FUKUOKA GRANDE STORY 街の記憶

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街の記憶

土地が培ってきた歴史を、未来へと引き継ぐ。人々がその風景と文化を大切に守ってきた地域で分譲マンションを展開してきた〈グランドメゾン〉が、「グランドメゾン ザ・大濠」(2017年)、「グランドメゾン大濠 THE APARTMENT」(2019年)をはじめ数々の住まいづくりを行っている福岡・大濠エリア。長い時間の中で自然と人が親しく過ごしてきた同地の物件に込めた作り手の想いと、その場所で日々新たな記憶を重ねている方々の声を聞いた。

大濠の自然と人の歴史に
つながること。

福岡市のほぼ中央に位置する、木々に囲まれた広大な池――。周囲約2km、約22万6千㎡に及ぶその池を中心に抱く「大濠公園」は、慶長年間(1600年頃)に福岡藩初代藩主・黒田長政が築いた福岡城の西に広がる外濠だった。周辺が城下町として発展してきた歴史をもつこのエリアは、今も福岡の中心部であり、人々が集う地。美しい水景の傍らには美術館や能楽堂などの文化施設が鎮座し、公園の西側には建ち並ぶ邸宅の風景が広がっている。

「県下で最も人気の高い高級住宅地でありながら、同時に市民の“憩いの場”であり、街のシンボルでもある。こうしたエリアは全国を見回してもなかなかない」と語るのは、積水ハウス東京マンション事業部設計室の小山理史さんと福岡マンション事業部分譲課の市間聡さん。「グランドメゾン ザ・大濠」と「グランドメゾン大濠 THE APARTMENT」の企画に携わるにあたり、この土地がもつ独特の個性と魅力を物件にどう取り入れるかに力を注いだという。

「2つの物件に共通するのは、通りを挟んで大濠公園に隣接しているという立地の素晴らしさ。『グランドメゾン ザ・大濠』では、より多くの住戸から公園の緑や池などの自然の風景を眺めていだきたいとの思いを、各住戸の角を分節して斜めに雁行させ、公園側にコーナーサッシを設けることで実現させました。また暗くなりがちな共用部の廊下にも開口を取り、光を取り入れることを意識しています。玄関を出た瞬間から周囲の自然を感じ、その日の天候まで伝わってくるように。『グランドメゾン大濠 THE APARTMENT』でも公園に面した側の大部分を窓とし、天井高を大きく取った贅沢なビューを楽しんでいただけます。一方で、人々の集まるエリアで求められる生活面でのプライバシー確保のため、植栽の配置やバルコニーの手摺形状などを適切に考え、安心・安全面の両立にも充分に配慮しました」(小山さん)

長い時間の中で育まれてきた大濠の自然と、それを愛する人々。それらと緩やかにつながりながら暮らしていくこと。そんな住まいへの想いは、各部の意匠面にも反映されている。

「各部に木や石など自然に近い素材を多く使用しただけでなく、例えば階段の手摺にアルミ製の既製品でなく鋳物を使用したり、エントランスのルーバーを金属でなく焼物で作ったり。人の手が加わることで生まれる温かみや豊かさを感じていただきたかった。住宅は一般的な商業施設と異なり、数十年先の未来まで使われ続けていくものですから、素材やディテールの選定にもより慎重な検討が必要になります。毎日の使い心地はどうか、経年での耐久性はどうか。デザイン面においても単に見た目だけでなく、長い時間に耐える、本物の質を求めることを常に心がけています」

暮らしの記憶が
生まれていく場所。

犬の散歩に訪れる人、「どんぐり公園」で遊ぶ親子連れ、周回園路をジョギングする人、ベンチに腰掛けて水辺を楽しむ人……近隣住民から観光客まで日々多くの人々が訪れる大濠公園は、福岡に暮らす人々にとってまさしく「シンボル」であり、さまざまな記憶が折り重なる場所。

「僕にとっては、小さい頃からよく遊んでいた地元の公園。花火大会などたくさんの思い出があります」
そう話すのは、「グランドメゾン大濠 THE APARTMENT」から歩いて3分ほどの位置にあるコーヒー&ワインスタンド「ECRU」店主の原田達也さん。「この公園と街の雰囲気が好きだから、ここでの生活の中でコーヒーや自然派ワインを楽しんでいただきたかった」と2010年に博多にてオープン、2022年に大濠に移転オープン。極めてシンプルで洗練されていながらもナチュラルで柔らかい空間づくりが、店のスタンスを表している。お昼11時から夜23時までオープンしている店内では時間帯ごとに多様なお客さんが集い、思い思いにひとときを楽しんでいる。

ECRU 店主
原田達也さん

「近辺の住民で毎日来てくださる方も多いですね。愛犬のお散歩の途中に寄ってくださったり。コーヒーもワインも質の高いものを提供していますが、このエリアに住む方々は経験豊かで価値のわかる方が多いと感じています。そうしたお客さまの日常に寄り添うお店になれたらと思っているんです」

「ECRU」からさらに南に1分ほど歩けば、フレンチレストラン「tatamiser」がある。同じく福岡出身のシェフ古賀啓二さんは「以前、大分の別府で店やっていたときから“地域密着”をテーマにしていました。この大濠なら理想のお店づくりにさらに近づけると思い、2019年に移転しました」と語る。

tatamiser オーナーシェフ
古賀啓二さん

「大濠は高級住宅街というイメージですが、近くの六本松は昔は学生街で、僕もよく馴染みのあるエリア。本当に幅広い年齢層の方がいらっしゃるんです。お客さまは赤ちゃん連れのファミリーから、八十歳でフルコースをお召し上がりになる方までいらっしゃいますよ」

東京や海外でも経験を積み、古典をはじめフレンチに精通する古賀さんだが、クオリティの高い味を気軽に楽しんでもらいたいと、奥様とともにメニューやお店づくりに工夫を凝らした。公園の帰りにふらりと立ち寄れる素敵なレストランは今や大濠の風景に馴染み、人々にとって新たな“記憶”が紡がれる場所になっている。

「大きな都市だけど人情味があるのが福岡の良さ。お客さまとの距離感も近くて温かいんです。ご家族で毎年、誕生日パーティをしていただいたり、入学や卒業などの多種多様なお祝いに食べに来ていただいたり。旅行のお土産をいただくなんてこともありますよ。お客さまから『もっと値段上げてもいいんじゃない?』なんて言われるんですけど、やっぱり日常的なお付き合いが嬉しいので。これからも長く続けていきたいですね」

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