インサイドストーリー INSIDE STORY

建物のコンセプトとつながる庭づくり。

「デザインオフィス広島」がプロジェクトの軌跡を語る。

庭にも五感を使って楽しむ居場所をつくる。「デザインオフィス広島」がプロジェクトの軌跡を語る。

庭にも五感を使って楽しむ居場所をつくる。

エクステリアデザイナー
大畑 周
「シャーウッド吉島展示場」のエクステリアデザインのコンセプトを教えていただけますか?
ちょうど、イギリスのショーガーデンを見に行った時期だったので、日本にないものをつくろうという思いを持っていました。日本では、自分のための庭やガーデニングといった感覚が強いのですが、イギリスでは人や街など公共に価値を提供する意識があり、その点を反映した庭づくりができればと考えていました。

ただ、エクステリア単独のコンセプトというものは特に設定していませんでしたね。建物のコンセプトを外部にまで拡張し、いかに周囲の環境とつなげるかがエクステリアデザインの役割とも言えます。こうした考え方や取り組みは、積水ハウスらしさが感じられる部分かもしれませんね。

庭にも五感を使って楽しむ居場所をつくる。
建物と庭を一体で考えるということですね。
そうですね。こちらの展示場は、家の中にいろんな居場所をつくり、五感で心地よさを感じる空間づくりをコンセプトとしています。もちろん庭にも居場所をつくりますし、家の中からでも外で植物が揺れると人は風を感じて心地よさを覚えることができます。朝日を浴びながら朝食をとり、日が暮れてくると居場所をリビングに移してくつろぐ。季節がよいと風が気持ちいい庭のベンチで佇む。そんな風に、一日の変化、季節の変化で居場所を変え、常に心地よいところに身を置く暮らしをご提案しています。

展示場エクステリアの見方はありますか?
庭の構成などは意識されなくてもいいと思います。花が咲いていれば立ち止まり、ベンチがあれば座ってゆっくり植物を眺めてみたりしてください。モノを見るのではなく、まずは考えずに空間を感じてみて欲しいですね。どんなところに心地よさを感じるか、あるいはこんな暮らしがしたいという気づきを得ていただければいいのではないでしょうか。

見学というとつい目に頼りがちになりますが、実際に樹木や石に触れてみてください。吉島展示場では、流れる水を感じられる水路があったり、歩くと少し弾むように感じる散策路がありますので、ぜひ五感を使って楽しんでみていただければと思います。

日本古来の里山を手本とした庭づくり計画。

積水ハウスの「5本の樹」計画について、教えていただけますか?
庭にも五感を使って楽しむ居場所をつくる。
“3本は鳥のため、2本は蝶のために、地域の在来樹種を”という思いを込め、その地域の気候風土に適する植栽にこだわった庭づくり・まちづくりの提案です。よく施主様に「5本じゃないとダメなんですか」と聞かれますが、あくまで概念なので1本からでもOKですよ。

これらは、生態系保全や里山再生のための取り組みでもあります。私自身、人と自然との境界として、それらをきちんと接続するポイントとなる庭をつくって行こうとアプローチしています。花が咲き、実を採り、それをうれしく感じる。そうしたポジティブな体験を重ねていくと、子どもたちの感性も養われ、自然の豊かさに対する想いは次世代へとつながると思います。たとえそれが、ひとつの庭やひとつの家族の体験であっても、それはやがて地域や生態系全体に波及していくのではないでしょうか。

大畑さんは、樹木医の資格もお持ちだと伺いました。
庭にも五感を使って楽しむ居場所をつくる。
本来の樹木医の仕事でいうと、街路樹の管理や文化財として指定されている樹木の保全などがそれにあたります。広島でいえば、被爆樹の管理などもそうですね。直接、庭には関係がないともいえますが、植物生理という学問があり、環境の中でどういう風に植物が成長するかといった知識を庭づくりに活かすことができています。お引渡しの時点だけでなく、5年後、10年後の姿を予測しながら提案できるで、施主様の希望とのミスマッチは起こりにくいと思います。とはいえ、予測が外れることもままあります。それもまた生物ならではの理ですね。

庭にも五感を使って楽しむ居場所をつくる。
庭にも五感を使って楽しむ居場所をつくる。

住まい手が成長できる家を。

印象に残っている事例などはありますか?
当初、庭や木は要らないと言われた方がいらっしゃいました。施主のM様は、幼い頃、ご実家の庭の手入れをするお父様を見て、常々大変そうだと感じておられたそうです。それでも暮らしのそばに植物があることの良さは分かっておられたので、様々な木々や花のある庭を提案させていただきました。

ご入居後の様子を伺うと、水やりや剪定などは確かに大変ではあるけど、見よう見まねで手伝ってくれるお子様と一緒に日々を楽しんでいただけているようです。そして、「大変そうに見えた父も、実はそうした暮らしを楽しんでいたのだと気づきました」と語っていただきました。

そのお話を聞いて私自身とてもうれしく思いましたし、家や庭は単なるモノではなく生活そのものであり、住まい手に気づきを与え、人生をより豊かにしてくれるパワーがあるのだと、改めて感じましたね。

今後、大畑さんが取り組んでみたい庭についてお聞かせください。
庭にも五感を使って楽しむ居場所をつくる。
これまで植物の勉強は重ねてきましたが、石についてもっと学び、石の庭をつくってみたいです。同じ石を置くにしても、携わる人によってその見え方が全く変わるのが石の世界です。「無作為の作為」を目指すのはすごく難しいのですが、植物を生かすことにもつながりますし、何度も手を動かしてチャレンジしていきたいです。

また、エクステリアを外構だけでなく、庭と考えると植物や石の知識が必要となりますし、環境と考えると生態系を学ぶ必要があります。さらに、地域社会と考えるとその土地の文化についても学ぶ必要があるでしょう。どれだけ自分の領域を広げられるかを意識して、これからも努力していきたいと思います。

はじまりは、1本の木から。

最後に、これから家づくりをされる方に、おすすめの樹木やアドバイスはありますか?
おすすめの樹木は特にありませんね。よく、おすすめの樹木何選といった情報がありますが、あくまで自分以外の人の基準になりますので、ご自身の記憶や経験の中で、匂いや実、姿などがいいと思った樹木を心に従って選んでみてください。また、小さな木をたくさん植えるよりも、大きな木を1本植える方が住まいに対するアプローチとしては効果的だと思います。庭やエクステリアは最初から完成を目指さなくてもいいと思いますから、まずは1本の木を植えることから始めてみましょう。

庭にも五感を使って楽しむ居場所をつくる。
庭にも五感を使って楽しむ居場所をつくる。
PROFILE
大畑 周(おおはた あまね)
エクステリアデザイナー
樹木医、自然再生士の資格を持つ。エクステリアは竣工時に完成を目指すのではなく、住む人が時をかけて作り上げる。それも素敵な思い出になります。

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