住まいの参観日35周年スペシャルサイト

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夫は時々立ち止まり、
そして、山頂をじっと見つめる。

進む道が正しいのか、
いま一度、自らに問い直す。

それは、彼にとってはとても自然なことで、
いつも足元ばかり見て山を登る私は、
時々、彼の背中に頭をぶつけてしまう。
そして、その度に、夫はあの人懐っこい顔で嬉しそうに笑う。

私たちは、こうしてよく山に登る。
登山は夫婦共通の趣味で、
休みの度に、気になっていた山々を巡る。

ふたりの趣味は登山だけではない。

私たちの家のガレージには、
登山道具の他にも、サーフボードやバイクがどれも2組ずつ並び、
次の休みには何をしようかと、その道具たちを眺めながら過ごす。

人から見れば、穏やかな暮らしに見えるかもしれないが、
これも、夫が選び直した道のひとつだ。

20代の頃、
彼は東京で働くサラリーマンだった。
険しい道を、
必死に駆け上ろうとするひとりの青年だった。

しかし、ある日、彼は立ち止まり、
そして、道を選び直すことにした。

「山頂に至る道はひとつではないしね」

私は、そんな当たり前のことを、
気付くとつい忘れてしまっている。
きちんと立ち止まる夫の背中に、私はよく頭をぶつけてしまう。

そして、その度に、
夫はあの人懐っこい顔で嬉しそうに笑う。

進む道が正しいのか、
いま一度、自らに問い直す。

それは、彼にとってはとても自然なことで、いつも足元ばかり見て山を登る私は、時々、彼の背中に頭をぶつけてしまう。
そして、その度に、夫はあの人懐っこい顔で嬉しそうに笑う。

私たちは、こうしてよく山に登る。
登山は夫婦共通の趣味で、休みの度に、気になっていた山々を巡る。

ふたりの趣味は登山だけではない。

私たちの家のガレージには、登山道具の他にも、サーフボードやバイクがどれも2組ずつ並び、次の休みには何をしようかと、その道具たちを眺めながら過ごす。

人から見れば、穏やかな暮らしに見えるかもしれないが、これも、夫が選び直した道のひとつだ。

20代の頃、
彼は東京で働くサラリーマンだった。
険しい道を、必死に駆け上ろうとするひとりの青年だった。

しかし、ある日、彼は立ち止まり、
そして、道を選び直すことにした。

「山頂に至る道はひとつではないしね」

私は、そんな当たり前のことを、
気付くとつい忘れてしまっている。
きちんと立ち止まる夫の背中に、私はよく頭をぶつけてしまう。

そして、その度に、
夫はあの人懐っこい顔で嬉しそうに笑う。

物語を生んだ家

自然体で暮らす
ガレージと土間のある家

HOME 7宮崎県Sさま邸
ガレージには登山用品のほか、バイクやサーフボードも並ぶ。すべてオープンに収納してあり、眺めるだけで心が満たされる。

趣味とつながる住まい

登山を中心に、幅広いアウトドアの趣味を持つSさま夫妻。「自然に身を浸していると心がリセットされて、自分が自分に戻れるような感じがするんです」と旦那さまは話す。目下計画しているのは、奥さまの出身地・愛媛県にある石鎚山の登頂。最終的には、世界でもっとも高い独立峰であるキリマンジャロにも登りたいと意気込む。

そんなご夫妻が求めたのは、アウトドア用品を納めるガレージのある平屋の住まいだ。「積水ハウスの軒の深い設計に惹かれて、建築を決めました」(旦那さま)。ゆとりある軒下空間に面した土間ダイニングの大開口からは、広い空と緑豊かな風景を一望する。

ガレージの隣にある土間ダイニング。床・壁・天井で異素材をミックスした仕上げは、落ち着いたトーンを選んで洗練された印象に。
Sさま邸の外観。軒裏は木調で、リビング・ダイニングの天井とも統一した。グレーの外壁とのコントラストが美しい。
登山に欠かせないバックパック。ご夫妻おすすめの九州の山は、大崩山だそう。「日本とは思えないほど、山容が逞しい。富士山にもアルプスにも負けていないと思います」(旦那さま)。

長く愛せるものだけを揃えた空間

お気に入りの道具が賑やかに並ぶガレージと対照的に、リビング・ダイニングはミニマルにまとめた。「シンプルに暮らしたいと考え、『何も要らない』と伝えました。二人の生活に必要で、これはずっと愛せるだろうなというものだけを揃えています」(旦那さま)。一方奥さまは、図書館のような壁一面の本棚を希望した。「市販の木材では長さや強度が足りなかったのですが、設計士さんのアイデアで構造用の梁を使って実現しています」。

住まいに馴染む木製家具は、自分たちの好みにあわせて旦那さまがDIYしたもの。「近所にある実家が農家で、大きな倉庫を持っていて。その一角を工房にしているんです」(旦那さま)。いちからつくった家具は愛着もひとしお。壊れても手入れしながら、長く使い続けるつもりでいる。

ダイニングとひと続きになったリビングは小上がりの板間に。家具を最小限にしたことで、面積以上にゆとりを感じる空間となった。
旦那さまがつくったテレビ台とレコードの収納棚。丁寧な塗装が施されており、まるでヴィンテージ家具のような味わいを醸し出す。
奥さまの希望を叶えて廊下の壁面に設けた本棚。本のジャンルは、小説、写真集から絵本まで幅広い。

立ち止まって見つけた新しい道

ご夫妻らしさを大切にした家づくりの背景には、家族の一大決心があったという。「今年21歳になる息子がいるのですが、コロナ禍で当時通わせていた高校が休校になって……。いろいろと考える中で、今後はお互いに好きなことをやってみようかと提案したんです。それで、息子は通信制の学校に転校、私は転職する道を選びました」(旦那さま)。

旦那さまは現在、酒樽をつくる企業に職人として勤めている。「チャレンジする背中を息子に見せたいと思い、未経験で入社しました。繁忙期が登山に最適な春先と重なるのが残念ですが、経験を積んで頼られる立場にもなり、日々とても充実しています」。

キッチンからダイニングを見る。扉は付けず、床も一体のタイル貼りとした。キッチンのそばに設けたデスクコーナー。奥さまが和裁をする時などに活躍している。
酒樽をコンソールテーブル代わりに。ワイヤレススピーカーやスマートフォンを置いている。
所在地
宮崎県
家族構成
夫婦
、。