知っておくべき、14のシカケ

モンテッソーリ教育って何?

モンテッソーリ教育とは、110年以上前にイタリアの医師で教育家のマリア・モンテッソーリ博士により考案された教育法です。
マリア・モンテッソーリは、子どもを観察する中で、子どもは必要な時期に環境から学んで、自ら育っていく力があることに着目し、その自発的な成長を助けるための教育法を確立しました。このような力を「自ら育つ力」と呼んでいます。

モンテッソーリ教育で大切にしている考え方
〜子どもには「自ら育つ力」がある〜

発達段階の中でも、0〜6歳の乳幼児期をモンテッソーリ教育では特に大切な時期と考えています。0〜6歳の乳幼児期の子どもには「敏感期」という「自ら育つ力」があります。

乳幼児期に子どもが適切な環境の中で自由に自ら学び、子ども自身が自ら体験することによってさまざまなことを吸収していくことが、のちの人生にも大きな影響を与えると考えられています。

大人が先回りして教えてあげたり、代わりにやってあげたりするのではなく、子どもが「自ら育つ力」を十分に発揮できる環境づくりを大切にしているモンテッソーリ教育。その基本的な考え方をご紹介します。

1. 子どもの人生の主体は、子ども自身

大人が教え込まなくても子どもは自ら立とうとし、歩き、考え、日々成長していきます。そのため、モンテッソーリ教育では、子どもが自ら育とうとする力を最大限発揮できるように、いつも「子どもが主体」と考えています。
 
大人は子どもに指示をしたり何かを教え込んだりする立場ではなく、子どもたちが育つ姿を見守り、サポートする役割。
 
生まれた時から大人がその子をひとりの人間として尊重し、自立しようとする姿を認め、対等な立場として寄り添うことで、子どもは安心感を得て自らを発達させていくことができます。

2. よく観察して、子どもの心を知る

親になるとつい平均的な発達の目安や親の理想を押し付けてしまいたくなることはありませんか?しかし、子どもが100人いれば100通りの成長があります。
 
そのようなことを考えた時に、大人がやるべきことは、周りと子どもを比べることではなく、目の前にいる“その子”をよく観察し、その子が求めていることや必要なことを見極めることです。
つまり、子どもを「観察」して、子どもの心を知ることなのです。
 
そして、その見極めた子どもの意欲・関心に基づいた環境や活動を取り入れていくことで、子どもは「やりたい」という気持ちをさらに感じることができます。
 
興味をもった活動に専念できることで子どもは、没頭する経験から集中力が育まれるだけではなく、自分の「やりたい」という気持ちから取り組むことで、達成感や喜びを感じることができます。
 
それは子どもの精神の安定にもつながりますし、このような経験が「ひとりでやりたい」「ひとりでできる」という自立への出発点となります。

3. 自立を助ける環境をつくる

子どもの自立は、適切な環境があってこそ育まれます。適切な環境とは、子どもがもっている「自ら育つ力」を最大限に発揮し、自分を発達させることのできる環境です。
 
さらには、必要以上に大人に頼らなくても「自分の力できることは自分で対応できる環境」も必要です。具体的には、子どもが使うものや場所が子どもにとって使いやすいか、心地よい空間かなどを大人が意識し、その時々の成長に見合った環境を整えていくことが子どもの成長を助けます。
 
また何かをするときには大人が決めるのではなく、子どもが自分で選ぶことを尊重することも大切です。「何を着るのか」「どんな遊びをするのか」など小さい頃から自分で考えて選ぶという経験を積み重ねていくことで、子どもの自己選択力や主体性の育みを助け、自立をサポートすることにつながり、自発的な行動ができるようになります。

4. 主体性につながるかかわりを

モンテッソーリ教育では、叱ってしつけることや必要以上に褒めることは必要ないと考えています。それは、「叱られるから」「親が喜ぶから」などの外発的な理由が行動の起点になることは、子どもの自立を妨げる要因になり得るからです。
 
「叱る」「褒めちぎる」ことで子どもの行動をコントロールするのではなく、「なぜ良いのか、悪いのか」という理由を「伝える」ことによって、子どもは自分で判断し、行動する力を育んでいくことができます。
 
また、結果ではなく行動やプロセスを認める声かけをすることで、自ら考え、主体的に行動することへのきっかけとなっていきます。

「子ども」・「大人」・「環境」の関係性

モンテッソーリ教育では、子ども・大人・環境の三つの要素を大切にしています。大人が一方的に何かを教える「大人主導の関係性」ではなく、大人は環境を整えることで子どもの育ちを助けていく存在。そして、意識的に子どもの成長に合わせた適切な環境を用意することがとても重要です。

さらに、大人は環境を整えることに加えて、子どもを観察して、あたたかいまなざしで、必要なかかわりをしていくことで、子どもは大人のそういった姿勢やまなざしを感じ取り、自らを発達させていくことができます。

大人も子どもも置かれた環境や場所によって、感じることや価値観は大きく変わります。特に乳幼児期は、ゼロから「自分」という人格を創る時期。その頃に経験した大人との会話やかかわりをはじめ、どんな環境の中でどんなものに触れ、何を吸収していくかは、人格形成に大きな影響を与えます。

子どもを軸にした空間づくりを長年研究してきた積水ハウスは、このモンテッソーリの考えに共感し、住まいづくりという環境づくりの中で、子育てをするすべての方にぜひ知っておいていただきたい「子どもが自ら育つ力」をサポートするポイントを当サイトでご紹介しています。

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