研究報告
暖房方式と温熱環境が身体活動に与える影響
#健康・快適
#空調
積水ハウス株式会社/2020年9月
近年、日本では生活習慣病患者数が増加し、身体活動の促進が重要とされています。「健康日本21(第二次)」では、身体活動量の向上が目標に掲げられていますが、現状では達成できていません。
本研究では、住宅内の温熱環境が在宅時の身体活動に与える影響を調査しました。気流式暖房と放射式暖房の違いを分析した結果、居間の床上1mの室温が高い日や居間-脱衣所の温度差が大きい日は活動量が少ないことが分かりました。更に、放射式暖房の利用者は身体活動が約1.1倍多く、脱衣所暖房を利用する人は約1.2倍多い傾向が見られました。
同一対象者に対して暖房の利用促進を依頼した結果、気流式暖房の利用促進は身体活動を約0.9倍減少させ、居間床上1mの室温が上昇すると身体活動が有意に減少することが確認されました。このように、放射式暖房や脱衣所暖房の利用、そして温度差の縮小が身体活動促進に寄与する可能性が示唆されました。