知っておくべき、14のシカケ

乳幼児睡眠コンサルタント・愛波あやさんにお話を聞きました。

愛波 あや

2014年に米国IPHI公認資格(国際認定資格)を日本人で初めて取得。現在は2人の男の子の子育てをしながら、ニューヨークと日本で子どもの睡眠に悩む親たちをサポートしています。睡眠・子育て・教育についてなんでも質問に答えてくれる『愛波子育てコミュニティ』をオンラインにて開催中。
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大人にとっても子どもにとっても大切な生活の基盤であり、家の中で過ごす時間の多くを占める「睡眠」。小さな子どもを育てているとき、自身の寝不足や子どもの寝かしつけなど、多くの人が睡眠の悩みを抱えています。

日本人初の乳幼児睡眠コンサルタント・愛波あやさんのところには、「睡眠トラブルを解消したい」「子どもも自分もぐっすり眠って健やかな毎日を送りたい」といった声が日々たくさん集まってきます。これまで10万人以上の寝不足の親たちを救ってきたという愛波さんに、改めて子どもの成長における睡眠の重要性、良質な睡眠を得るためのコツや、睡眠にまつわる空間づくりのヒントを伺います。

01 忙しい共働き夫婦が子育てで抱える眠りの課題

私が睡眠コンサルタントを始めた10年前と今とでは、子どもの睡眠に対する意識や取り巻く状況はすごく変わりました。たとえば、10年前は『ねんねトレーニング』という言葉自体ほとんど知られていませんでしたが、今では「“ねんトレ”をやりたいんです」といらっしゃる方が増えました。

それはやはり共働き夫婦が増えたことがとても大きいと思います。夕方バタバタと仕事を終えて子どもを迎えに行き、夕食にお風呂、そのほかの家事もこなしながら自分は座るヒマもないくらいなのに、寝かしつけに1〜2時間かかってしまったら、親はあっという間に疲弊してしまいます。

子どもと一緒に寝落ちしてしまい、夜中に起きて家事や持ち帰ってきた仕事を片付けて・・・というパターンもよくありますが、そうやって大人の睡眠が分断されてしまうことに、子どもの睡眠と同じくらいの課題を感じています。

「シャンパンタワーの法則」と私は呼んでいるのですが、ママやパパがしっかり睡眠が取れて、体調が良く、ポジティブに育児や家事、仕事に取り組める状態をまず作ること。子どものより良い睡眠と成長につながるスタートはそこにあると思っています。

02 まずは、子どもの睡眠の質をチェック!

生後4ヶ月ころから1歳2ヶ月ころまでの赤ちゃんであれば、約12〜15時間、1歳3ヶ月ころから3歳ころまでは約11〜14時間の睡眠を取ることがまず目安になります。そして、夜にしっかり質の良い睡眠を取ることが何より大事です。

睡眠は離乳食などの食生活にも大きく関わります。頻繁に夜泣きをする赤ちゃんは、おっぱいやミルクを夜中に飲めばいいと思っていて、昼間の離乳食はあまり食べないということがあったりします。夜にしっかり寝る習慣のある赤ちゃんは、お腹いっぱいになるタイミングが昼間しかないので、日中の離乳食やミルクをしっかり摂るんです。

睡眠が子どもにどんな影響を与えるのか、というのはさまざまな研究を通して実証されていますが、十分な睡眠が取れている子は、やはりいつも機嫌が良いです。集中力も保ちやすいので学習能力のアップにもつながりますし、ケガもしにくいです。癇癪ぎみで悩んでいた子も、ねんね改善をすることで癇癪が改善されたということはよくあります。

また、ある程度夜通し寝られるようになるとちょっと安心しがちですが、今一度、お子さんの睡眠の質をチェックしてみてください。