20代、30代の地球温暖化防止に対する住生活意識調査を実施
9割が環境を意識するもカーボンゼロに「個人が取り組む」はまだ3割
しかし無理のない「お手軽エシカル」なら実践したい人が9割も存在

積水ハウス株式会社/2021年10月12日

 積水ハウス株式会社は、カーボンゼロ(脱炭素)※1に対する生活者の意識調査を目的として、20代・30代の400人を対象に「地球温暖化※2防止に対する住生活意識調査」を実施しました。
 政府は地球温暖化対策として2050年までにCO2排出を全体としてゼロにするカーボンゼロ社会の実現を宣言しており、2030年までにCO2など、温室効果ガスの2013年比46%削減を掲げています。中でも家庭部門の温室効果ガス削減目標は2030年度までに66%※3と部門別で最も高い削減率が検討されており、カーボンゼロの実現に向けては家庭部門、つまり個人1人ひとりの意識や行動の大きな転換が求められます。
 本調査の結果、約9割の方が「地球にやさしい生活をした方が良い」と回答。若い世代の地球環境への意識は高く、「カーボンゼロを意識する機会が増えた」と回答した方もおよそ2人に1人でした。一方でカーボンゼロの実現に「個人が取り組むべき」と答えた方は約3割に留まり、温室効果ガス削減に向けて家庭部門の重要性や、「自分ごと」と捉え、個人の取り組みの必要性を感じている方はまだまだ少ない結果となりました。
 その反面、約9割の方が無理をせず、無意識に、地球環境への配慮やカーボンゼロ実現への取り組みを実践したいと回答。「高効率家電やエコカーの選択」「太陽光発電、再生可能エネルギーの利用」「省エネ住宅の選択」などの環境効果は高いが、金銭的負担が多い項目は、実践したいものの、実践できていない方が多く、カーボンゼロの実現に向けた個人の取り組みは、「お手軽エシカル」な行動でできることが重要と明らかになりました。

<環境・カーボンゼロに対する個人の意識>9割が環境取り組みに賛同、
2人に1人がカーボンゼロを意識、しかし「自分ごと」はまだ3割

89.5%が地球温暖化の影響を実感し、87.0%が「地球環境を意識した取り組みに賛同」し、93.0%が「地球環境にやさしい生活をしたほうがよい」と回答。およそ2人に1人(44.3%)がCO2の排出量を全体としてゼロにする「カーボンゼロ」を意識しているが、カーボンゼロの実現に積極的に取り組むべきなのは「政府・地方自治体」(78.5%)や「エネルギー部門の企業」(69.5%)で、家庭部門(自分自身を含めた個人1人ひとり)が取り組むべきと考えている人はまだ30.5%しかいない。

<個人の取り組みの実態>「お手軽エシカル」なら実践したい人が9割も存在
費用など障害だが、やりたいことは高効率家電、エコカー、太陽光、省エネ住宅

91.8%が「地球環境に配慮した生活を“無理せず”実践したい」、84.8%が「“無意識のうちに”カーボンゼロをする方法があれば実践したい」と考えており、約9割は無理をせず、無意識にできる「お手軽エシカル」な行動で取り組めることが重要と回答。実際に「フードロス」「脱プラ」「クールビズ」など、手軽でお金がかからないことは既に実践中。特に金銭的な負担が、カーボンゼロの実現に向けて取り組む上で障害と感じる方は64.0%と最多。
実践していないがやりたいと思っていることの上位3位は「高効率家電やエコカーの選択」「太陽光発電、再生可能エネルギーの利用」「省エネ住宅の選択」が占め、環境効果は高いが、個人の金銭的負担が多い項目は実践したいものの、実践できていない方が多い結果となりました。

<環境・カーボンゼロに対する個人の意識> 

猛暑日や豪雨などの異常気象で地球温暖化を肌で感じ9割が地球温暖化の影響を実感。
 20代・30代の男女400人に地球温暖化を実感することを聞いてみました。すると「猛暑日の増加」(77.0%)、「豪雨・洪水・台風の増加」(66.3%)、「異常気象に関する報道」(45.0%)などが上位に挙げられました。地球温暖化による気候変動を肌で感じることが多いようで、全体の89.5%が何らかの地球温暖化の影響を実感しています[図1]。

ほぼ全員が「地球環境の取り組みに賛同」し「地球環境にやさしい生活」を選択
 地球温暖化やカーボンゼロなどの地球環境に関する取り組みに対して意識が高いと言われる20代・30代ですが、地球環境に対する意識を改めて聞きました。すると、全体の87.0%が「地球環境を意識した取り組みに賛同」し、93.0%が「地球環境にやさしい生活をしたほうがよい」と答えました[図2]。

およそ2人に1人は地球温暖化対策としてカーボンゼロを意識

 地球温暖化対策としてカーボンゼロを意識するようになったかと聞くと、半数近くが「意識する機会が増えた」(44.3%)と回答[図3]。地球温暖化対策としてのカーボンゼロの意識も高まっています。


