グランドゲート完成予想CG
ツグ・ノコス・カエス
私たち住宅メーカーには、その責任がある。それが、積水ハウスのまちづくり。
それが、グランドメゾンの思想。
積水ハウス株式会社 横浜マンション事業部
販売課 課長代理 丸本 和治
販売課 課長代理 高橋 篤
設計課 課長代理 一級建築士 十河 幸平
販売課 課長 石倉 良太
(2007年現在)
現在手がけている『グランドメゾン東戸塚』、そして新たなプロジェクトとして進行中の『グランドメゾン伊勢山』。それらプロジェクトの重要なテーマが『ツグ・ノコス・カエス』。
ただ、丈夫なマンションを作ればいいのではない。ただ、おしゃれなマンションを作ればいいのではない。しっかりとその街が持つ価値観を継承し、大切なものを残すことで、マンション自体が街の財産になっていく。
マンション作りに携わるものが、自身自身でその意味を考え実践する。それぞれが持っている思いを込めて、あえてカタカナで表記。
その思いを抱いて、積水ハウスは、新たなグランドメゾン、新たな住まいを作り出しています。
「5年程前に手がけた『グランドメゾン鵠沼橘』が、きっかけになったと思います。周辺は敷地の広い家が多く、植栽がとても豊か。建築する場所も大きな一軒家の跡地。そこに立っていた大きな松の木を残して、マンションができあがりました。完成後も象徴として立つ松を残せ、素晴らしい計画だったと思います。」(丸本)
「それぞれの場所で、ツグべきもの、ノコスべきもの、カエスべきものがあると思います。現地を見たとき、その土地で一番大切なものは何かを感じることが必要です。私が設計した『グランドメゾン鵠沼橘』については、街を歩いたとき印象に残った石積みを踏襲して取り入れることと既存の松を残すことがテーマでした。」(十河)
その結果、『グランドメゾン鵠沼橘』は、周辺の方々、行政の方々、そして住民の方々から高い評価を得ることができました。周辺の方々の不安を評価に変え、街の財産となる、それが本当の意味での『カエス』ことになります。
グランドメゾン鵠沼橘既存樹の松を残し、石垣が街なみに調和する。
「横浜マンション事業部以外のエリアでも、『ツグ・ノコス・カエス』の考え方が浸透しています。名古屋の『グランドメゾン白壁櫻明荘』は、料亭の跡地に建てたのですが、既存樹を残すだけでなく、歴史的な建造物である長屋門や見事な庭園を残し、敷石も再利用しています。また、青山学院大学跡地に建てた『東京テラス』は、ヒマラヤスギをはじめとする既存樹と赤レンガ塀を継承。福岡の『グランドメゾン荻の宮』は、既存の桜をシンボルツリーとして上手く残しています。」(高橋)
『グランドメゾン白壁櫻明荘』は2004年まちなみ住宅100選奨励賞を、『東京テラス』は2006年グッドデザイン賞(建築・環境部門)を受賞しています。
「ひとつの丘=森をまるごと開発する『グランドメゾン東戸塚』では、豊富な既存樹を残すことはもちろん、その残したものを、住民あるいは周辺の方に、どのように活かせるかということがテーマになりました。例えば、丘にはたくさんの桜があります。しかし、入れない丘だったため、これまでは遠目に眺めるしかできなかったんです。そこで今回、桜を残し住民以外の方にも入っていただける遊歩道を通します。桜の美しさを間近で感じられるだけでなはなく、住民と周辺の方との交流の場にもなり、『街』としてさらに深まっていきます。」(十河)
「人の手が入らず極限の状態になっている森を、マンションを建てることで、人の手を入れ、新たな『里』として再生させる。それは、住民だけではなく、周辺の方にとっても誇らしい里である。それが、本質的なテーマです。そこにある様々な植物に興味を持ち、自然を愛でる気持ちを抱いていただきたいと思っています。私たちのこの想いを伝えるために、『雑草事典』を作成して配布したいとも、考えています。伝えること、それも『ツグ』ではないでしょうか。」(石倉)
マンションを引渡すときに、歴史であったり、自然であったり、お客様に積水ハウスの想いを『ツグ』ことで、よりその地に愛情を持っていただける。そのことで、周辺の方と交流が深まり、また、マンション管理への積極的な参加にも繋がっていきます。
グランドメゾン白壁櫻明荘歴史的建造物だった料亭の長屋門や庭をそのまま残す。
グランドメゾン荻の宮由緒ある料亭の既存の桜を残した計画。
東京テラス青山学院大学跡地。ヒマラヤスギを残し、レンガ塀を継承。
「2009年に開港150年を迎える横浜には、キング(神奈川県庁)、クィーン(横浜税関)、ジャック(横浜市開港記念会館)と呼ばれる古い建物があります。従来からあるものを大切に使い、次代へと残していく、横浜の気風がそこには凝縮されています。それは、私たちが横浜で仕事をしていく上で、街に手を加え、作るための作法を示しているのではないでしょうか。私たちが作ったものも、横浜の街を形作り、ずっと引き継がれて残っていきます。ですから、その使命と責任を持って仕事をしていくことが重要です。」(高橋)
「横浜で今も愛されている建物、それは、その時々、横浜の将来を見据え、生み出されて来たんだと思います。古いからいいのではなく、いいものだから、いつまでも愛され残されていく。私たちも、新しい、いいものを作り出していくという考え方で取り組むべきだと思います。」(十河)
積水ハウス横浜マンション事業部が、これから取り組もうとしているプロジェクトは、横浜という地に対し『ツグ・ノコス・カエス』という意味で、大きな責任を負います。桜木町の丘の上、伊勢山、かつて離宮だったという、歴史上、大きな意味を持った場所です。私たちは、横浜にないもの、だけど、横浜でしか作れないものを作りたいと計画しています。おごりかもしれませんが、開港150年を記念する建物にするという意気込みで、『ツグ・ノコス・カエス』の集大成にしたいと考えています。
ジャックと呼ばれる横浜市開港記念会館。開港50年を記念して1917年に創建、今も使用されている。
グランドメゾン東戸塚では、桜の名所として愛されてきた丘の豊かな自然を活かし、新たな「里」として再生。
※ ここに掲載の情報は2007年時点の情報に基づいています。