刺激し合える仲間に出会えた! 大変だったからこそ成長できた!
「積水ハウス ウィメンズ カレッジ」卒業生座談会
積水ハウスグループでは、女性管理職を2025年度までに310人以上登用することを目標とし、管理職候補者向け研修の実施やキャリア形成の手本となるロールモデルづくりなどを進めています。その施策の一環として2014年から実施している「積水ハウス ウィメンズ カレッジ」(以下、「ウィメンズカレッジ」と表記)では、実力ある女性従業員の適正な管理職登用に向けて、約2年間のカリキュラムで計画的かつ効果的に管理職に相応しい人財の育成に注力しています。
今回、2021年2月にウィメンズカレッジを卒業した6期生18名のうち10名(内1名退職済み)に集まっていただき、座談会を開催。卒業した今だから言える受講中の苦労や本音をはじめ、研修で得た学びや経験を今にどう活かせているのか、同期生とのつながりの大切さなどについて、大いに語り合ってもらいました。
「自分にやり遂げられるのか?」
不安と戸惑いの中でのスタートだった
足立 ウィメンズカレッジを受講する前の印象は、ただただ大変そうだなという感じで、イメージだけが先行していました。
玉谷 私も、業務との両立が大変そうだなとは感じていました。その一方で、受講者の楽しそうな姿やイキイキとされている様子を見て、興味は持っていました。
村田 私にとってのウィメンズカレッジは、「できる人たちが集まる場」だったので、受講が決まってからも不安しかなかったですね。女性がキラキラされている印象は受けていましたが、自分には全く関係しないことだと思っていました。
服部 受講がスタートしてからも、戸惑うことばかり(笑)。周りのメンバーがみんな優秀で、自分がついていけるのか心配でした。
山口 私も普段の業務では人前で話をする機会がないので、他のメンバーのようにうまく話したり、わかりやすい資料を作成したりできなくて、落ち込むことも多々ありました。
折原 周りのメンバーがまぶしく見えて……。先のことを考えると不安でいっぱいでした。
岩沙 私の場合、店長になってすぐのタイミングだったので、日々の業務とウィメンズカレッジを両立させるために、がむしゃらに走り続けた感じです。
井阪 最初の頃はインプットの量が多く、処理しきれないと思ったことも。また、業務との両立には上司の協力が必要だということも痛感しましたね。
宮武 確かに、上司の理解は不可欠ですよね。自分だけの努力では、どうしても両立は難しい面があるので。その点では、上司や職場メンバーのサポートにも助けられました。
実践的なカリキュラムに丁寧な指導
初めて知ることや体験もたくさん
服部 特に印象に残っているのは、リーダーの在り方を学べたこと。職場では後輩がいたことも、誰かを指導した経験もなかったのですが、そういう年次なんだと自覚できました。研修を通じて、理想のリーダー像も見えてきたし。
足立 各講義のスピード感にはビックリしましたね。必死についていった感じですが、早く考えを整理してアウトプットする良い訓練になったと思います。
井阪 プレゼン資料の作成や発表など、通常の業務でもよくやっていることでしたが、そのほとんどが我流で行っていたもの。構成や論点整理の仕方など、一つひとつ丁寧に指導してもらえたことは、とても勉強になりました。
玉谷 私は、優先順位マトリクスによる業務の分類に関する講義が印象に残っています。自力で学び取ることが難しいテーマを体系的に学べたのはとてもいい経験でした。
山口 経験学習で取り組んだ課題では、原因分析や問題抽出に時間がかかったり、思うように進まなかったりとなかなかうまくいきませんでした。しかし、少しの成果でも前進を実感できたときにはそれが励みになり、頑張ろうという気持ちになりましたね。
村田 課題のボリュームも多く大変でしたが、ウィメンズカレッジの仲間と情報交換しながら取り組めたことが良かった。研修やWEBミーティングなどで、みんなと会えることが大きなモチベーションになっていました。
折原 日頃感じている仕事に対する姿勢や考え方などについて、カレッジの仲間と共有できたことも大きい。職場の同僚や同期には言いにくいことも、普段の業務で関わることがないからこそ、素直に話せたし。そこで共感してもらったり、意見をもらったりできたのは、本当に心強かったですね。
さまざまな職務を担う仲間と交流
切磋琢磨できたことが成長の糧に
岩沙 さまざまな職務のメンバーが集まっていたのも良かった。研修2年目の課題に取り組む際、違った視点から意見をもらえたことは本当に助かりました。自分では俯瞰で見ているつもりでも、考え方や捉え方などに偏りやクセが出てしまうものなんですよね。
足立 いろいろ話をする中で、業務にあたる姿勢、お客さまへの思い、後輩育成に対する考え方など、本当に多くのことを学ばせてもらいましたね。自分では気付いていないかもしれないけれど、みんなとても前向きで。仕事に対する意欲が伝わってきて、私はいつも感動していました。
井阪 職務や部署は違っても、それぞれが抱える悩みや問題を同じ仲間のこととして共有し、考えられるようになったというか。
村田 違う職種の業務内容や他事業所での取り組みなども、いろいろ身近に感じることができ、参考になる事例も多くありました。
山口 今の業務に役立つヒントもいろいろ見つけられました。仕事をする上で、自分に足りなかった点を見直したり、難しそうな業務に挑戦したりできるようになったのも、みんなの姿に刺激を受けたからだと感じています。
宮武 女性同士の横のつながりができたことは、今後いろいろな面で支えになってくれるはず。また、取締役や部長などともフランクに話せたり、相談させていただけたりする機会が得られたことも、本当にありがたかったです。
