住まいの参観日35周年スペシャルサイト

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僕の家には、時々、
あの頃の自分が遊びにくる。

きっかけは、ハゼだった。
家の前を流れる川で、
息子がハゼを釣って帰ってきた。
青いバケツを覗き込んでいると、
突然、水面に幼い自分が写った。

「このハゼ、前の川で釣ったんだよ!」
そうだ、僕もあの川でハゼを釣ったことがある。

結婚してすぐ、僕は生まれ育った家を父から譲り受け、
すこし悩んで、新しい家を建てることを決めた。
父のように、家族のための家を建てたいと思った。

ただ、古い家が取り壊されていくのを見ながら、
何も感じなかったと言えば嘘になる。

記憶まで失われてしまう寂しさに、
気づかないフリをしながら、
黄色いショベルが家を崩していくのをじっと見つめていた。

そんな僕の前に幼い自分が現れるようになったのは、
新しい家に住み始めて、ちょうど半年ほど経った頃だった。

「自転車で河口まで行ってみるんだ」

朝食を終えると、今日も釣り竿を背負った息子が、
嬉々として玄関を飛び出していった。
2階の窓から手を振ると、
その横に、自転車に跨る小さな僕の姿が見えた。

そういえば、僕も河口まで行ったことがあった。

あの日、気がつくと辺りがすっかり暗くなっていて、
暗闇の中、焦りながらペダルを踏んだ。

自転車のライトの先に、
迎えにきてくれた父の姿が見えたとき、
ほっとして、涙が込み上げてきたのを覚えている。

父が家を建てる前、
この場所には祖父の家が建っていたらしい。
あの頃、父も幼い自分と再会していたのだろうか。

思い出は、そうやって家族の中を巡っているのかもしれない。

日が落ちてきたら、迎えに行ってあげよう。

僕は、遠ざかっていく息子と幼い自分の背中を、
見えなくなるまで見送った。

きっかけは、ハゼだった。
家の前を流れる川で、
息子がハゼを釣って帰ってきた。
青いバケツを覗き込んでいると、
突然、水面に幼い自分が写った。

「このハゼ、前の川で釣ったんだよ!」

そうだ、僕もあの川でハゼを釣ったことがある。

結婚してすぐ、僕は生まれ育った家を父から譲り受け、すこし悩んで、新しい家を建てることを決めた。
父のように、家族のための家を建てたいと思った。

ただ、古い家が取り壊されていくのを見ながら、何も感じなかったと言えば嘘になる。

記憶まで失われてしまう寂しさに、気づかないフリをしながら、黄色いショベルが家を崩していくのをじっと見つめていた。

そんな僕の前に幼い自分が現れるようになったのは、新しい家に住み始めて、ちょうど半年ほど経った頃だった。

「自転車で河口まで行ってみるんだ」

朝食を終えると、今日も釣り竿を背負った息子が、嬉々として玄関を飛び出していった。
2階の窓から手を振ると、その横に、自転車に跨る小さな僕の姿が見えた。

そういえば、僕も河口まで行ったことがあった。

あの日、気がつくと辺りがすっかり暗くなっていて、暗闇の中、焦りながらペダルを踏んだ。

自転車のライトの先に、迎えにきてくれた父の姿が見えたとき、ほっとして、涙が込み上げてきたのを覚えている。

父が家を建てる前、この場所には祖父の家が建っていたらしい。
あの頃、父も幼い自分と再会していたのだろうか。

思い出は、そうやって家族の中を巡っているのかもしれない。

日が落ちてきたら、迎えに行ってあげよう。

僕は、遠ざかっていく息子と幼い自分の背中を、
見えなくなるまで見送った。

物語を生んだ家

川の流れと山の稜線をのぞむ
リビングとひとつながりのバルコニーのある家

HOME 2愛知県Tさま邸
自然豊かな景色をのぞむ、Tさま邸の2階リビング。バルコニーで朝食をとることもあるという。

建て替えへの不安を払拭した、積水ハウスの提案

「正直なところ、建て替え前は不安のほうが大きかったかもしれません」と話すのは、5年前にご実家を建て替えたTさま。「父が建てた家で、僕も20年ほど暮らして思い入れもありました。敷地がそこまで大きくないこともあって、ここにいい家が建つのかなと心配でした」。

すぐそばに隣家があり、東側に迫る川の堤防には人や車が行き交う。そんな敷地への不安を期待に変えたのが、積水ハウスの1階と2階を水平方向にスライドさせて、2階にLDKをもってくるという提案だった。

外壁材の質感が映えるグレーの外観。2階洗面室のサッシが外観のアクセントになっている。
1階と2階を水平方向にスライドさせることで、駐車スペースを確保。玄関へのアプローチを植栽が彩る。

幼い頃の思い出が詰まった景色を堪能する

1階と2階をスライドさせることによって、1階では屋根のある駐車スペースが、2階では広いバルコニーが実現した。「奥行きのあるバルコニーのおかげで、リビングからは堤防やまわりの家は見えず、山の稜線と広い空だけが見えます」。バルコニーに出れば、幼い頃に釣りをした川が見える。「建て替えてから改めて、ここが自分の原風景なんだと感じるようになりました」。

インテリアは、「ホテルライクに」という奥さまの希望を反映して、モノトーンを基調としたスタイリッシュな空間に仕上げた。開放的かつ上質な空間が、日々の暮らしに安らぎをもたらしてくれる。

インテリアのテーマは、ホテルライク。ソファはテレビと眺望をともに楽しめるようL字型を選択。
ダイニングテーブルと、キッチンまでつながるカウンターを造作した。

3世代の思いを受け止める住まい

昨年息子さんが誕生し、3人家族になったTさま。「リビングで子どもが遊んだり、はいはいしたりする姿を見ると、子育ての面でも家を建ててよかったなと思います」と嬉しそうに語るTさま。今年の夏は、バルコニーにプールを出しての水遊びを計画中とのこと。

時々訪れるTさまのご両親も、建て替えを喜んでくれているという。「僕と同じように『ここにこんなカッコイイ家が建つんだ』と驚いていました」。

建て替えによって、一層愛着が深まったという原風景。これからは奥さまや息子さんとともに、この場所で豊かな思い出が紡がれていく。

階段室はLDKの中央にあえて配し、暮らしやすい回遊動線を実現。
階段室により、リビング・ダイニングとキッチンがゆるやかにゾーニングされている。
所在地
愛知県
家族構成
夫婦+子ども1人
、。