住まいの参観日35周年スペシャルサイト

Asset 1

僕の家には時々
あの頃の自分が遊びにくる

きっかけはハゼだった
家の前を流れる川で
息子がハゼを釣って帰ってきた
青いバケツを覗き込んでいると
突然水面に幼い自分が写った

「このハゼ前の川で釣ったんだよ!」
そうだ僕もあの川でハゼを釣ったことがある

結婚してすぐ
僕は生まれ育った家を父から譲り受け
すこし悩んで新しい家を建てることを決めた
父のように家族のための家を建てたいと思った

ただ古い家が取り壊されていくのを見ながら
何も感じなかったと言えば嘘になる

記憶まで失われてしまう寂しさに
気づかないフリをしながら
黄色いショベルが家を崩していくのを
じっと見つめていた

そんな僕の前に幼い自分が現れるようになったのは
新しい家に住み始めて
ちょうど半年ほど経った頃だった

「自転車で河口まで行ってみるんだ」

朝食を終えると今日も釣り竿を背負った息子が
嬉々として玄関を飛び出していった
2階の窓から手を振ると
その横に自転車に跨る小さな僕の姿が見えた

そういえば僕も河口まで行ったことがあった

あの日気がつくと辺りがすっかり暗くなっていて
暗闇の中焦りながらペダルを踏んだ

自転車のライトの先に
迎えにきてくれた父の姿が見えたとき
ほっとして涙が込み上げてきたのを覚えている

父が家を建てる前
この場所には祖父の家が建っていたらしい
あの頃父も幼い自分と再会していたのだろうか

思い出は
そうやって家族の中を巡っているのかもしれない

日が落ちてきたら迎えに行ってあげよう

僕は遠ざかっていく息子と幼い自分の背中を
見えなくなるまで見送った

物語を生んだ家

川の流れと山の稜線をのぞむ
リビングとひとつながりのバルコニーのある家

HOME 2愛知県Tさま邸
自然豊かな景色をのぞむ、Tさま邸の2階リビング。バルコニーで朝食をとることもあるという。

建て替えへの不安を払拭した、積水ハウスの提案

「正直なところ、建て替え前は不安のほうが大きかったかもしれません」と話すのは、5年前にご実家を建て替えたTさま。「父が建てた家で、僕も20年ほど暮らして思い入れもありました。敷地がそこまで大きくないこともあって、ここにいい家が建つのかなと心配でした」。

すぐそばに隣家があり、東側に迫る川の堤防には人や車が行き交う。そんな敷地への不安を期待に変えたのが、積水ハウスの1階と2階を水平方向にスライドさせて、2階にLDKをもってくるという提案だった。

外壁材の質感が映えるグレーの外観。2階洗面室のサッシが外観のアクセントになっている。
1階と2階を水平方向にスライドさせることで、駐車スペースを確保。玄関へのアプローチを植栽が彩る。

幼い頃の思い出が詰まった景色を堪能する

1階と2階をスライドさせることによって、1階では屋根のある駐車スペースが、2階では広いバルコニーが実現した。「奥行きのあるバルコニーのおかげで、リビングからは堤防やまわりの家は見えず、山の稜線と広い空だけが見えます」。バルコニーに出れば、幼い頃に釣りをした川が見える。「建て替えてから改めて、ここが自分の原風景なんだと感じるようになりました」。

インテリアは、「ホテルライクに」という奥さまの希望を反映して、モノトーンを基調としたスタイリッシュな空間に仕上げた。開放的かつ上質な空間が、日々の暮らしに安らぎをもたらしてくれる。

インテリアのテーマは、ホテルライク。ソファはテレビと眺望をともに楽しめるようL字型を選択。
ダイニングテーブルと、キッチンまでつながるカウンターを造作した。

3世代の思いを受け止める住まい

昨年息子さんが誕生し、3人家族になったTさま。「リビングで子どもが遊んだり、はいはいしたりする姿を見ると、子育ての面でも家を建ててよかったなと思います」と嬉しそうに語るTさま。今年の夏は、バルコニーにプールを出しての水遊びを計画中とのこと。

時々訪れるTさまのご両親も、建て替えを喜んでくれているという。「僕と同じように『ここにこんなカッコイイ家が建つんだ』と驚いていました」。

建て替えによって、一層愛着が深まったという原風景。これからは奥さまや息子さんとともに、この場所で豊かな思い出が紡がれていく。

階段室はLDKの中央にあえて配し、暮らしやすい回遊動線を実現。
階段室により、リビング・ダイニングとキッチンがゆるやかにゾーニングされている。
所在地
愛知県
家族構成
夫婦+子ども1人
、。