今年もまもなく桜の季節がやってきます。この時期は、卒園や入学にあたらない親子でも、クラス替えがあったり、担任の先生が変わったり、環境に変化が訪れるタイミング。楽しみな気持ちと同時に、子どもたちはどうしても気持ちがソワソワして落ち着かず、それが不安につながってしまうこともあるかもしれません。

そんなワクワク・ドキドキだけではない季節。新しい毎日をスタートする時に、そっと不安に寄り添ってくれる絵本や、親子でワクワクを共有できる、春におすすめの絵本を5冊選びました。

モンテッソーリ教師
あきえ先生

子どもが不安を抱えているとき、大人はポジティブになってほしくて、つい「大丈夫だよ」と言ってしまいがちですが、まずは大人がその気持ちを受け止めてくれると、子どもの不安は安心に変わり、そういう気持ちも表に出して伝えていいんだな、という信頼にもつながっていきます。
何が不安なのか、どこからその気持ちが生まれてくるのか、どうしたら大丈夫になりそうか。まずは子どもの気持ちをよく聞いて、サポートしてあげてくださいね。

01 ほいくえんのいちにち

(文:おか しゅうぞう/絵:かみじょう たきこ/出版:佼成出版社)
おすすめ年齢:3歳〜

この本では、保育園で過ごす1日が朝から夜まで描かれていきます。描写がとても細かく、ていねいに描かれている絵本なので、保育園で過ごす1日がどんな時間なのかを具体的にイメージできると思います。入園前、子どもが不安を感じる大きな要因のひとつは、保育園という場所がどんな場所なのか、どんなふうに過ごすのかが分からないことです。

この本を通して「4月からこういうところに行くんだよ」と伝えて、保育園がどんな場所なのか少しずつ理解を深めながら少しでも楽しみが芽生えるといいなと思います。家庭以外にも先生という安心できる存在がいて、おともだちもいて、泣いても受け止めてくれる人がいる。そんなことが伝わるのではないでしょうか。

02 6さいのきみへ

(文:佐々木 正美/絵:佐竹 美保/出版:小学館)
おすすめ年齢:5、6歳ごろ

幼稚園や保育園を卒園する6歳。乳幼児期が終わるのは、大人にとっても子どもにとっても大きな節目ですよね。そんな時期に、この絵本をきっかけに写真や動画を見返しながら、ぜひ、ここまでの6年間を振り返ってもらえたらと思います。

生まれてから6歳までの間は、できることが1番増える時期だと思います。でも、子ども自身は覚えていないことも多いので、「赤ちゃんのときにこんなことがあったよ」とか「こんなに小さかったんだね」と、この本を読みながら話してみても良いと思います。

小学校へ進むにあたり、親も子も不安を感じることがあると思いますが、この本は“こんなふうにいろんなことを経験してきたのだから、きっと大丈夫”という気持ちを後押ししてくれるはずです。