立体志向住宅
建築地は隣家が近接する街中の3F建て重量鉄骨の住宅。南側敷地には3F建てのクリニックがあり、採光の確保と視線の制御が計画の中心となりました。
採光の期待しにくい1Fは寝室とシアタールーム。シアタールームには高低差を設け、グランドピアノを計画。ホームシアターの空間は床を下げ、空間の広がりを計画、グランドピアノは舞台になるように床を上げ立体的に計画しています。
市街地の為、LDKは2Fに計画。L型にすることで、南東に向き、南側クリニックと東側隣家との距離を取りつつ、採光と空間の広がりを確保してます。キッチン裏にはパントリーと共にサービスバルコニーも計画。綺麗な空間の中に、家事動線や収納も意識した計画としています。
そして計画の中心となったのは、暗くなりやすい北西の計画。北西には階段と連続させた3層の吹抜けを計画。吹抜けとLDKをガラスで介し、吹き抜けと水平方向だけでなく立体的に繋げることで、視線の抜けと共に空間の広がりと立体的な午後からの採光をも確保しています。
北側視線の先には街並みの奥に山々と豊かな景色が広がり、景色をのびやかに取り込みながら、南側や東側とは異なる陰影をもつ光が、リビングダイニングに広がります。
視線の配慮が必要な街中の敷地も、L字配置と3F建てを立体的に組み合わせることで、縦の広がりと横のつながりを作り出し、住まい手が心地よい光や開放感を感じながら暮らせる住宅として、設計させて頂きました。
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DATA
敷地面積:169.20㎡
延床面積:188.12㎡
階 数:3階