カーボンゼロ実現に積極的に取り組むべきは「政府」や「企業」

「個人が取り組むべき」はまだ3割

 カーボンゼロの実現に向けて誰が積極的に取り組むべきかと聞くと、「政府・地方自治体」(78.5%)、発電所・ガスなどの「エネルギー部門の企業」(69.5%)、工場・建設などの「産業部門の企業」(52.3%)が上位に挙げられ、政府・自治体に関しては8割近くが積極的に取り組むべきだと考えています。しかし、自分自身を含めた個人の「家庭部門」(30.5%)が積極的に取り組むべきだと回答したのは3割しかいませんでした[図4]。
家庭部門での温暖化ガス削減目標達成には、まだまだ個人の意識の高まりが必要なようです。

<個人の取り組みの実態>
地球にやさしい暮らし方やカーボンゼロに貢献する生活は「無理しない」「無意識」に実践したい 

 20代・30代の多くが地球環境にやさしい暮らし方を支持していますが、環境配慮生活の実践に対する考え方を聞いてみると、91.8%が「地球環境に配慮した生活を“無理せず”実践したい」、84.8%が「“無意識のうちに”カーボンゼロな生活をする方法があれば実践したい」と答えました[図5]。
 つまり、環境配慮生活への取り組みは、「無理をしなくてよいのであれば…」という方が大半のようです。


お手軽なエシカル行動は実践中
しかし環境効果は高いが金銭的な負担が多い項目は実践できていない

 無理せずできることには取り組む20代・30代ですが、地球環境のために、現在、どんなことを実践しているのか聞いてみました。すると、「食べ残しをしない」(69.0%)、「無駄な食材を購入しない」(63.5%)、「スーパーやコンビニでお箸やビニール袋などをもらわない」(49.0%)、「冷暖房の設定温度に配慮」(45.3%))など、身近なひと工夫や特別な出費が伴わないことなどは、習慣的に実践されているようです[図6]。
 これに対して、「実践していないがやりたいと思っていること」の上位3位までを「高効率家電やエコカーなど、環境に配慮された製品を選択」「太陽光発電の住宅に住んでいる・自宅の電気を再生可能エネルギーに切り替える」「省エネ住宅を選択」が占め、環境効果は高いが、個人の金銭的負担が多い項目は実践したいけど実践できていない方が多い結果となりました。

カーボンゼロ実現の障害は「お金がかかる」が最多
「障害が無ければ協力する」スタンス

 カーボンゼロを実現する上で障害となっていることを聞くと、「お金がかかる」(64.0%)が最も大きな障害として挙げられた他、「生活が不便」(34.0%)、「時間がかかる」(33.8%)、「我慢が必要」(33.0%)、「面倒」(32.0%)などが挙げられました[図7]。逆に、価格や品質に差がなければ地球環境にやさしい商品やサービスを利用したいかと聞くと、89.3%が「利用したい」と答えています[図8]。

 つまり「金銭的負担や手間がなければ、カーボンゼロに協力したい」と考えていることが伺えます。

「地球温暖化防止に対する住生活意識調査」 調査概要※4
実施時期:2021年9月10日(金)~9月11日(土)
調査手法:インターネット調査 
調査対象:賃貸住宅に暮らす20代・30代の男女400人(男女各200人ずつ)


※1カーボンゼロ(脱炭素)
 2020年10月、日本政府は「2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、すなわち2050年にカーボンゼロ、脱炭素社会の
実現を目指す」ことを宣言しました。排出を全体としてゼロというのは、CO2をはじめとする温室効果ガスの「排出量」から、森林などによる「吸収量」を差し引いて合計を実質的にゼロにするカーボンニュートラル社会を表します。

※2地球温暖化
 地球規模で気温や海水温が上昇し氷河や氷床が縮小する現象で、平均的な気温の上昇、異常高温(熱波)や大雨・干ばつの増加などのさまざまな気候の変化をともなっています。地球温暖化は、自動車や電力を作り出すための火力発電から生み出された二酸化炭素(CO2)の増加など人為的な要因により引き起こされたもので、その影響は、生物活動の変化や水資源や農作物への影響など、自然生態系や人間社会にすでに現れています。将来、地球の気温はさらに上昇すると予想され、水、生態系、食糧、沿岸域、健康などでより深刻な影響が生じると考えられています。

※3環境省と経済産業省が公表している「地球温暖化対策計画(案)」参照。削減目標数値については変動する可能性があります。
  https://www.meti.go.jp/shingikai/sankoshin/sangyo_gijutsu/chikyu_kankyo/ondanka_wg/pdf/008_03_00.pdf


※4構成比(%)は小数点第2位以下を四捨五入しているため、合計しても100%にならない場合があります

お問合せ先 積⽔ハウス株式会社 広報室
⼤阪市北区⼤淀中 1-1-88 梅⽥スカイビル タワーイースト