クリニック(産院)

地域での分娩ができなくなる危機に、
自治体・医療法人と連携して
新たな産院を整備

施主名:医療法人社団マザー・キー(産婦人科) 敷地面積:1,074.81㎡
延床面積:【分娩・入院新築棟】:595.32㎡
/【外来リノベーション棟】:240.60㎡
階数・構造:【分娩・入院新築棟】2階建て・軽量鉄骨造
/【外来リノベーション棟】平屋・鉄筋コンクリート造
建築地:和歌山県有田市

背景とニーズ

  • ・日本では、少子高齢化や人口減少の社会課題が特に地方部において顕著に。
  • ・2024年4月施行の「医師の働き方改革」により、勤務医の時間外労働が制限されるため、産科医が1人で増員ができない有田市民病院では分娩機能の継続が困難となり産婦人科廃止が決定。これにより市内に産科がなくなる危機に。
  • ・分娩可能な民間産科クリニックの誘致が難航していた。
  • ・一方、保育所再構築を進める有田市では、市立糸我保育所の閉所にともない、跡地・跡建物の活用も課題となっていた。

ソリューション

  • ・積水ハウスの医療施設を担当するセクションの全国ネットワークを活用し、千葉県を拠点とする医療法人を誘致。
  • ・旧保育所跡地に整備を計画。外来棟は保育所のシンボル的存在の壁画を残し、積水ハウスグループ会社の鴻池ビルテクノが旧舎をリノベーション。分娩・入院棟は積水ハウスが新築。全体の基本設計は積水ハウスが行い、2棟一体の産院として整備を進めた。
  • ・安定した運営ができるように、補助金を有田市に提案。
    新築棟建設の初期投資や産院運営資金は、近隣の3町の協力を得て、有田市が補助。
    リノベーション棟では国土交通省の空き家補助金を適用した。
  • ・医師や看護師、助産師への細かいヒアリングにより、働きやすい動線やレイアウト、妊婦が安心・快適に過ごせ、家族の感動の瞬間を迎えるデザインなどを空間設計に反映。
地域での分娩ができなくなる危機に、自治体・医療法人と連携して新たな産院を整備

成果

  • ・行政、医療法人、グループ会社と一体となった結束力により有田市の分娩環境を維持継続させ、地域の出生数改善への夢が持てた。
  • ・積水ハウスのコンサルティング力と行政の熱意・補助によって、民間企業のノウハウを活用した事業スキームが確立できた。
  • ・医師・看護師・助産師やスタッフが働きやすく、誇りが持てる雇用の場を創出できた。

出産された方のコメント

  • 地元有田で産めるので通院する負担が少なく、近くに病院があるだけで安心できます。スタッフの皆様も優しくしてくれるので、安心して出産することができました。とにかく健康で、優しく育ってもらえれば一番うれしいです。
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