グローバルキッズ南砂園
地域の憩いの場である公園内に緑と光に包まれた子どもの生活空間をつくる
敷地は公園の中に位置しています。豊かな自然に恵まれた環境をいかして子どもの生活空間をつくるとともに、
これまで公園として使われてきた一角を利用して建つ園舎として、公園を訪れる地域住民の方にもひらかれた場所となるよう計画しました。
人が行き交う遊歩道沿いに地域に開放する緑地スペースと多目的室を設け、多世代が出会い、コミュニケーションを育む地域の交点となるような園舎を目指しました。
安心の中で緑を感じられる保育空間
プライベートエリアとなる保育空間は、外からの視線をゆるやかに遮り、公園という公共の場にあっても落ち着いた生活が送れるよう配慮。
同時に、公園の豊かな自然を身近に感じられるように工夫しています。
各保育室には樹木が茂る南側に向かって大きな開口を設け、バルコニーやウッドデッキを介して屋外とつながるように。
公園と接する園庭と2階のバルコニーには、フェンスやパーゴラで囲いをつくり、守られた安心感の中で外遊びができるよう工夫しています。
温もりのある木と色彩で五感に働きかける内装に
豊かな公園の緑を感じながら、室内でも自然素材に囲まれて心地よく過ごせるよう、内装には木材をふんだんに使用。
杉やオークなど多様な樹種を組み合わせることで、手触りや表情の違いを体験することができます。
さらに、やわらかいトーンのカラーリングをインテリアのアクセントに取り入れ、五感に働きかける優しい空間に仕上げています。
メインアプローチ。塀やフェンスで囲わず植栽や築山を配して、オープンでありながら奥行き感のあるアプローチをつくっています。
玄関ホール。園児や保護者を迎える場としてゆったりとしたスペースを確保。アプローチから玄関ホール、多目的室までを地域にひらくパブリック空間と位置づけ、多目的室と一体に広く使える計画としました。
玄関ホールに隣接して設けた多目的室は、送迎時の保護者同士の交流の場としても機能。レンガ風のタイルや寄木張りの床など、大人が落ち着ける内装に仕上げています。
多目的室。外のテラスは床のレベルを合わせ、コーナーサッシを開けると内外が一体化する、開放的なつくりとなっており、窓からは植栽や公園の緑が望めます。
遊歩道に面した多目的室の外周には軒のあるテラススペースを設け、室内の賑わいが外に広がるようにしています。
遊歩道から見る多目的室。地域にひらく場として独立したアプローチを設けることで、メインエントランスとは別に行き来ができる計画。
0歳児室。やわらかいコルクの床やシナ合板の腰壁に囲まれた優しい空間の中に多彩なコーナーがつくられています。
1歳児室。園庭へと出入りができる南側の開口には、木製のベビーゲートを設置。西側の壁一面に張ったシナ合板が自然光をやわらかく受け止め、心安らぐ空間に。
2歳児室。棚などの家具は可動式で、自由にレイアウト変更が可能。 家や店に見立てたコーナーを各所につくるなど、子どもが自ら遊びの環境を選ぶコーナー保育により、自主性や創造性を育む場としています。
0~2歳児の保育室前に設けた園庭。ウッドデッキにより、それぞれの保育室から直接出入りができます。フェンスと植栽、公園の大樹に囲まれた安心感の中で、四季の移り変わりを感じながら遊ぶことができます。
2階の階段ホールに設けた図書コーナー。異年齢の交流が生まれ、遊びが広がる場となるよう、無垢材のベンチを設えました。 絵本を読んだり、おしゃべりをしたり、思い思いに過ごすことができます。
3歳児室。バルコニーにパーゴラを設けたり、窓の位置を高くすることで外部からの視線を遮りつつ、公園の緑を取り込んだ、開放的で明るい空間に。
子どもの背丈に合わせた高さで外の様子が観察できます。
2階南側のバルコニー。囲うように設けたパーゴラが公園との境界をつくり、安心感を生みます。
廊下には4つの樹種を用い、異なる表情を楽しめる仕上げとしました。壁には園児の作品を飾れる浅い棚を設置。
トイレは壁や床を優しいトーンの色でまとめ、星型のライトを設えるなど、明るい空間になるよう工夫しています。
施設情報
タイプ | 保育所 |
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定員 |
99名 |
敷地面積 | 999.41㎡ |
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延床面積 | 775.47㎡ |