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再生可能エネルギーの利用 エネルギーの「質」にこだわりたい
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世界初の一般戸建て住宅における燃料電池導入
 燃料電池の開発は1980年代から国レベルで推進されてきました。積水ハウスでは、早くから各ガス会社や燃料電池メーカーと、さまざまな意見交換を行ってきました。また、経済産業省の「資源循環型住宅開発プロジェクト」の中でも「燃料電池コージェネレーションと二次側機器との最適組合せ技術の開発」というテーマで燃料電池の住宅への導入に関する検討を行ってきました。それらの取り組みの結果、積水ハウスでは東京都八王子市や武蔵野市の分譲地等において計12台の家庭用燃料電池を設置し、2005年春から販売を始めています。一般の戸建住宅における定置型燃料電池としては世界で初めての導入となります。
 普及に向けた一歩を踏み出した燃料電池ですが、現時点では、コスト面、耐久性、燃料電池の発電・発熱量と家庭での消費量とのバランスなど、いくつかの課題があります。住宅メーカーとしては電気と熱のバランスを考えた生活提案を行っていくことが重要になります。現在は、燃料電池の普及に向けた導入期であり、水素社会への移行へ寄与することは住宅業界のトップメーカーの責務と考えています。
 これからも「化石燃料に依存しないエネルギー利用の実現」に向けて、燃料電池や太陽光発電システム、バイオマス活用など、さまざまな選択肢の中から、住まい手の暮らしの状況や敷地条件などに合わせた最適なエネルギーシステムの提案を進めていきます。
商用製品としての一般戸建住宅における定置型燃料電池(都市ガス仕様)の導入

家庭用燃料電池システム

家庭用燃料電池システムは、「燃料電池ユニット」と「貯湯ユニット」の2つで構成されます。燃料電池ユニットでは、都市ガスやLPガスから取り出した水素と空気中の酸素を化学反応させて発電します。発電の際に発生した熱でお湯をつくり、貯湯ユニットにお湯をためます。発電した電気は家庭内の電気機器に使用し、お湯は風呂やシャワー、キッチンなどの給湯に使用できます。 家庭用燃料電池システムのしくみ図



燃料電池を使った場合と、従来のシステムで賄った場合の年間CO2排出量の比較グラフ CO2排出係数:
ガス 2.36kg-CO2/m3
電気 0.69kg-CO2/kWh(火力平均)

燃料電池で1kWhの発電と1.3kWhの熱回収を行ったときのCO2排出量
  想定負荷:給湯負荷15.7GJ、電力負荷4.9MWh

関係者コメント
吉祥寺東町分譲への燃料電池導入について
武蔵野営業所 課長 姫野清治
武蔵野営業所 課長
姫野 清治
 今回の武蔵野市吉祥寺東町の建売分譲7棟への家庭用定置型燃料電池の導入は世界に先駆けた取り組みとして注目されていますが、それ以上に今回の分譲コンセプトである「環境」「防災」の実現に必要なシステムと考えています。
 7棟の分譲住宅に燃料電池を導入することで、計画地全体を植林したことに匹敵するCO2排出量の削減が期待できますし、エネルギー効率の向上によりランニングコストの低減という経済的メリットもあります。防災面については、東海地震の発生が予測される関東圏において、災害時の生活用水として200リットルの貯湯タンクは有効に機能すると考えられます。
 生活者に負担をかけず、「環境」と「防災」という住宅に必要な機能を備える燃料電池は、持続可能な住まいのひとつの選択肢になりうると考えています。
吉祥寺東町分譲計画の模型の写真 7台の家庭用定置型燃料電池を採用する
吉祥寺東町分譲計画
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