知っておくべき、14のシカケ

子どものココロ

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知っておくべき14のシカケ

モンテッソーリ教師
あきえ先生

0歳児は泣くことや声出すこと、好きな場所に行くだけでも新しい発見があり、自由があることで学び、 成長することができます。

01 子どもに任せる勇気がもてる環境を整える

子どもは、誰かが教えなくても寝返りして、お座りして、つかまり立ちをして、自分の足で歩き始めます。このように子どもは“自立”に向かって、自らを発達させていくことができます。とくに0〜3歳は「自分が自分になるのを手伝ってね」と子どもは願っていて、“自分=個”の基礎を築く時期。湧き上がるエネルギーのままに動くこの時期は、危険と隣り合わせでもあります。では、大人はどう向き合えば良いのでしょうか。

大人がもつべきことは、子どもに任せる勇気です。“見守り”とも言えますが、意識してほしいのは、子どもから失敗する機会を奪わないことです。失敗する前に家の中の危険なものをすべて排除してしまっては、学びの機会を失ってしまいます。そうしないために、子どもが「安心して冒険できる環境」を大人が用意してあげることが大切です。

たとえば、子どもを柵で囲って動きを制限するのではなく、場所を囲うことで子どもを守りながら自由に動ける場所を確保することができます。キッチンにベビーゲートを取りつけた場合、ゲートの外には子ども用に小さなテーブルなどを置き、「ここでしめじを割いていてね」などとキッチン側に行かなくても参加できる環境をつくってあげると、子どもは自由に手を動かすことができます。制限があるからこそ自由を保証することができ、子どもはその自由の中で自立していくことを覚えていきます。

02 「守ること」と「制限すること」の違い

日々、SNS上では育児のさまざまな観点において「気をつけて」「注意して」と、専門家などからアナウンスされることが多いので、リスク管理の意識は年々高まっています。たしかに、子どもを守るための安全に勝るものはありません。しかし、情報がたくさん入ってくるがゆえに、「これくらいであれば大丈夫」という許容範囲が狭くなってしまっている現状もあります。

特に、小さな子どもが集まる保育園や外の世界では、ちょっとした危険でも回避するための対策が必要な場合はあります。ただ、それと引き換えに、子どもの経験が阻害されてしまっている可能性を考えることも必要です。

だから、せめて家庭では、リスク管理以上に“自分の力でできる”環境を整えることを考えてほしいです。先回りしたり、子どもの居場所を制限しすぎたりせず、大人が心に余裕をもって子どもと向き合えたら、それは子どもにとって何よりも自立のために必要な自信を育むことにつながります。

階段を上る・下りる、扉を開ける・閉める、踏み台にのぼり手を洗う、オムツを取ってくるなど……。大人の助けを待たなくても、自分でアクションを起こせるようになれば、自主性が育まれます。

たとえ小さな失敗をしたとしても、それは学びになります。思いきりやって大丈夫なんだ!この家なら安心だ!と日々繰り返していく中で環境への信頼が積み重なれば、子どもはもっと冒険したくなり、好奇心や感性を育みながら自立していきます。

積水ハウス
河﨑由美子

積水ハウスには、子どもを危険から守る120以上のユニバーサルデザインがあります。それらを家の中に散りばめれば、欲しかった安全・安心が手に入ります。そうすれば大人の心にも余裕が生まれ、子どもが自由になる背中を押せるのです。自分でできるようになっていくためのデザインを取り入れて、安全な住まいで危険も楽しさも学びながら成長してほしいですね。
▶こちらの記事で詳しくお話ししています。
安心だから冒険できる仕組み

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