知っておくべき、14のシカケ

03 あなたのすてきなところはね

(作: 玉置 永吉/絵: えがしら みちこ/出版:KADOKAWA)
おすすめ年齢:3歳~

何人かの子どもが登場し、それぞれに「あなたのすてきなところは……」と伝えていくストーリーが展開されるのですが、この本の良さは、最後に本を贈る相手(子ども)の素敵なところを書き込めるスペースが用意されている点です。絵本を贈るのと同時に、「ここにいてくれてありがとう」「あなたはあなたのままで、すでにすばらしいよ」という自己肯定感や愛情も一緒に贈ることができます。

本の中に登場する子どもたちもいろいろな個性を持っています。そのどれもが肯定されるべきであることを、子どももきっとこの本を通して感じ取ってくれると思います。

04 せかいの「ありがとう」 (せかいのあいさつ)

(作:こが ようこ/絵:下田 昌克/監修:岡本 啓史/出版社:童心社)
おすすめ年齢:3歳〜

ファンタジーの前に現実世界を知ろう、というお話を最初にしましたが、この本はさまざまな言語の「ありがとう」を通して、「どうやら地球という場所にはいろんな国があって、自分とは違う言葉を話す人がいるらしいぞ」という現実に触れていきます。子どもが自分の世界を広げていくのにとても役に立つ一冊です。

クリスマスはそもそも海外からやってきた文化ですし、この時期は世界に目を向けるのにすごく良い機会です。本の中に登場する国は子どもたちにとっては訪れたことのない、聞いたことのない国ばかりだと思いますが、「○○ちゃんのお父さんはこの国の出身だったよね」や「いつも食べているあのメニューはこの国で生まれたんだね」など、絵本と日常を結びつけながら読めるとさらにいいですね。

05 チャイコフスキーのくるみ割り人形 (音のでるしかけえほん)

(作: ケイティ・フリント/絵: ジェシカ・コートニー・ティックル/訳: 中井川 玲子/出版社: 大日本絵画)
おすすめ年齢:0歳〜

最後に、クリスマスらしい絵本ということで、クリスマスイブの物語であるこの本をオススメしたいと思います。モンテッソーリ教育の考えている“現実に即している”とは少しずれますが、4歳ころから現実と物語とが区別できるようになると、より楽しむことができます。

ページにあるボタンを押すと、場面に合わせて有名な「くるみ割り人形」のバレエ音楽が流れるのですが、その音楽が仕掛け絵本のレベルを超えていて、とても本格的なところが気に入っています。子どもはきっと、喜んで何回もボタンを押してしまうのではないでしょうか。しかも、装丁がとても豪華なのでプレゼントにぴったりです。子どもが大きくなったあとも、クリスマスの思い出と共に飾っておきたくなる一冊です。