知っておくべき、14のシカケ

積水ハウス
河﨑由美子

小学生くらいまではリビングで勉強をする子も多いですよね。子どもは家族の気配を感じることで安心し、集中して勉強することができます。大人もちょっとした作業はリビングでできる環境があるとリビングがもっと居心地良くなります。

01 リビングで一緒に学ぶ楽しさを

小学校低学年の81.4%(積水ハウス調べ)がリビングで学習しているというデータがあります。リビングが勉強場所の定番になっている理由を子ども目線と親目線の両方から探ってみると、子どもは「わからないことを尋ねやすい」「淋しくない」「色々な話ができる」と答え、親からは「目がとどくから安心」「一緒に勉強できて宿題なども見やすい」「話しやすくて様子がわかる」といった声がありました。

子ども部屋があってもなくても、大人がいつもそばにいてあげられるリビングを勉強しやすい環境に整えておくことで、親子のコミュニケーションが増え、大人の姿を見て「自ら学ぶ力」も養われていきます。

そこで私たちは、LDKの一角に家族みんなで使えるデスクや収納スペースが一体となった場所を作ることをおすすめしています。

『ファミリーステーション』と呼んでいるこのスペース。座って作業できるデスクや、収納でありながら立って作業できる台にもなるスペース、対面式や並んで座れる長いデスクなど、家族のスタイルに合わせて、みんなでちょっとした作業ができる場所をリビングに作ることで、リビングでの過ごし方が増えます。食事のテーブルと分けることで、リビング学習をする子どももより集中できるようになります。

この写真の空間で、こだわったのは収納部分の高さ。ホテルの一般的なチェックインカウンターと同じ高さになっていて、大人が立って作業するのに最適なカウンターとして使うことができます。子どもを持つと、ちょっとした書き物や書類の整理が日常のあらゆる場面でたくさん発生しますよね。そんなときにこのカウンターがちょうどいい機能を発揮してくれます。

小学校高学年の子どもの実験でも15分程度の勉強や作業ならスタンディングスタイルの方が、脳が活性化して集中できるという研究データもあります。その時々で立ったり座ったり、家族みんなでテーブルを使い分けることができます。

子どもが宿題をしたり絵を描いたりしている横で、大人がメモや連絡帳を書いたりと、大人が子どもの様子を見やすい距離感で、親子の対話が増え、親近感や一緒に学べる感覚が持てる空間。一緒に学ぶ楽しさは子どもの知性や社会性を発達させます。

モンテッソーリ教師
あきえ先生

子どもが「見守ってもらっている」と感じられる環境は、「自分でできる」を助ける空間です。『ファミリーステーション』は子どもが「自分でやりたい」と思ったときに、自らデスクに向かって勉強でき、集中しやすい環境が整っていて、自立心が育まれます。