パークフロント香椎照葉

マンション考 vol.55
 / 集合住宅における「アート」

あたりまえの日常に、アートを。

季節の花を飾ったり、食器にこだわったり、絵や写真を掛け替えたり…。それはもう、アートの世界の入り口です。芸術は高尚で難解なものだと身構えてしまわずに、ちょっと肩の力を抜いてアートに接してみませんか?
今回は暮らしとアートの豊かな関係について考えてみました。

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  • 光武公平 光武公平:
    アイランドシティ開発室
    /分譲課/宅地建物取引士
  • 武下明弘 武下明弘:
    アイランドシティ開発室
    /分譲課/宅地建物取引士
  • 嶋岡雅人 嶋岡雅人:
    アイランドシティ開発室
    /設計/一級建築士
  • 中野雄介 中野雄介:
    アイランドシティ開発室
    /設計/一級建築士

集合住宅ならではのアートのある暮らし

アートや芸術というと「ちょっと難しそう」という印象もありますが…。

「意外と日常的に接していることもあるんですよ。公園や駅などでオブジェや絵画を見かけたことのある方は多いでしょう。それらはパブリックアートと呼ばれるものです」(中野)
「たとえば福岡のアイランドシティに建つパークフロント香椎照葉はミュージアムをテーマにしたマンションです。敷地内に彫刻作品を配置して、どの作品も手で触れたり、のぞき込んだり、身近に感じられるようにしています」(嶋岡)
「美術館も良いですが、住まいにアートがあれば気兼ねなく接することができます」(武下)
「このようなアートのある住まいをご提案できるのは、マンションならではの魅力。展示しておけるパブリックスペースがあり、管理会社で適切に維持管理できるので安心です」(光武)
  • パークフロント香椎照葉

    エントランスの水盤に浮かぶアートは博多湾の歴史と、これから生まれる都市との共鳴を表現しています。(パークフロント香椎照葉/福岡県)

  • パークフロント香椎照葉

    ロビーラウンジに飾られた『積層ガラス』は、光を受けて揺らぎ、多彩な表情を見せてくれます。(パークフロント香椎照葉/福岡県)

感性を刺激し、まちへの愛着を育む

アイランドシティ照葉のまち

アイランドシティ中央公園と積水ハウスのマンション群。アイランドシティには、福岡市が50年、100年先を見据えたまちづくりデザインガイドラインを策定しており、人々が憩い賑わうまちかど広場や、パブリックアートの設置という項目も盛り込まれています。(アイランドシティ照葉のまち/福岡県)

なぜマンションにアートを取り入れようとしたのでしょうか?

「子どもが幼い頃からアートに触れ、体験し、発想することは、感性や創造力を養うことにつながると思います。大人にとっても、何かを感じ、考えるきっかけの一つとなり、生活をより豊かなものにしてくれるんじゃないでしょうか」(中野)
「アートの存在意義や重要性は世界的にも認識されており、公共施設建設費の1%を芸術作品の購入や設置に充当する『1%フォー・アート』を法制化している国も多いんですよ」(武下)
「今の時代、インターネットで色んなことが調べられますが、やはり本物を自分の目や肌で感じると違う。そのリアルさが大事なんだと思うんです」(光武)
「子どもの頃にはなにげなく接していても、大人になって思い返すとふるさとの風景にアートがあり、子育ての場としてそのまちを選んだ親の愛情を感じるということもあるでしょう」(武下)
「私たちは住まいだけでなく、まちの文化や土地柄をつくっていくという気概を持って取り組んでいます」(嶋岡)
「これは今に始まったことではなく、彫刻のまち『六甲アイランドCITY』、アートストリートを配置した『西宮マリナパークシティ』、世界の建築家通りやパブリックアートのある『シーサイドももち』など、積水ハウスが関わってきたまちづくりの多くに通じるものなのです」(中野)

アートのきっかけは住まいのそこかしこに

小規模なマンションでもアートを身近にする試みは行なっているのでしょうか?

「広い意味ではマンションの建物自体もアートだと言えるのではないでしょうか。」(嶋岡)
「奇をてらってデザインするという意味ではなく、まちの風景や歴史にふさわしい外観計画をどの物件でも意識しています」(中野)
「身近な部分で言えば、エントランスホールやロビーには絵画や伝統工芸作品などを飾っています。エレベーターホールなど足を止めるところにもアイストップとなるアートを配置することが多くなっています」(武下)
「その土地にふさわしい存在として〝地域らしさ〟を表現できるように、地元にゆかりのある作家さんにご協力いただいたり、地域の歴史を踏まえた作品を選ぶようにしています」(光武)
「また、一朝一夕では醸すことのできない趣ある古い門構えや灯籠、植栽などをなるべく残すようにし、近隣の皆さんに愛されている文化や風土を継承した計画を重視しています」(中野)
「そうした取り組みの積み重ねがアートとの距離感を縮め、住まう人の暮らしに彩りを添える〝きっかけ〟なると考えています」(武下)
  • GM勾当台通ザ・タワー

    世界で活躍する工業デザイナーが手がけたタペストリー「SAKURA」。春の喜びに咲き誇る様子を表しています。(GM勾当台通ザ・タワー/宮城県)

  • GM星が丘山手

    華やかなチューリップの絵は、環境に配慮した愛知万博でオランダ館に展示されていた絵画を復元したものです。(GM星が丘山手/愛知県)

  • GM京都御池通

    京都伝統工芸後継者ユニットをブランドパートナーに迎え、パブリックスペース全体を京都ならではの魅力ある空間に仕上げています。(GM京都御池通/京都府)

  • GM大濠公園2011

    大胆な筆致の「書」は、アートとしての存在意義とともに、この地に存在した書道会館の記憶をつなぎ、伝えていく役割を担っています。(GM大濠公園2011/福岡県)

住まう人が関わり、時を経て完成するもの

住民の皆さまからのアートへの反応はいかがですか?

「総じて満足度は高いという印象を受けています。特にアイランドシティは、まちと家族が一緒に成長していくことに魅力を感じて住まわれる方も多く、お子様が小さいうちからアートに触れられる環境にも共感いただいていると思います」(光武)
「パークフロント香椎照葉では、住まう人に積極的に関わっていただこうと、作品の中にタイムカプセルを入れるアートも設けました。お子様たちの〝今〟を大切な思い出として残しておきたいという想いから生まれたアイデアです」(中野)
「これからのマンションづくりは、建物の性能や暮らしやすさといったモノサシに加えて、心を満たすサービスやサポートが鍵となるでしょう。内面の豊かさや健康的な暮らし、人と人との交流が求められているのを感じています」(嶋岡)
「私たちの仕事はマンションをお引き渡しして終わりではなく、そこから先が大切。住まう人が幸せを感じながら、かけがえのない時間を積み重ねていく。その長い年月のステージを提供するのが、私たちの使命だと考えています」(武下)
パークフロント香椎照葉

マンションの中庭にタイムカプセルを入れることを想定したアートを設置。長い時を経て開封するとき、家族やまちの思い出が鮮やかに甦ることでしょう。 (パークフロント香椎照葉/福岡県)

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