知っておくべき、14のシカケ

子どものココロ

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知っておくべき14のシカケ

モンテッソーリ教師
あきえ先生

赤ちゃんが産まれる前に知っておきたい、環境づくりにおけるモンテッソーリ教育の考え方をお伝えします。

01 赤ちゃんが健やかに育つための4つの空間

出産が近づいてきたら、ベビー服やおむつ、育児グッズなどを買いそろえたり、少し広い家に引越したりと、赤ちゃんを迎える準備をしますが、赤ちゃんが過ごす場所をどんな空間にしたら良いのでしょうか。

モンテッソーリ教育では、「睡眠」「食事(授乳・離乳食)」「お世話(おむつ替えやお着替え)」「活動(遊び)」の4つのコーナーを作り、いつもの場所で同じことをする習慣をつけることをおすすめしています。それはなぜかというと、整えられた空間で、同じ環境の中でいることが赤ちゃんの「安心」につながるからです。

おなかの中から出てきた赤ちゃんにとって、すべては未知の世界。その中で少しずつ積み重ねられる小さな“いつも同じ”が安心感をつくり出し、その安心が溜まっていくことで適応力がつきます。

02 赤ちゃんに話しかけるときは、“大人と話す言葉”で

まだ言葉が分からない赤ちゃんでも、4つのコーナーで別の場所へ移動するときや何かをするときには、事前に声をかけましょう。「今からオムツを替えようね」「おなかが空いたね、ここで授乳をするね」など声をかけて繰り返していくと、子どもは「ここに来たということは着替えるのかな」となんとなく理解していくことができます。

大人でも、たとえばケガや病気で寝たきりの状態のときに、何も言わずにいきなり服を脱がされたりしたら、びっくりしますよね。赤ちゃんも同じです。大人・子どもは関係なく、人として尊重するという気持ちをもって接することは、子どもの安心感にもつながります。

0〜3歳の赤ちゃんは“吸収精神”という環境から何でも吸収する力によって、いろんなことをインプットしている時期で、スポンジのように何でも自分の中に吸収してしまいます。スポンジが黒色の水を吸ったら黒色に、赤色の水を吸えば赤くなるように、子どもは吸ったものを材料に自分の人格を形成していきます。言葉もまさにそのひとつ。ひとりの人間として対等にかかわる姿勢を持ち、豊かな語彙・表現を心がけて、「〇〇でちゅね」のような赤ちゃん言葉ではなく、正しい言葉遣いで話しかけましょう。