木村医院

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  • 住宅併用

木村医院

循環器内科の専門性と、地域に根差した
「かかりつけ医」の親しみやすさを両立

循環器内科の経験・実績を積み、育った地に戻って開業された院長。「患者さんにとって、医院は気が重くなる場所。あえて『医院らしくない雰囲気』でリラックスしてもらおうと考えました」。天井の一部を板張りにしたり、あらわし梁を採用するなど木をふんだんに使ったやさしい雰囲気は、まるで「住まい」です。温かみと親しみにあふれた空間は、看護師でもある奥様と設計担当の高島、インテリアコーディネーターが一緒につくりあげていきました。「患者さんはもちろん、付き添いの方にも安らいでもらえるように」と、待合室の椅子や本までひとつひとつこだわりがあるそうです。
ここに居るだけで、病気が治る気がする――患者さんからそんな声も聞こえてくるクリニック。院長と奥様の想いが、患者さんにしっかりと伝わっています。

院長がイメージされた外観は、深い軒のある古い民家。2階のボリュームを極力抑え、趣きをたたえる軒を巡らせて大らかな平屋風のシルエットを実現しました。季節感を伝える豊かな植栽が、街並みの印象を高めることにも貢献しています。

ご自宅併用の建物は、ご家族のプライバシー確保が重要です。木村医院は居室の一室を張り出すことで、医院側からご自宅が見えないようになっています。「家と一体になっていると知らない患者さんも多いくらいですよ」と院長。

患者さんがくつろげるように気を配られた空間づくりの中でも、特に院長が強くご要望になっただんらん室は、待合室の概念を一新。TVはなく、本棚には建築やアート系、洋書などが並びます。「健康情報の本は1冊もないんですよ」と、本を厳選された奥様。さらに、子どもたちが目を輝かせるブロックや木製の玩具、お茶&コーヒーのサーバー、お茶菓子が置かれています。
視界に入れたくない隣の建物などは巧みにカットしながら、庭の緑を風景画のように切り取る雪見障子。眺めを楽しみながらゆったりと本が読めて、「図書館みたい!」と患者さんに大好評です。

廊下の天井とだんらん室の天井を板張りでつなげ、空間の広がりを演出。また、障子の上下をガラスにすることで、廊下や受付スペースでも庭からの光が感じられます。ソファなどの家具も住宅用を選び、居心地のよさがさらに高まりました。

積水ハウスの専門部署である医療・介護事業推進室が初期段階から打合せに参加し、設計担当の高島と連携しながら計画した機能的な動線は、院長にもご満足いただいています。

メインとサブとして2つの診療室を配置。受付から診療室、レントゲン操作室まで一直線でつながる裏動線が効率的です。

白を基調に清潔感のある処置室には、「こういうものが置いてあると、和みますよね」と院長のおっしゃるレトロな雰囲気の医療棚が。お父様の医院で使われていたものを補修して使用しています。

「住居にも木をふんだんに採用し、心が安らぐ雰囲気を大切に」と設計担当の高島は考え、木調天井と軒下をつなげることで生まれた屋内外の連続性や、南北に開口を設けてLDKと書斎スペースから眺める庭の心地よさを空間にもたらしました。「のんびり見ていると、ふいに木の葉が動く。風って目に見えるんですね」と院長。

LDKと一体の空間でありながら、床面を一段高くすることで独立感も演出した書斎スペース。「目の前にも、振り返っても庭がある。贅沢ですよ」と院長お気に入りの指定席に。

キッチン扉は、印象的な深いモスグリーン。木の風合いとぴったりマッチしています。また、キッチン脇に設けられた家事室の棚背面もグリーンのクロスに。お洒落にディスプレイされ、リビングやダイニングから見えないところまでこだわりが感じられます。

木調天井や玄関収納など木の質感が映える、シンプルで洗練された印象の玄関。開口から見える庭の緑も彩りを添えています。

施設情報

図面
用途 住宅併用
敷地面積 2223.03㎡
1F床面積 387.62㎡
2F床面積 51.15㎡
延床面積 438.77㎡
医院部分面積 242.65㎡
駐車場台数 医院用38台、自宅用1台
担当支店 小山支店

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