長期間放置され管理が不十分になった空家等は、火災の発生、建物の倒壊、衛生の悪化、防犯性の低下、景観の悪化など、地域住民に深刻な影響を及ぼしています。そこで、「空家等対策の推進に関する特別措置法」(空家等対策推進法)が施行されています。
- [1] 空家等対策推進法の施行と改正
- [2] 空家等対策推進法の概要
- [3] 軽減されている放置空家等の敷地の固定資産税等の課税を強化
- [4] 特定空家等の敷地にかかる固定資産税等は約3.6倍に!
- [5] 長期間空き家の賃貸不動産は相続税対策で不利に
- [6] 老朽貸家建替えによる相続税額引下げ効果
- 1. 立退費用
- 2. 借家権割合及び貸家建付地割合の控除
- 3. 建物評価減の効果
- 4. 債務控除
- [7] 高齢化で住まなくなった空き家の対処法は?
- 1. 在宅介護に向いていない居宅"
- 2. 居住用財産を譲渡するなら住まなくなった日から3年以内
- 3. リバースモーゲージによる老後資金の調達
- 4. 自宅を改修して賃貸する
- 5. 都心部の自宅の建替えによる賃貸経営
平成30年現在、全国で849万戸ある空家等のうち、349万戸は長期間放置され、その管理が不十分になっており、火災の発生、建物の倒壊、衛生の悪化、防犯性の低下、景観の悪化など、様々な問題が発生し、特に地震などの災害が発生した場合、二次災害の危険性が高まることが指摘されています。国・都道府県が一体となって空家等問題に対処するため、平成26年11月に「空家等対策推進法」が成立し、平成27年5月26日から全面施行されました。その後、さらに空家等対策の総合的な強化を図るため、空家等対策推進法の改正法が令和5年12月13日から施行されています。
適切な管理が行われていない空家等がもたらす問題は、第一義的にその空家等の所有者等に責任があります。しかし、所有者等が対応しない場合には、市町村が、空家等の調査、まちづくり等を進め、「管理不全空家等」への指導、「特定空家等」の除却、修繕、立木竹の伐採等の措置の指導・助言、勧告、命令などによって空家等問題の解消を目指します。
そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態 | |
そのまま放置すれば著しく衛生上有害となるおそれのある状態 | |
適切な管理が行われないことにより著しく景観を損なっている状態 | |
その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態 |
国及び地方公共団体が一体となって空家等問題に取り組むため、空家等対策推進法によって、まず国が空家等に関する施策の基本指針を策定し、市町村が国の基本指針に即した空家等対策計画を策定の上、市町村は調査をし、空家等及びその跡地に関する情報提供その他これらの活用のための対策を実施することとされています。都道府県は、市町村に対して技術的な助言、市町村相互間の連絡調整等必要な援助を行うこととしています。
適正な管理が行われていない空家等が放置されている理由の一つとして、固定資産税等の住宅用地の特例措置が空家等の敷地であっても適用され続けている点が指摘されていました。そこで、空家等対策推進法に基づく必要な措置の勧告の対象となった「特定空家等」及び「管理不全空家等」に係る土地については、住宅用地にかかる固定資産税及び都市計画税の課税標準の特例対象から除外されています。
※本サイトに掲載の内容は、令和6年6月現在の法令に基づき作成しております。