物件の魅力を高め
資産価値を上げるリノベーション
「リフォームとは何が違うの?」
「どのタイミングですればいいの?」
といった今知っておきたいリノベーションについて解説します
この記事は2023年8月時点の情報です
「リフォームとは何が違うの?」
「どのタイミングですればいいの?」
といった今知っておきたいリノベーションについて解説します。
リノベーションとは…
リノベーションとは、間取りや機能、デザインなど大規模な改修を施し“物件に新たな価値を加えて進化させること”です。例えば、ダイニングキッチンと和室が区切られた1DKの間取りを開放的な1LDKにするなど、住む人や時代に合わせて刷新するのがリノベーションです。一方のリフォームとは、汚れた壁紙の張り替えや、古くなったキッチンの交換など部分的・表層的な改修工事のことです。どちらも工事を行うという行為は同じですがその目的は異なります。
なぜリノベーションが注目されているのか…
建物は築年数が経つと老朽化します。そのまま放置すると入居率が低下し、家賃下落・収入低下を招いて修繕費用が賄えなくなり、更に老朽化が加速するといった負のスパイラルに陥りかねません。最近では、そういったことを未然に防ぐために、リノベーションで先手を打つオーナー様が増えてきています。定期的なメンテナンスに加え、時代により変化する入居者ニーズやライフスタイルに対応したリノベーションを行うことで入居者に選ばれ、長期にわたる安定した賃貸経営が可能となります。
リノベーションによる
税金面のメリット
リノベーションや修繕に要した工事費は、建物と同様の「資産」または
その年の「必要経費」として計上することができますので、所得税の軽減につながります。
また、賃貸住宅の相続税の節税対策としてのメリットもあります。
工事費が不動産所得の費用となる
リノベーションや修繕に要した工事費は、建物の価値を高め、またはその性能を向上させる部分については、減価償却費(資本的支出)として耐用年数にわたって長期で費用化できます。一方で、建物の原状回復のための部分及び除却費については、工事完了ごとに必要経費(修繕費)にできます。一般的な賃貸物件の場合は、新築から15年を経過すると建物附属設備が、27年を経過すると建物が減価償却を終えるため経費が減少し、所得税の負担が増え、税引き後の手取り収入が減少します。定期的な建物の維持管理や修繕の計画と合わせて、これらのタイミングで入居者ニーズの変化に対応したリノベーションを行うことも効果的でしょう。
【住宅用建物・主な建物付属設備の耐用年数】
修繕やリノベーションは相続前に
相続税の節税対策の面では、しっかり修繕やリノベーションをする代わりに適正に家賃を引き上げる家主と、家賃を据え置く代わりに修繕もなおざりの家主と、どちらが有利でしょうか。まず、家主が相続発生前に工事費を負担すると、それに要した現預金という相続財産が減少する効果があります。更に、工事費として投下した資金は修繕費に該当するものはその期の経費となり、リノベーションに要した金額は建物の評価額に置き換わり、相続税評価上では現預金の半分程度で評価※1されるため、大きなメリットがあります。
入居率は相続税と関係がある
賃貸住宅とその敷地の相続税評価額は、入居率(賃貸割合)が高ければ高い程引き下げられます※2。この点においても、リノベーションを活用して物件の魅力をアップさせ、高い入居率を維持しておくことが相続対策として効果的であるといえます。なお、賃貸物件を一括借上としている場合は、入居率は常に100%として評価されますので、ご安心ください。
※1リノベーションに要した金額に、70%(固定資産税評価額相当割合と仮定)×(1-借家権割合30%×賃貸割合100%)=49%を乗じる場合の目安です。
※2賃貸住宅とその敷地の相続税評価額は、土地については自用地評価額×(1-借地権割合×借家権割合×賃貸割合)、
建物については固定資産税評価額×(1-借家権割合×賃貸割合)とされます。