユニット(1・2階分離、アパート形式)

 

 単身者用、又は子供と親の2人で滞在する住宅として使用

 4.「コンサニタリー空間」

 

 実証実験棟には、建物外部と内部のバッファーゾーンとなる「コンサニタリー空間」を設置。この空間は、外部からの花粉や化学物質侵入の緩和や、半戸外的な生活空間として様々な機能を持ち、居住空間の向上を目的とします。

 5.使用する主な建材

   


<4> 実証実験スケジュール


<本件お問合せ先>

積水ハウス株式会社
広報部
(大阪) 06-6440-3021
(東京) 03-5575-1740

※掲載内容は発表時点のものであり、現在の内容と異なる場合がありますのでご了承ください。