防災住宅
積水ハウスが考える防災住宅「グリーンファースト ゼロ(ZEH)」
気候変動により大型化する台風などの自然災害。これからの住まいは、より大きな安心・安全を確保することが必要です。グリーンファースト ゼロは、建物の強さはもちろん、「省エネ」「創エネ」「蓄エネ」を備えることで、災害時でも安心の暮らしを実現します。
これからの防災対策には災害に耐える社会と住まいの新しい視点が求められています
省エネ・再エネの推進
今世紀末までの温度上昇を2℃以内に抑え、2050年までにCO2排出ゼロの世界を目指します。
自然災害への耐力強化
レジリエンス・ZEH+R※1・BCP※2 etc.
海水温の上昇(熱は海に蓄えられる)で勢力を増す台風や、増える豪雨、海面上昇に備えます。
※1:「ZEH+R(ゼッチプラスアール)」とは、「ZEH」の基準をクリアしつつ、大停電の対策として太陽光発電で電気が供給されたり、あらかじめ蓄電池に電気を貯めておける設備を備えたもの。
※2: BCP(事業継続計画)とは、企業が災害や事故による被害を受けても、重要な業務が中断しない、または中断しても短い期間で再開できるように、あらかじめ準備を行い、計画を策定しておくこと。
防災住宅には、3つの時間軸での対策が必要だと積水ハウスは考えます
1. 生活空間の確保(災害発生時)
災害発生時に身の危険を守るため、建物の強度を高め生活空間を確保します。
確実な耐震性確保
(耐震等級3以上標準※3)(耐風等級2以上標準※4)
耐震設備・仕様
2. 水・食糧の確保(災害発生後3~5日間)
災害発生後に物流が途絶えても最低3日間は生活を維持できる水や食料、さらにトイレ用水を確保する雨水タンクを用意します。
食品庫
耐震雨水タンク
3. 電力の確保(1週間〜数カ月)
停電から復旧までの間、自分でエネルギーをつくり、蓄え、生活が維持できる「省エネ」「創エネ」「蓄エネ」を組合せた災害時でも安心できる住環境を提案します。
創エネルギー(発電)
蓄エネルギー(蓄電)
※3:耐震等級とは、地震に対する建物の強さを表す等級で、耐震等級3は、等級1の1.5倍以上の耐震性能。震度6強~7の地震でも、軽い補修程度で住み続けられるレベルです。地域により仕様は異なります。
※4: 耐風等級とは、台風などに対する建物の強さを表す等級で、耐風等級2は、等級1の1.2倍以上の耐風性能です。
※5:ガス・水道が使用可能な場合。
台風などの自然災害による停電復旧までの5日間、持ちこたえることが目安と考えています
地球温暖化の影響で海水温が上昇し、海上で発生する台風は大型化。その被害も地球規模で増しています。災害の度に被災地では避難所が不足していたり、自宅が被災を免れたとしても電気・ガスなどのエネルギーが途絶えることがあります。だから、電気の完全復旧までの長い時間を、自宅で生活できる住まいの実現が求められます。
2018年9月4日
台風21号
関西電力管内だけで
約2,400,000戸 停電
- 99%復旧まで
- 5日間
完全復旧までの期間10日間
(地区による)
2018年9月30日
台風24号
中部電力管内だけで
約1,190,000戸 停電
- 99%復旧まで
- 3日間
完全復旧までの期間6日間
(地区による)
2019年9月9日
台風15号
東京電力管内で
約930,000戸 停電
- 75%復旧まで
- 5日間
完全復旧までの期間14日間
(地区による)
2019年10月12日
台風19号
東北・東京・中部・
北陸・関西電力管内で
約520,000戸 停電
- 98%復旧まで
- 3日間
完全復旧までの期間7日間
(地区による)
※ 2019年10月17日の経済産業省公表資料より
災害時のエネルギー確保に、3電池の組み合わせが注目されはじめています
太陽電池
蓄電池
燃料電池
- 電池なし
安心※6して使用できる機器の目安:0W
- 1電池
太陽電池(発電)
最低限の電気が使用できる
天候に左右される
安心※6して使用できる機器の目安:600W(昼のみ)
- 1電池
安心※6して使用できる機器の目安:500W
- 2電池
安心※6して使用できる機器の目安:1,000W(日中)350W(夜)
- 2電池
自立分電盤により、太陽電池、燃料電池の電力を普段のコンセントで利用できます。また、一部の天井照明も使用できます※7。
安心※6して使用できる機器の目安:1,000W(日中)350W(夜)
- 2電池
日常に近い暮らしが可能
安心※6して使用できる機器の目安:1,500W
- 3電池
安心※6して使用できる機器の目安:2,000W
使用可能
使用不可
使用できる家電製品(電力)の目安条件 ●冷蔵庫 500ℓ(霜取時最大電力) ●液晶テレビ 50in ●スタンド照明(LED×2灯) ●照明(LED×5灯) ●スマホ充電(2台) ●扇風機(中運転) ●風呂・シャワー(エネファーム) ●洗濯機(洗濯時) ●エアコン 200V
※6:消費電力が供給電力を少しでも超過すると電気は止まります。利用できる最大電力に対し余裕を持つことで安心して利用できます。
※7:設計時に選定しておいたコンセントが使えます。
※8:エコキュートの場合は使用できません。
※9:蓄電システムの種類により稼働できるエアコンの機種が異なります。
それぞれの特性を活かした3電池システムで、昼間も夜も、便利に、安心に
使用する電気の優先順位は、特別な操作なしで自動制御されています。
3電池システムの電力使用の優先順位
停電時の日中
1. 燃料電池
2. 太陽電池自家消費
3. 太陽電池余剰分を蓄電池に充電
4. (日没や悪天候になると)蓄電池から放電
日常時は1〜4で足りなくなったら
5. 電力会社から購入
3電池システムの電力使用の優先順位
停電時の夜
1. 燃料電池
2. 蓄電池から放電
日常時は1 、2で足りなくなったら
3. 電力会社から購入
※基本的に蓄電池は太陽電池の余剰電力が無くなると放電開始。また充電と放電は同時にできません。
※3電池システムの場合燃料電池の電気を優先的に使うので、余裕を持って蓄電池に充電できます。