知っておくべき14のシカケ
あきえ先生
食べることは生きること。子どものための道具や環境を少し整えるだけで、食に対して主体的にかかわれるようになります。
INDEX
01 一緒に作って一緒に食べる。自信も社会性も育む豊かな時間
食べることは生きること。大人が準備したものを子どもに食べさせるだけではなく、作って食べて片付ける、その一連の行為に参加することで、子どもは食に対して興味を持ち、主体的にかかわるようになります。
子どもは大人のすることを同じようにしたがるものです。「お手伝いしたい!」「やってみたい!」の気持ちが溢れているときがチャンス。子どもにもできる作業を「あなたの役割はこれだよ、よろしくね」とやってみてもらいましょう。まだ道具の使えない小さな子どもには、レタスをちぎるなどの簡単な作業がおすすめです。
キッチンのそばに小さなローテーブルを置けば、危険を回避して安心・安全な環境で子どもにも調理に参加してもらえます。いびつな形になるかもしれないけど問題ないよ、という大らかな気持ちで子どもに任せてみましょう。「自分にもできた!」という成功体験は自信や自立心の源となります。
そして、できた料理をみんなで食べるのは何より豊かなコミュニケーションの時間。食を中心に人が集まる環境、空間を共有して対話する文化を日々体験していくことで、感性も社会性も育まれていきます。
02 成長につながる本物の体験は、本物の道具から
キッチンには、火や包丁など、子どもにとって危険な物がたくさんあります。ケガをするおそれのあるものは「包丁は大人と一緒にいるときに使おうね」などの約束が守れる年齢になってきたら、ぜひ子どもにも本物の道具を使わせてあげてください。
たとえばぜんぜん切れない子ども用包丁や、割れないプラスチックコップばかりを使うことはおすすめしません。切れない子ども用包丁だと無理な力を使って逆にケガにつながりやすいですし、包丁は切るための道具で切れ味が良いのは当然です。それが安全に使えないなら、まだ包丁を使える時期ではないということなのです。包丁は切れるもの、ガラスは割れるもの、火は熱いもの。大人と共に本物を使い、ときには小さなケガも許容しながら実際に体験していくことで、扱い方や自分の身を守る術を体得していくのです。
その際、道具のサイズは子どもに合ったものにしましょう。大きすぎる包丁やコップ、重すぎる鍋は子どものやりづらさつながり、道具が合っていないことが原因で「できなかった」という失敗体験につながってしまいます。さらに大きなケガや事故につながることも。子どもの「できた!」を助ける環境を心がけましょう。
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