サービス付き高齢者向け住宅を新築又は取得した場合、土地・建物の不動産取得税の減額措置の適用範囲の拡大や固定資産税の5年間軽減の税制上の特例の適用を受けることができます。
ただし、サービス付き高齢者向け住宅の登録を受け、建設補助金の交付を受けた場合に、必ずこれらの特例の適用を受けることができるわけではありませんので、留意する必要があります。
(1)不動産取得税の特例
サービス付き高齢者向け住宅の新築等については、不動産取得税の減額措置の適用範囲を拡大する特例があります。もともとのこの減額措置の適用要件は、貸家住宅の場合、床面積40m²以上とされていますが、次の表のようにサービス付き高齢者向け住宅に係る特例として、最低床面積を30m²以上まで拡大することされています。
要件 | 床面積 | 1戸当たり 特例 30m²以上160m²以下(共用面積を含めて判定) |
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建物要件 | 取得の日前に一定の要件を満たす新築のサ-ビス付き高齢者向け住宅の登録を受けたことを証する書類を添付して都道府県に申告がされた場合(戸数10以上のもの) | |
取得要件 | 令和7年3月31日までの新築等 国又は地方公共団体から建設費補助を受けていること |
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軽減額 | 1戸当たり1,200万円を課税標準から控除 |
要件 | ①と同じ |
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軽減額 | 次のいずれか多い方の金額を税額から控除 イ.4万5,000円(=150万円×3%) ロ.土地1m²の評価額×1/2×住宅の床面積の2倍(200m²が限度)×3% |
(2)固定資産税の軽減措置
新築のサービス付き高齢者向け住宅のうち次の要件を満たすものについては、1戸当たり120m²を限度に最初の5年間の固定資産税額を、2分の1以上6分の5以下の範囲で市町村が条例で定める割合で減額することとされています。
国又は地方公共団体から補助金を受けていること | |
戸数10以上のもの | |
1戸当たり床面積30m²以上160m²以下(共用面積を含めて判定) | |
令和7年3月31日までの新築等 |
また、サービス付き高齢者向け住宅はまさに住宅ですので、その敷地にかかる固定資産税については住宅用地となります。その敷地1戸当たり200m²まで固定資産税の課税標準が6分の1に、都市計画税の課税標準が3分の1にそれぞれ減額されます。従前地が青空駐車場であった場合には固定資産税・都市計画税の合計額が約5分の1に減少します。
- <個別の適用要件を満たす必要があります>
- これらの税金の減額措置は、サービス付き高齢者向け住宅の登録を受け、補助金の交付を受けた場合に必ず適用を受けることができるわけではありません。それぞれの税法に適用要件が個別に定められており、適用される床面積も、床面積の計算方法も異なりますので、計画しているサービス付き高齢者向け住宅の建物が適用対象となるかどうかは、しっかりと確認してください。
なお、ここで紹介した税金の減額措置の対象となるのは、新築(新築後まだ人の居住の用に供されたことのないものの取得を含みます。)であって、入居者と賃貸借契約を結ぶものに限られます。
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