自分自身の成長はもちろん
職場にも還元できる学びができた
服部 ウィメンズカレッジを受講したことで、組織における自分の役割や立場が理解できるようになりました。以前は、図面どおりに仕上げることが現場監督としての大切な務めだと思っていましたが、それだけじゃないんですよね。会社の方針などとも照らし合わせながら一つひとつ考え、仕事に取り組めるようになったのは大きな変化だと思います。
村田 受講前までの私は、日々の業務をこなすことに一生懸命で、経営やマネジメントについて考えたり、関わったりすることとは程遠いところにいると思っていました。でも、さまざまな問題解決に向けた考え方や捉え方を学んだことで、目線が上がり、視野も広がったと感じます。
山口 私は情報とコミュニケーションの重要性を改めて感じました。今まであまり意識することのなかった社会の動きや環境の変化を仕事に関連付けて考えられるようになり、多くの方々とも積極的に交流を図るようになりました。それを新しい提案や業務改善に取り入れています。
足立 目の前の課題について、放置してはいけないという意識が働くようになりました。放置しておくほうがラクだと思ったこともありましたが、気持ちはモヤモヤしたまま。みんなに出会えたことで、課題にアプローチする勇気がもらえたと感謝しています。
折原 私は、周囲の人を巻き込む度胸が付きましたね。以前は、一人で仕事を抱え込みがちでしたが、一人ではできないこともあると気が付いた。仕事に遠慮は要らない、それが自分のためでも相手のためでもあると考えられるようになったことが、一番の成長です。
宮武 それは実感しますね。設計だけでなく、営業や総務なども巻き込みながら、支店全体として取り組んでいこうという姿勢が身に付きました。それが支店の活性化にもつながっていくんです。
玉谷 私も、個人でやれることには限界があるのだと、改めて気が付きました。そして、マネジメント力は上長だけが持っていればいいわけでなく、メンバー全員がマネジメント力を養うことで、組織全体が変わっていくんだということもよくわかりました。
2年間の学びを通し、
自分の人生や管理職に対する考え方も変化
宮武 この2年間で、本当に多くの刺激を受けました。個人としてはチーフアーキテクト(※3)認定に挑んだり、支店全体として新たな活動に取り組んだりと、率先していろいろなことにチャレンジできるように。誰かがきっかけを作れば、そこにいろいろな意見やアイデアが加わり、大きな波になっていくことを日々実感しています。
岩沙 キャリアとしてもすでに中堅なので、「そんなことわかってる」「これ以上、何を学ぶのか」と、消極的に捉える人もいるでしょう。でも、自分が思っている一段階上のレベルで考え、実践できる場がウィメンズカレッジ。切磋琢磨できる環境を、全力で楽しんでほしいですね。
井阪 「女性に限定した管理職の育成や研修プログラムって、本当に必要?」と思ったことも正直ありました。でも、ロールモデルが近くにいない、本音で話せる同期とはなかなか会えない、そんな人も多いでしょう。ウィメンズカレッジで出会えるのは、「この課題をやり遂げる」といった共通の目標に向かい、互いに高め合える仲間。そこから得るものは、たくさんあります。
折原 ウィメンズカレッジの同期は、遠くにいてもつながっていると思える大切な仲間。こんな仲間は、自分で作ろうと努力しても得られるものではありません。会社が本気で取り組み、バックアップしてくれるこの仕組み、本当にすごいことだと思います。
玉谷 ウィメンズカレッジの受講を考える人たちから、よく相談を受けるんです。仕事と両立できるのか、成果は出せるのか、受講途中に異動があったらどうすればいいのかなど。確かに、誰でも不安はあるはず。でも、講師や事務局の方をはじめ、同期のメンバーや上司などがサポートしてくれます。苦しみながらも完走した達成感や充実感、ぜひ味わってほしいですね。
服部 仕事のためだけでなく、人生にとっても有益な経験ができました。多くの人に出会えたこと、いろんなことにチャレンジさせてくれた支店長や次長、組織課題の取り組みに賛同してくれた全ての方々にも感謝しています。
岩沙 管理職になることを、マイナスには捉えなくなりましたね。管理職は、部下に幸せを感じてもらうことができるよう、いろいろ考えたり行動したりできる仕事。そう考えられるようになったことで、仕事にもより前向きに取り組めるようになったと思います。
2)キャリアアップ・チャレンジ制度
人事制度において職種や職務内容、将来担うべき(期待される)職務に基づき、従業員を「営業技術職群(総合職)」「生産技能職群」「一般事務職群」「地域勤務社員」にグループ分けしており、人財育成や基本的処遇の面などで職群の特性に応じた運用を行なっています。
2006年度に導入した「キャリアアップ・チャレンジ制度」では、チャレンジ精神旺盛な人財に対してさらなる飛躍の機会を提供するため、「生産技能職群」「一般事務職群」「地域勤務社員」を対象として、「営業技術職群」への職群転換を支援しています。
3)チーフアーキテクト
良質な住まいづくりを支える設計者を育成するために創設された社内認定制度において、高い設計能力や折衝能力を備え、お客様から高い満足と信頼を得た戸建住宅・共同住宅の設計者として認定された者の称号。
1)チーフコンストラクター
現場監督のトップアップを図るために創設された社内認定制度において、総合施工管理、工事監理などの高い業務推進能力を有し、お客様から高い満足と信頼を得た現場監督として認定された者の称号。