知っておくべき、14のシカケ

子どものココロ

04

知っておくべき14のシカケ

モンテッソーリ教師
あきえ先生

イヤイヤ期をうまく乗り越えるひとつのコツは、子どもの成長段階を正しく知ること。
イヤイヤ期に有効な声かけや習慣づくりにおいても具体的な工夫・ポイントをお伝えします。

01 そもそもイヤイヤ期とは?

0歳から4歳までの子どもは“秩序の敏感期”といって、自分の中に“当たり前”を構築している時期にいます。「いつもと同じ道が良い」という順序、「お母さんとやる」という人、「この場所が良い」という場所など、これらにこだわりをもつことも、秩序の敏感期だからです。

とにかく「イヤ!」と子どもが主張する理由は、子どもに自我が芽生えているからなのです。「私は私なんだ」「僕は僕なんだ」という自分の存在に気がついて、自立に向かって進んでいるサインです。

みなさんは、大人が子どもを育ててあげていると思っていませんか。モンテッソーリ教育では、子どもも人格を持ったひとりの人間として接することを大切にしています。子ども扱いせずに、ひとりの人として対等に関わってあげてください。その姿勢は、子どもの自我を満たしてあげることにつながりますし、子どもが大人の話を聞こうとする心の扉を開きます。

02 モンテッソーリ流イヤイヤ期の声かけ

この時期の子どもは自我を使いたいので、大人は子どもに対して「子どもにも意志がある」ということをまず理解することが重要です。子どもは誰が尊重してくれる大人なのかを敏感に感じとっています。

泣いているとき、不機嫌になっているときには、まず「まだ遊びたかったんだよね」「これが食べたかったんだよね」など、子どもの気持ちを受け止めましょう。そうすることで、子どもは「わかってくれた」とどこかで安心することができます。もちろん、すべてのイヤイヤを叶えればいいわけではありません。まず気持ちを受け止めた上で、「でも、叩くと痛いからやめようね」など、してはいけないことを線引きするようにしましょう。

具体的なシーンで言えば、イヤイヤ期の代名詞「歯磨き」。とにかく意志を示したいのがこの時期の特徴ですので、まず大人から選択肢を提示して、自分で決めさせてあげましょう。やるか、やらないかではなく、やる前提で「自分でやる?お母さんが手伝う?」と声をかけてみるのがおすすめです。「ここでやる?あっちで座ってやる?」なども良いですね。ポイントは、どちらを選択しても「それはできない」と否定することのない選択肢にして、自分で決めたという認識をもってもらうこと。自己決定権は、幸福度にも影響を与えていると言われています。小さな頃から自分で決めることは、主体性を育てることになるのです。