研究報告
暖房方式・暖房利用が居住者の健康へ与える影響に関する測定調査
#健康・快適
#空調
積水ハウス株式会社/2019年9月
近年、冬季の循環器疾患や呼吸器疾患が問題視され、温暖な住宅と比較して寒冷な住宅では冬季死亡率がより高くなると言われています。そのため、断熱性能が高いことは勿論重要です。しかし、暖房方式(エアコンや床暖房)の違いが健康状態に及ぼす影響を検討した研究はまだ限られています。
今までの研究では、足元温度と健康に関連があること、特に高齢になると代謝機能や体温調節機能が低下することが報告されています。そこで本研究では、アンケートと室内温湿度測定を用いて、年代を考慮した上で、暖房方式が居住者の自覚症状に影響を与えているのかを定量的に評価しました。
その結果、高齢になると温熱環境の影響を受けやすく、特に足元が暖かいことが高血圧や冷え性などを抑制する可能性があることが示されました。
研究報告
高齢化社会における身体活動と温熱環境の関係
#健康・快適
#空調
日本の急速な高齢化により、医療・介護にかかる社会保障費が増加しています。運動不足は非感染性疾患による死亡の主要なリスク因子であり、身体活動量の増加が健康維持に不可欠とされています。また、座位行動も死亡リスクに関連しています。特に、高齢者は在宅時間が長く、住宅環境が身体活動に影響を与えます。
本研究では、床暖房とエアコン等の気流式暖房を比較し、暖房方式が在宅中の身体活動量に与える影響を分析しました。各家庭に温湿度計を配布し、活動量計を使ってデータを収集しました。
結果として、床暖房を利用する日には身体活動量が多くなる傾向が示されました。これらの結果は、身体活動量の変動を評価する上で、長期的な影響を考慮する必要性を示唆しています。