知っておくべき、14のシカケ

03 子どもの心理的安全性を確保する

日々子育てをしていると、泣いたり怒ったり癇癪を起こしたり、子どもの感情に疲れてしまうこともありますよね。でも、そんな子どもの姿は、”この人だったら自分を受け止めてくれる”という安心感があるからこそ見せる姿なのです。このように子どもが自分のいる環境やコミュニティに抱く安心感を「心理的安全性」と言います。心理的安全性が確保されている家庭があることで、子どもは自己肯定感を育み、自分らしさをのびのびと発揮することができます。

子どもの心理的安全性を確保し続けるためには、まず、大人が「あなたのことを無条件に信頼し尊重するよ」という態度を示すことが大切です。たとえば何かを決めるとき、選択肢を与えて子ども自身が選べるようにしましょう。子どもが癇癪を起こしていたら、まずは「怒っているんだね」と気持ちを受け止めます。自分の存在意義を実感でき、どんな姿も尊重してもらえるという安心感は、日々の些細なやりとりから生まれていきます。

そんな関わりをするためには、大人の心が満たされていることが必要不可欠。大人も自分の好きなことでリフレッシュをして、自分自身を大切にできると良いですね。そして、子どもが感情をぶつけてきたときも「この子にとって安心できる場所を提供できているんだ」と捉えることで、気持ちが少し楽になるかもしれません。

04 気になる、知りたい、やってみたい!を育む環境を整える

心理的安全性が確保され心が満たされた子どもは、自分の好奇心が広がっていきます。モンテッソーリ教育では、子どもが自らを発達させることができる環境がとても大切だと考えています。「気になる」「知りたい」「やってみたい」と自分の内側から湧き出る興味や関心、意欲によって、それらに取り組める環境を整えることで、子どもはどんどん自分らしさを伸ばしていくものです。園など特別な場所だけでなく、家の中でもできることはたくさんあります。

たとえば子どもの手が届くところに家族の本棚を作ると、子どもも大人も生活の中に“学び”を自然に取り入れやすくなり、新しい興味関心が生まれるかもしれません。小さな空間は集中しやすいので、階段下などのスペースを子どものための空間にすれば、好きな遊びにとことん熱中する手助けになるでしょう。限られたスペースの中でも、家の中にモンテッソーリ教育のアイデアを取り入れることで、子どもの育ちが豊かになっていくはずです。

積水ハウス
河﨑由美子

私たちも家の中にある階段下やロフト部分など家の中の小スペースは子どものために有効活用することをおすすめしています。そこは楽しい隠れ家空間や自分だけの特別な基地になり、時にはひとりになって自己反省や落ち着きを取り戻す場にも。自分らしく過ごせる多彩な居場所が、子どもたちの豊かな感性と身体の発達を促します。
▶こちらの記事で詳しくお話ししています。
小スペースは、子ども空間に

読んだシカケカード一覧へ

1 14