安藤サクラ

列車が揺れて目を覚ますと、
空はオーロラで染まっていた。

車窓からの景色に目をうばわれたまま
私は隣で眠る夫の身体を揺すった。

私たちがこうして北欧を巡る旅に出たのは
子供たちが巣立って、もう一度ふたりになったから。

新しい生き方を話し合って、
私たちはたくさん旅をすることにした。

実は、こうして生き方を変えるのは2回目で
はじめは家を建てたときのこと。

たくさん話し合って夢のような家を建てたのに
働いてばかりの私たちは、家で過ごす時間があまりなかった。

ある日キッチンに立って家を見回すと
なんだか家が空っぽのような気がして寂しくなった。

ここに、きちんと“暮らし”をつくらないと。

ふたりで話し合って私は仕事をやめた。
あの時勇気をくれたのはあの家だった気がする。

「来てよかったね」

声がして隣を見るといつのまにか夫も空を見上げていた。
瞳の中で緑の光がチカチカと揺れている。

「うん、よかった」

もう一度眠る気にもなれず
日が昇るまでの間、私たちは流れる景色を眺めながら過ごした。

車窓からの景色に目をうばわれたまま
私は隣で眠る夫の身体を揺すった。

私たちがこうして北欧を巡る旅に出たのは子供たちが巣立って、もう一度ふたりになったから。

新しい生き方を話し合って、私たちはたくさん旅をすることにした。

実は、こうして生き方を変えるのは2回目ではじめは家を建てたときのこと。

たくさん話し合って夢のような家を建てたのに働いてばかりの私たちは、家で過ごす時間があまりなかった。

ある日キッチンに立って家を見回すとなんだか家が空っぽのような気がして寂しくなった。

ここに、きちんと“暮らし”をつくらないと。

ふたりで話し合って私は仕事をやめた。あの時勇気をくれたのはあの家だった気がする。

「来てよかったね」

声がして隣を見るといつのまにか夫も空を見上げていた。
瞳の中で緑の光がチカチカと揺れている。

「うん、よかった」

もう一度眠る気にもなれず日が昇るまでの間、私たちは流れる景色を眺めながら過ごした。

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声:安藤サクラ
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