知っておくべき、14のシカケ

03 子どもをよく観察して、成長に見合う環境を整える

モンテッソーリ教育では、家はくつろげる空間があることを大前提とし、子どもの成長に合わせて家の環境も変化させていくことをとても大切にしています。環境を変化させる、もしくは環境を整えるとは具体的にどういうことかというと、子どもの“今やりたい”が叶えられるものを用意することです。

それに気づくためには子どもをよく観察することが大切です。たとえば、赤ちゃんが何度もティッシュを引っ張るなら、“引っ張る”動作が経験できるようなものを用意してみたり、子どもが保育園で描いた絵を飾りたいと思っているなら、そのスペースがちゃんとある状態をつくってみたり。やりたい気持ちがあるのに環境が整わなければ、エネルギーを外に出すことができず不満足なまま心が萎んでしまいますが、もし経験できたなら、満足感が得られ、自信がつき、自主性も育つのです。

0〜3歳の子どもは自分になるのを手伝ってほしい時期、3〜6歳は自分でできるように手伝ってほしい時期、さらに児童期は自分で考えることを手伝ってほしい時期。年齢・発達によって“手伝ってほしい”の内容は違っても、親にすべてをやってもらうのではなく自分でできる環境と、その見守りがほしいと子どもは思っているのです。ゴールは人間として自立していくことです。成長に気づき、いかに空間と環境で助けることができるか、可変性を持たせる家というのは、そういう意味で重要だと思います。

積水ハウス
河﨑由美子

子どものやってみたいという気持ちが芽生えるためには、大人の見守りと環境を整えることが大切ですね。子どもが自分でコーディネートできる「イドコロ」を準備しておくことで、部屋への愛着が生まれ、知性や社会性も育むことができます。
▶こちらの記事で詳しくお話ししています。
子どもの自主性が育つ部屋づくりの秘訣

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