知っておくべき、14のシカケ

03 生活の中で遊びながら成功体験を積んでいく

生活の中から学ぶという意味では、家事や家の中のことに子どもが参加できるようにするのはとても良いことです。モンテッソーリ教育では子どもの「自ら育つ力」を発揮させる環境として「日常生活の練習」「言語教育」「数教育」「感覚教育」など、いくつかの教育分野があります。その中でも人格形成に大きな影響を与えると言われているのが、「日常生活の練習」という分野です。どのような活動をするかというと、手を洗うなどの自分の身の回りのこと、洗濯やお料理など大人がやるような家事のようなこと、さらには瞑想なども入っています。

家事は大人が自分でやってしまう方が早いので、子どもにお手伝いをさせるのはけっこう大変で、大人の心と時間に余裕がないと難しいですが、コツとしては、子どもができるところから“部分的”に子どもに託す、ということです。最初から最後までできるようになってからやってもらうのではなくて、できるところから託していきましょう。

たとえばごはんのとき、みんなのごはんをよそって運ぶのは難しいかもしれないけれど、カトラリーを並べるのはできそうだったらそれをお手伝いしてもらうようにします。お花の手入れも、お水をあげるのは難しくても葉っぱを拭くのだけは全部やってもらうなどです。水をこぼしたり、失敗したりすることもあると思いますが、そこは何とか許容し、子どもが自分自身でリカバリーできるように、近くに布巾などを置いておき、失敗しても修正することで“できた!” へ上書きできる環境に。そうすることで生活の中で遊びながら好奇心を育て、成功体験を積んでいくことができると思います。

積水ハウス
河﨑由美子

家は、生活すること、生きること、をたくさん学べる場所。家の中で遊びながら学ぶために、例えば、小さくても良いので子どものために庭は作った方が良いとおすすめしています。大切なのは大きさではなく“子どもがかかわれる場所”があることです。
▶こちらの記事で詳しくお話ししています。
庭が教えてくれる生命のこと

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