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環境リスクマネジメント
リスク管理の考え方と体制
 企業のリスクは、作業事故、自然災害、情報セキュリティ、環境リスク、商品の安全性など、さまざまな要因によって顕在化します。企業の行う事業活動も人間が行う以上は事故が全くないとは限らない、との意識を持ち、多くの施工現場をもつ当社では、現場から排出される廃棄物などの適正処理をはじめ、土壌汚染や自然災害のリスクを把握し、コントロールするための体制を整えています。

 またリスクに対する意識の欠如が事故の発生を誘発するとの認識から、全社的な意識の底上げをめざし、管理担当者だけでなくすべての従業員に危機意識を持たせるような社内教育も進めています。さらに当社従業員だけでなく、現場で工事に携わる協力会社の責任者を対象にした研修の中で、リスク管理に関する意識向上にも取り組んでいます。

廃棄物の適正処理〜廃棄物管理システム導入による一貫した管理
 多くの施工現場を抱える住宅メーカーである当社は、廃棄物問題を特に重要なリスクと認識しています。法律によるマニフェストの義務化に先立ち、1991年に当社基幹コンピュータ内に廃棄物管理システムを立ち上げ、以来一貫した管理を行ってきました。処理委託契約書の作成からマニフェスト伝票の発行、回収後の実績入力、そして入力情報に基づくデータ管理までの一連の業務をすべて同一システムで運用することにより、リスクを低減した適切な廃棄物処理が可能となっています。さらに今年度はレベルの高い資源循環を実現するため建設業界初の広域認定を取得しました。

 また不法投棄のリスクをより少なくするためには、優良な中間処理業者の協力を得ることも重要です。当社では、業者選択の基準を定めたガイドラインを作成し、委託の可否を数値化して判断しています。また、社内の担当者だけでなく現場で工事に携わる協力会社の責任者への研修も実施しています。今後はガイドラインをデータベース化することでより効率的な運用を行っていく計画です。
広域認定とは、廃棄物の回収やリサイクルのしくみが整備されていると環境大臣が認めた企業に限り、複数の都道府県にまたがる廃棄物移動に必要な各行政の許可が不要になるなど、廃棄物処理法の規則が緩和される特例制度。

委託業者選定ガイドの写真 委託業者選定ガイド(中間処分業者編)

土壌汚染対策〜独自のシステム構築
 土壌汚染については、汚染状況を把握、汚染がある場合はその情報を公開して、汚染リスクを適切に管理することを目的とした土壌汚染対策法があります。当社では同法を受け作成した独自の対応マニュアルに基づき、社内研修の実施や分譲地購入の際のリスク分析、そしてお客様へのアドバイスができるシステムを構築し、対策を進めています。

 分譲地購入の際のリスク管理の徹底を進め、2004年度は汚染の恐れがあると判断された22物件につき、指定調査機関を交えた分析を行い、うち3物件の取引を中止しました。また、新たに取得した資源循環センターの土地取得にあたり、指定調査機関による調査を実施し、緊急に対応すべき汚染のないことを確認しました。

自然災害対策〜自然災害対策アクションプログラムの策定
 自然災害のリスクに対応するため、「自然災害対策アクションプログラム」を定めました。従業員および従業員の家族の安否確認、生活確保を前提に、当社のお客様または地域の住民の方の応急復旧や復興支援を行う体制を整えました。そのために、「自然災害発生時の初動カード」を全従業員に、「全社自然災害対策・初動マニュアル(管理者編)」を各職場の長にあたる従業員に配布しています。

 「自然災害発生時の初動カード」は、従業員が万一災害に遭遇した場合の初動についての内容および個人の情報を記入できるもので、名刺入れや財布などに入れて常時携帯することを徹底しています。「全社自然災害対策・初動マニュアル(管理者編)」は、初動と初動後の行動における管理体制について記載し、万一の事態に適切な管理のもと活動を行えるよう備えています。
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