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化学物質削減取り組み事例
化学物質の管理化学物質削減取り組み事例
シックハウス対策
 住宅の性能向上に伴い、気密性も高くなっています。そのため建材や家具、日用品などから発散された揮発性有機化合物(VOC)が、住まい手の健康に害を与える「シックハウス症候群」が社会問題となっています。

 当社はシックハウス問題への対策として、建築基準法が規制対象とする2物質にとどまらず、厚生労働省が室内濃度指針値を定める13物質すべてを対象に取り組みを進めています。また、壁・天井への壁紙接着剤へのホルムアルデヒド使用を業界に先駆けて廃止したり、快適性と省エネ性能に配慮した計画換気システムを戸建住宅に標準化したりするなど、建材と換気システムの両面から室内空気環境の改善に積極的に取り組んできました。

 2004年度は、改正建築基準法の規制対象外である手すり、幅木、下地等についても、最もホルムアルデヒドの発散量が少ない「F☆☆☆☆」ランクの部材に切り替えました。今後も換気システムと化学物質の使用の両面から、室内環境の向上に取り組んでいきます。

安全性に配慮した壁紙
 安全性に配慮し、塩素や可塑剤を含まない、水性樹脂や自然素材を原料としたオリジナル壁紙を開発しました。2002年8月より戸建住宅の標準仕様としています。当社が推奨するオリジナルインテリアコーディネートシステム(SHIC)においては、2003年度より採用率100%を維持しています。

 2004年度には、オリジナル壁紙にパピルス草とパルプを主原料とした和紙調壁紙を神戸パピルス研究所と共同開発し、4月より採用を開始しました。パピルス壁紙には、色や繊維のばらつきのあるものも漉きこむことで、自然素材の持つ暖かさとやさしさが引き出されています。またパピルスは成長が速いことや、栽培される土地の水の浄化作用があるため、持続可能な環境素材とされています。今後は採用率の向上に努めていきます。

SHICシステムにおける「健康物語」採用率
SHICシステムにおける「健康物語」採用率のグラフ

外壁材の仕様見直しによるトルエン削減
 トルエンは厚生労働省のシックハウス(室内空気汚染)問題に関する検討会において、シックハウス症候群の原因物質の恐れがあるため、室内濃度の指針値が公表されている揮発性有機化合物(VOC)のひとつです。当社では内装材については早くからトルエンを含まない、あるいは大幅に削減した接着剤を採用してきましたが、外壁材についても同様に接着剤の無溶剤化に向けて取り組みを進めています。

シロアリ被害防止薬剤の安全配慮
 シロアリ被害防止のために散布する土壌処理剤についても、周辺環境や人体の健康に配慮しています。例えば被害度の高いイエシロアリが生息しない地域の鉄骨系住宅では、粒状防蟻剤への切り替えを進めています。この薬剤は従来の液状のものより揮発性有機化合物(VOC)が放散しにくく、居住空間への影響が少ないという特長があります。また薬剤が水に溶出しにくいため周辺の地下水への汚染が少ない点や、薬剤を飛散させずに散布できるため近隣に異臭がほとんどしない点などのメリットもあります。
※本州の一部、九州、四国を除く地域

瓦釉薬の無鉛化
 鉛は人体に吸収、蓄積されると健康上さまざまな障害を引き起こす可能性が指摘されている物質です。瓦を焼成する際、通常は発色を安定させる目的で釉薬に鉛が添加されますが、当社では人体への配慮から無鉛釉薬を用いた瓦や釉薬を用いないオリジナルいぶし瓦を採用し、釉薬に含まれる鉛の使用量削減に取り組んでいます。1996年から無鉛化に取り組み、2004年度には瓦総出荷枚数の26.5%で無鉛化を実現しました。

瓦無鉛化率 (お詫びと訂正)
昨年度報告書「ECO WORKS 2004」P.34掲載の瓦無鉛化率は、集計方法に誤りがありました。お詫びして訂正させていただきます。
瓦無鉛化率のグラフ

住宅部材のノンフロン化
 フロン類は強力な温室効果ガスであるとともにオゾン層破壊物質です。先進国では、フロン(CFC類)については1995年末までに生産・消費が全廃され、現在は代替フロン(HCFC類とHFC類)の使用撤廃に向けて取り組みが進んでいます。

 当社で使用している住宅部材にも製造過程で代替フロンが用いられている可能性があるため、使用実態を把握し、使用している場合は代替フロンへの切替を進めてきました。2003年度にはパネル断熱材の種類と施工方法を変更することですべての床パネル用断熱材のノンフロン化を達成。2004年度は主要部材の代替フロンが使用されていないことを確認しました。今後も使用されている可能性のある部材の洗い出し作業を続け、全部材についてノンフロン化の確認作業を行います。

代替フロン不使用を確認した主要部材
床パネル断熱材(発泡ポリスチレン)、鋼板ユニット防水(発泡ポリスチレン)
現場吹きウレタン(発泡ウレタン)、浴室断熱材(発泡ウレタン)

低公害車の導入
 当社では、営業車を更新する際に、低公害型車両(国土交通省認定低排出ガス車)の導入を順次進めてきました。導入率は、2003年度より100%を維持しています。さらに、2004年度は、国土交通省の平成17年基準排出ガス75%低減レベルの「超低排出ガス仕様車」を769台導入し、導入率は84%となっています。今後も低公害型車両の導入を進め、大気汚染物質の削減に取り組みます。
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化学物質の管理化学物質削減取り組み事例