継承 外観

継承〜一二三の庭〜

継承

お父様が建築地に遺された多数の石材、樹木。別の場所には500角の欅柱、石臼、五重塔、灯篭など。遺された品を活かし、継承していきました。

継承 和室

〜一二三の庭〜

『火』と『水』、『陰』と『陽』相反するものが存在し、互いに対立し、依存しあいながら万物を形成しています。自分の中にある、この二つのバランスを知ることにより、安堵が生まれ、心が楽になり、一歩前進することができます。

30代ご夫婦と猫1匹、兎1羽の住まいです。建築地は山間にある閑静な住宅地で、ご主人様お父様の遺された土地になります。建築地には、樹木や石材、船などが置かれており、特に利用されていない状態でした。北、西、南が道路で、北側には道路向かいの緑が見えます。他は住宅です。東側は崖で荒れた雑木林となっており、手入れ出来ない状態でした。

施主様の希望は、『遺された品を出来る限り使いたい』『大人数集まれるスペース』『こだわりのある庭』。これらのご要望・敷地条件から、複数の庭のあるH型の平家を提案しました。北東の松は移植に耐えれなさそうでしたので、避けた形で計画しました。

建物形状Hの左の縦線ラインは、パブリックスペースとし、山神の庭・玄関・和室・広縁・海神の庭と視線の抜け・広がりのあるスペースとしました。玄関ホールに欅柱を設置し、みんなに見ていただける大黒柱・家の顔としました。

Hの横線ラインは、中間領域とし、南北に庭を持つリビングとしました。北庭は水(陰)の庭・リビングは風(心)の間・南庭は火(陽)の庭とし、心を落ち着かせるスペースとしました。北庭の石臼を利用した水の音は、癒しを与えてくれます。

Hの右の縦線ラインは、プライベートスペースとし、水廻り・寝室をまとめました。LDKと畳スペースは一体となっており、大人数集まれる空間としました。崖側の庭は、既存の松を眺めながら入れる露天風呂スペース・サービスヤード・バーベキューなどに使える庭のスペースとしました。

建築地にあった樹木や石は、雑木や園芸品種、大島石や庵治石、錆色の石や板石竿石などばらばらの状態でした。複数の庭を作りそれぞれを集中させることで、全てを利用し、自然にまとまるよう考慮しました。

庭は理想の庭の最終形にはせず、これからも徐々に作っていける形としました。お施主様自身で少しずつ手を加え、理想の苔庭になるよう家と共に成長していきます。

継承 リビング・ダイニング
継承 中庭2
DATA

敷地面積:939.74㎡

延床面積:167.75㎡

階  数:平屋

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